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【陸上】女子やり投げ・北口榛花、6/3-国際大会。パリ五輪前に出しておきたい67m台

陸上競技の女子やり投げでパリ五輪金メダルの有力候補に挙がる26歳、北口榛花
チェコで開かれたゴールデンスパイクで優勝した北口榛花= 2024年5月28日、写真:ロイター/アフロ
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陸上競技の女子やり投げでパリ五輪金メダルの有力候補に挙がる26歳、北口榛花(JAL)がもがきながら五輪本番へ調整を進めている。今年出場した試合は4戦4勝。2023年7月から続く連勝を11を伸ばし、勝負強さは健在だが、記録の上では今年に入ってまだ会心の一投がないのが気がかりだ。67m38の日本記録を持つ北口の今季ベストは63m45にとどまる。2024年5月19日にあったセイコーゴールデングランプリ(東京・国立競技場)での記録が今季ベストで、2024年の世界ランキングでは9位だ。北口はパリ五輪本番に弾みをつける好記録を目指してきょう2024年6月3日、チェコ・プラハで行われるWA(世界陸連)コンチネンタルツアー、ヨゼフ・オドロジル記念大会に出場する。

目次

現在の世界ランクは9位

2024年6月3日現在の女子やり投げの今季世界ランキングは以下の通り。

順位記録選手記録日スコア
166.70Flor Denis RUIZ HURTADOコロンビア2024年5月12日1202
266.06Victoria HUDSONオーストリア2024年5月22日1190
365.00Maggie MALONE-HARDIN米国2024年6月1日1171
464.28Ziyi YAN中国2024年4月14日1157
563.90Yulenmis AGUILARキューバ2024年2月24日1150
663.63Qianqian DAI中国2024年4月14日1145
763.58Adriana VILAGOŠセルビア2024年5月12日1144
863.57Jo-Ane VAN DYK南アフリカ2024年5月12日1144
963.45北口榛花日本2024年5月19日1142
1063.21Anete SIETIŅAラトビア2024年5月18日1137

北口が金メダルを獲得した2023年世界陸上ブダペスト大会で銀メダルだったルイス・フルタド(コロンビア)が66m70でトップ。同大会5位のビクトリア・ハドソン(オーストリア)が66m06で2位。4位はなんと今年4月に15歳(当時、現在は16歳)ながら20歳以下の世界記録をマークした嚴子怡(中国)だが、投てき種目は17歳以下の選手に五輪の出場資格がないため、パリ五輪には参加しない。いずれにせよ、4〜9位の北口までは1m以内に6人がひしめく大混戦となっている。(下に記事が続きます)

「久しぶりにやらかした」

北口が2024年に入って出場した大会での成績は以下の通りだ。

月日記録成績大会
4月27日62m97優勝ダイヤモンドリーグ(中国・蘇州)
5月5日61m83優勝水戸招待陸上(水戸)
5月19日 63m45優勝セイコーゴールデングランプリ(東京)
5月28日 60m47優勝ゴールデンスパイク(チェコ・オストラバ)

北口は5月28日のゴールデンスパイクを終えてめずらしく弱音をはいた。自身のXに、泣き顔のアイコンとともに「久しぶりにやらかしたなーっていう試合をしたなと…」と書き込んだ。大会を2連覇したにもかかわらず、雨の影響もあって低調な記録に終わったことが、この発言に繋がったのだろう。ピークを持っていきたいパリ五輪(女子やり投げ決勝は8月10日、日本時間8月11日)はまだ2か月以上先とはいえ、ライバル2人がすでに66m台を今季投げていることが、北口の焦りを誘っているかもしれない。

北口の強さは「夏」「大舞台」「最終投てき」

もともと北口はシーズン終盤、初夏から秋口にかけて調子を上げていくタイプだ。しかも舞台は大きければ大きいほど実力を発揮する傾向が見て取れ、とりわけ最終投てきに強い。

金メダルをつかんだ昨年の世界陸上ブダペスト大会は8月25日だった。最終6投目で4位から劇的な逆転劇を演じた。さらに、自身の日本記録を更新する67m38を投げた昨年のダイヤモンドリーグ・ブリュッセル大会は9月8日。またしても最終6投目での快挙だった。心身共に成長を遂げた北口はパリ五輪本番に向けて、確実にピークを合わせていくだろう。そのためにも、パリ五輪本番前に自己ベストに迫る67m台の会心の一投を投げて、記録の上でもライバルたちに優位に立ちたいところだ。(下に記事が続きます)

チェコ拠点に6年目、追われる立場

北口はドイツ国境に近いチェコのドマジュリツェを拠点に競技を続け、今年で6年目になる。チェコは男子のヤン・ゼレズニーの98m48、女子のバルボラ・シュポタコバの72m28と男女のやり投げ世界記録保持者を生んだ強国として知られる。ダビド・セケラクコーチのもと、チェコで力をつけた北口は2023年世界陸上ブダペスト大会で日本女子トラック・フィールド競技を通じて史上初めての金メダル。世界から追われる立場となってパリ五輪へ向かう。

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