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【パリ五輪まで1年】7月26日から17日間 | ”東京”から3年 問われる姿

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2024年パリ五輪(パリオリンピック) は2024年7月26日~8月11日(17日間)、フランス・パリを中心に開催される第33回の夏季五輪です。開幕まで1年。五輪5大会を現場で体験したスポーツジャーナリスト・原田亜紀夫(元・朝日新聞東京本社スポーツ部次長)が大会の意義や特徴を解説します。

2024パリ五輪 開幕まで

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目次

「東京」から3年 問われる姿

2020東京五輪

コロナ禍で大半の競技が無観客で行われた2021年の東京五輪から、異例の3年のインターバル(通常は4年)で行なわれる夏季五輪となります。世界がパンデミックを乗り越え、ニューノーマル(新しい日常)で再始動した後の最初のスポーツの祭典は、いかにあるべきか。そして2022年2月から続くロシアによるウクライナ侵攻などで分断した世界に、平和をもたらす五輪はどうあるべきか。改めてその意義や価値が問われる大会となりそうです。

理事とスポンサーによる贈収賄や汚職、談合問題で後味が悪い状況が尾を引いている東京大会と同様、パリ五輪・パラリンピック組織委員会も、事業契約をめぐる不正の疑いで当局から家宅捜索を受けました。捜査の先行きは依然、不透明ですが、「五輪とカネ」の問題は世界からますます厳しい目が注がれるでしょう。

32競技329種目、新競技にブレイキン

パリ五輪

競技は7人制ラグビー、サッカー、ハンドボールの1次リーグが開会式の2日前となる2024年7月24日に始まります。競技数は前回2021年の東京五輪(33競技、339種目)より1競技10種目少ない32競技329種目が実施される予定です。

前回東京五輪で行なわれた野球・ソフトボール、空手は実施されず、東京五輪で新競技となったスケートボード、スポーツクライミング、サーフィンは引き継がれます。東京五輪では行なわれず、パリ五輪で採用される唯一の新競技は「ブレイキン」(ブレークダンス)のみです。

前回パリ五輪から100年のメモリアル

パリでの五輪開催は1924年以来、ちょうど100年ぶりとなるメモリアルな大会です。パリの招致委員会はこのタイミングを意図的に狙って招致に力を入れ、実際に五輪開催を勝ち取りました。

ちなみに、前回1924年パリ五輪で日本は金メダル、銀メダルは獲得できず、レスリング・フリースタイル・フェザー級の内藤克俊が獲得した銅メダル一つでした。

また、フランスでの五輪開催は、スキー・ノルディック複合団体で日本(三ヶ田礼一、河野孝典、荻原健司)が金メダル、フィギュアスケート女子シングルの伊藤みどりらが銀、スピードスケート女子1500mで橋本聖子らが銅を獲得した1992年アルベール冬季五輪以来32年ぶりとなります。

「近代オリンピックの父」のお膝元に帰る五輪

クーベルタン伯爵
ピエール・ド・クーベルタン男爵(国際オリンピック委員会HPより)

五輪とパリは深いかかわりがあります。ご存じ、近代五輪の提唱者は後に「近代オリンピックの父」と呼ばれるフランス人の歴史家ピエール・ド・クーベルタン男爵です。 彼は1863年1月1日、貴族の家系の三男としてパリに生まれました。

そのクーベルタン男爵の呼びかけで1894年6月23日、パリでスポーツ競技者連合の会議が開催されました。その席上、古代オリンピックにならった近代オリンピックの開催と、そのための国際オリンピック委員会(IOC)の設立が決定された経緯があります。

日本オリンピック委員会(JOC)によると、オリンピックのシンボルとして知られる五輪のマークも、後にクーベルタンが考案したものだそうです。青、黄、黒、緑、赤の色は、地色の白を加えると、世界の国旗のほとんどを描くことができるという理由で選んだ、と、彼自身が書き残しています。

クーベルタン男爵の功績を讃え、母国語のフランス語が五輪の第1公用語になりました。 ちなみに開閉会式、表彰式などでは、フランス語→英語→開催国の言語の順でアナウンスが流れるので、今回は仏英の2か国語で済みますね。

時差マイナス7時間 日本のファンは寝不足かも

パリ五輪のスケジュールを見てみましょう。開会式がある2024年7月26日の大会1日目から一部の競技で「決勝」があり、開幕初日からパリ五輪はヒートアップしそうなプログラムが組まれています。

7月26日に決勝があるのは、自転車競技(ロード男女タイムトライアル)、柔道、フェンシング、飛込、7人制ラグビー、射撃、競泳、スケートボードの8競技の一部種目で早くもメダリストが確定します。

