広島市で開催中のハンドボール女子パリ五輪アジア予選は2023年8月20日、日本はカザフスタンに50-28(前半24-14、後半26-14)と快勝し、2連勝した。観客は435人(主催者発表)。
19日に大勝したインド戦(54-17)に続くワンサイドゲームとなったが、プレースタイルが異なり、実力差もあるアジアとの戦いを一つひとつものにしながら、楠本繁生監督はベンチ入りした16人の選手全員をコートでプレーさせた。そうすることで、攻守フォーメーションの組み合わせを試し、「大一番」に向けてそれぞれのコンディションをチェックする狙いがあった。
23日、パリ五輪かけ韓国と対戦
21日には中国、23日には事実上、パリ五輪切符を一騎打ちで争う韓国と対戦する。
今大会の最大の山場は言うまでもなく、パリ五輪行きを決めるか決められないかが懸かる23日の韓国戦だ。
日本女子の韓国との戦績は67戦7勝58敗2分。開催国枠で出場した2021年の東京五輪を除けば、1976年のモントリオール五輪以来の「自力での五輪出場権」はことごとく韓国に阻まれてきた。それが女子ハンドボールの歴史だ。
日本代表 Vs. 韓国代表 過去の対戦結果
(クリックすると拡大します)
楠本監督「山は高いが、やりがいある挑戦」
試合後の記者会見。大阪体育大監督時代に全日本インカレで8度の優勝を誇る楠本繁生監督に、代表監督の重圧、やりがい、4年に一度の五輪アジア予選を戦う難しさについて聞くと、指揮官はこう言った。
「48年間、自力でオリンピックに出ていないのが日本女子のハンドボール。でも、それは自分たちがそうしたわけではなく、(たまたま)我々はそういう歴史の中に立っている、と選手たちには伝えている。過去は変えられない。自分たちが日本のハンドボールを変えていきたい。心からそう思っているし、選手たちもそのつもりでいる。登る山は高くてしんどいですけど、やりがいがある挑戦だと思っています」。
関係者が口々に「日本女子指導者の最後の切り札」と評する楠本監督の采配に期待せずにはいられない。
楠本 繁生(くすもと しげお) 女子代表監督の略歴
1964年10月10日生まれ
1983年3月 北陽高校(現 関西大学北陽高校)卒業
1987年3月 大阪体育大学卒業
1987年4月 京都府立洛北高校着任 同 ハンドボール部男女監督就任
2010年3月 同 退職
2010年4月 大阪体育大学入職 同 ハンドボール部女子監督
2013年4月 准教授に昇任
2020年4月 教授に昇任
【監督歴】
女子 U-24 代表監督
2016年6月 第23回世界学生選手権(スペイン) 5位/8チーム
2018年7月 第24回世界学生選手権(クロアチア) 優勝/9チーム
女子 U-22 代表監督
2017年6月 第5回東アジア U-22 選手権(日本・岩手) 3位/5チーム
女子 U-20 代表監督
2017年7月 第14回女子ジュニアアジア選手権(香港) 3位/7チーム
2018年9月 第21回女子ジュニア世界選手権(ハンガリー) 14位/23チーム
大阪体育大学女子監督
全日本学生選手権大会:優勝8回(2011、13~19年)
日本選手権大会 :準優勝2回(2019~20年)
京都府立洛北高校女子監督インターハイ:優勝7回(1994、98、2002、05~08 年)
国民体育大会:優勝4回(1997、2007~09 年)
高校選抜大会:優勝3回(1997、2006~07 年)
準優勝4回(1993、2000、05、09 年)
詳しい記録は下記のhttps://ball.pen-and.co.jp/でお読みください。
Pen&Sportsは8月23日の韓国戦も現地で取材します。
ペンスポニュースレター(無料)に登録ください
スポーツ特化型メディア“Pen&Sports”[ペンスポ]ではニュースレター(メルマガ)を発行しています。ペンスポの更新情報やイベントのご案内など、編集部からスポーツの躍動と元気の素を送ります。下記のフォームにメールアドレスを記入して、ぜひ登録ください。
\ 感想をお寄せください /