【バレーボール】アジア選手権とアジア競技大会の違い | ロス五輪への道を解説

バレーボール女子日本代表はAVCアジア選手権で韓国にストレート勝ちした=2026年8月23日、中国・天津で(提供:AVC)
バレーボール女子日本代表はAVCアジア選手権で韓国にストレート勝ちした=2026年8月23日、中国・天津で(提供:AVC)
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中国・天津で2026年8月21日から、女子のバレーボールアジア選手権が行われている。この大会は、優勝した1チームにのみ2028年ロサンゼルス五輪の出場権が与えられる重要な大会だ。だが、ややこしいことに今年は32年ぶりに日本でアジア競技大会が行われる。名前が似ていて出場する選手が兼任することもあり、そのあたりの区別がついていない人が多い。女子はアジア選手権が中国で行われているが、男子は両大会とも日本国内で開催されるため、より複雑だ。このため緊急で両者の違いについて説明する。

目次

「ワールドカップバレー」の終了

ペンスポでは以前、バレーボールの国際大会の名称や区別について説明する記事を書いた。今回はその補完となる。

以前あった、フジテレビが独占中継していたワールドカップバレーという大会は、4年に1度でオリンピック前年に日本で行われ、1991年から上位チームに五輪出場権が与えられる重要な大会となった。しかしこの大会は2019年を最後になくなった。2024年パリ五輪の予選は、ブロックごとにいくつかに分けられ、日本で行われた大会は「ワールドカップ」という名称がついていたが、かつての大陸予選を勝ち抜いた国が一堂に会し、総当たりで上位チームを決める大会とは大きく異なっていた。そして、この大会をもって「ワールドカップ」という大会は終了した。

消えた「五輪予選」大会

ロサンゼルス五輪の出場権獲得ルートは、今年行われる2年に一度の各大陸選手権の優勝チーム1チーム、2027年に行われるFIVBバレーボール世界選手権(4年に1度から2年に1度に変更された)の優勝チーム1チーム。どちらの大会も2年に1度開催されるが、五輪出場権が獲得できるのは五輪前の1回ずつのみ。そして、五輪予選という特別な大会はなくなり、各大陸選手権とFIVBバレーボール世界選手権で優勝できなかった国は、五輪前のネーションズリーグ終了時の世界ランキングの上位チームということになった。

重要なのは、男子の五輪出場権がかかっている大会は、9月4日から13日まで北九州で開催されるアジア選手権であって、9月19日から10月4日まで愛知県で行われるアジア競技大会ではない。一方、アジア選手権はもともとFIVB(国際バレーボール連盟)やAVC(アジアバレーボール連盟)が管轄するバレーボール単体の大会である。アジア競技大会は、OCA(アジアオリンピック評議会)の管轄で、バレーボール単体の大会ではない。

アジア競技大会、A代表かB代表か

JOC(日本オリンピック委員会)は「なるべくA代表を出場させてほしい」という要請を出しているが、その時々の代表監督の考え方やスケジュールで、A代表が出場するか、はたまたB代表、あるいは一時的な選抜組が出場するかは様々だ。中田久美・元女子日本代表監督などは「オリンピックの多競技の中での独特な雰囲気を体感させる」という目的のもとにA代表を出場させたこともあったし、ここ数年の男子代表のように「A代表とB代表を別々のチームとして組織し、練習してB代表がアジア大会に臨む」という形を取ることもある。

過去の大会は世界選手権と同じ年にアジア競技大会も行われてきたため、スケジュールの問題でB代表がアジア競技大会に出場することが多かったが、2014年は、参加し始めてから初めて日本男子が世界選手権の出場権を失った年なので、仁川アジア競技大会にはA代表が出た。石川祐希と柳田将洋のA代表公式戦デビューは、この大会だった。当時トスを上げていたのが今年7年ぶりにA代表に復帰した深津英臣。オポジットは今季引退したレジェンド・清水邦広さんだった。当時アジア最強だったイランに決勝で敗れ、準優勝に終わった。

アジア競技大会も見ごたえ

アジア競技大会の出場者のロースターは男女とも7月31日に発表された。石川兄妹は出場しないが、女子は主力の選手たちの多くが、男子もA代表から大塚達宣、甲斐優斗らが出場する。また、男子のB代表は、今年度A代表とB代表を行き来している西川馨太郎(大阪ブルテオン)が言う通り、またロラン・ティリ監督も言う通り、レベルが高いチームとなっており、A代表で故障者が出てもB代表から招集してすぐにその代わりが務まるくらい。アジア競技大会も見ごたえのある試合となるだろう。

アジア選手権とアジア大会は日程も開催場所もチケット販売窓口も全く異なるので、読者諸氏にはくれぐれもお間違いなきようお願いしたい。

また、世界選手権優勝は非常に高いハードルであることから、今年度のアジア選手権で切符を獲得することの大切さがわかるのではないだろうか。

これまであった「五輪予選」がなくなり、ロサンゼルス五輪直前のネーションズリーグ終了時のランキングで決まるのもヒヤヒヤものであり、本番への準備を考えればぜひここで切符を取っておきたいのは自明の理だ。男子のアジア選手権は、まだ出場14名が確定していない。現在合宿に参加しているのは16名で、あと2名絞られて北九州へ向かう。男女ともどうしてもアジア選手権でオリンピック出場権を獲得したいところだ。

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