また、人気競技の競泳と陸上競技(トラック&フィールド)の決勝のほとんどが現地時間の夜に予定されています。

パリと東京との時差は-7時間。ということは、日本で生中継されるのは深夜から未明の時間帯となり、日本の五輪ファンにとっては連日の「寝不足」が課題となりそうです。一方、男女のマラソンは現地時間の午前8時スタート予定。日本の夕方の時間帯にフィニッシュします。

豪華すぎる競技会場!パリ市庁舎、コンコルド広場、ベルサイユ宮殿

マラソンのスタート地点になるパリ市庁舎=撮影・多田

パリ五輪の特徴は競技会場が「映えすぎる」ことでしょう。有名なモニュメントやランドマークが会場として使用され、ほとんどの競技べニューと見事に融合しています。

例えば開催中「聖火台」になると報道されているエッフェル塔の真下でビーチバレー。男女のマラソンはパリ市庁舎からスタートし、ベルサイユ宮殿で折り返し。オペラ座やルーブル美術館、エッフェル塔を経由して皇帝ナポレオンが眠るアンバリッド(廃兵院)がフィニッシュ地点です。

セーヌ川左岸のアンヴァリッドはアーチェリーの会場にもなっています。ルイ14世が傷痍軍人の受け入れ施設として造った建築物だけに世界からは「はまり過ぎ」という感想も聞かれます。

さらに、コンコルド広場でのBMXフリースタイル。ヴェルサイユ宮殿では馬術が開かれます。

1900年のパリ万国博覧会の展示会場として建てられたグラン・パレではフェンシングやテコンドーの会場となっています。

大半の競技がパリやパリ近郊で行なわれますが、セーリングは南仏の港町マルセイユが会場。サーフィンはパリから1万5700キロ離れていて、東京からの方がむしろ近いフランス領ポリネシアのタヒチで開催されます。

paris-2024-olympic-venues-map
パリ五輪組織委員会HPより(クリックすると拡大します)

花の都、課題も

凱旋門
パリの凱旋門=撮影:多田

課題も浮き彫りになっています。来年7月26日の開会式はセーヌ河畔がメイン会場。夏季五輪史上初めて、「スタジアム外」で開会式が開催されます。東京よりも狭いパリ市街にはその日、60万人規模の大観衆が押し寄せる見込みもあり、交通のマヒ、暴動の発生、テロの脅威などの不安がぬぐえません。

パリ西郊外ナンテールで6月末、交通検問中に警察官の指示に従わなかった17歳のアルジェリア系少年が警察官によって殺害されて以来、フランス全土で暴動が勃発していることに対しても不安の声が上がっています。

暴動への参加者は被害者と同年代のアラブ系・アフリカ系移民の青少年が全体の3割以上といい、標的は全国自治体の市庁舎、警察署、路線バスなどに拡大しています。外国人観光客が行き交うシャンゼリゼ通りでも暴徒と治安部隊の衝突が発生。フランス内務省によれば、拘束された人数は3500人を超え、鎮圧に当たった治安部隊の700人以上が負傷しています。フランスメディアは暴動が治まる予測が立てられないとし、今後も散発的に暴動がフランス各地で起きる可能性を指摘しています。

ごみ収集員のストライキなどによって近年、ネズミが大量に発生していることも懸念材料です。「花の都」と呼ばれるイメージとは裏腹に、最低600万匹はいるといわれるネズミの被害に悩まされている現状もあります。感染症の拡大など人体への影響も懸念されています。

ペンスポ、現地取材へ

そんなパリ五輪をPen&Sports(ペンスポ)は現地で取材し、ほかのマスコミが伝えきれない競技、選手の詳細などを独自のアングル、編集方針でお伝えする計画です。ペンスポ編集長の原田亜紀夫にとっては、3大会連続、5回目の夏季五輪の現場ワークになります。

電通勤務1年目の1995年、アトランタ大会の現場へ。朝日新聞社時代の2008年には陸上競技担当として北京、2016年には現地取材班キャップとしてリオデジャネイロ大会を経験しています。さらに、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会大会では、1年の延期を経て開催された東京大会ホッケー会場をVGM(べニュー・ゼネラルマネジャー)としてマネジメントしました。それらの経験をパリ五輪にぶつけます。

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ペンスポの運営会社・Pen&Co.(ペンアンド)株式会社はスポーツジャーナリズムの旗を掲げ、パリ五輪も大手マスコミが伝えない競技や裏舞台にも迫り、独自の視点でストーリーを紡ぎます。4年に1度しか注目されない競技で世界を目指すアスリートの尊い努力を見逃さず、ペンのチカラで光を当てることにこだわります。みなさまの応援がアスリートの後押し、スポーツの明るい未来につながります。ぜひご愛読ください。

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