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大谷獲得のドジャース、正直は最善の策

左からムーキー・ベッツ、大谷翔平、フレディ・フリーマン
左からムーキー・ベッツ、大谷翔平、フレディ・フリーマン=MLB.comより引用
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大谷翔平がロサンゼルス・ドジャース入団を決めた。彼がそのことを自身のInstagramで表明した「初報」は2023年12月9日(日本時間10日)だった。大谷の移籍動向を必死に追っていたMLB記者たちは完敗。スクープは叶わず、大物選手の移籍第1報が球団発表でもなかった珍しいケースだった。その4日前、米スポーツ週刊誌スポーツ・イラストレイテッド(Sports Illustrated)のステファニー・アプステイン記者(Stephanie Apstein)が、少し変わった角度から大谷の去就に関するコラムを書いていた。一連の報道のなかで、最も私の記憶に刻まれ、最も胸のすくような思いがする論調だったので紹介したい。

目次

ロバーツ監督だけが「見て見ぬふりをしなかった」

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その記事の見出しはこうだ。

Dodgers’ Dave Roberts Is the Only Person Addressing the Elephant in the Room

直訳すると、ドジャースのデーブ・ロバーツ(監督)だけが部屋にいる象に話しかけた。つまり、ドジャースのデーブ・ロバーツ(監督)だけが見て見ぬふりをしなかった。という記事だ。

ドジャースのロバーツ監督は日本人の母を持つ沖縄生まれの51歳。今月5日、MLB球団関係者が一同に介するウインターミーティングでの「ぶっちゃけ発言」が波紋を広げた。

カブス、ジャイアンツ、パドレス、ブルージェイズ、エンジェルスなど大谷と交渉していたとされる球団のGMや監督がそろって「大谷」に関する発言を控えるなか、ロバーツ監督だけが、約50人の報道陣を前にした記者会見で堂々と語ったのである。

「的を射た質問に、虚偽の答え難しい」

ウインターミーティングで会見するドジャースのデーブ・ロバーツ監督(MLB.comより)
ウインターミーティングで会見するドジャースのデーブ・ロバーツ監督(MLB.comより)

「正直に言おう。私たちは翔平と会って話した」「交渉はうまくいったと思う」「ただ、最終的には彼が最善の決断を下す」「彼はポーカーフェイスだが、心の中では笑っていたと思う」「同じ時間を過ごせてうれしかった」

それまでベールに包まれていた大谷の移籍に関する情報が急転直下、記者会見で飛び出して、その場にいた記者たちは慌てたことだろう。ロバーツ監督の発言は瞬時に世界を駆け巡った。

大谷と代理人のネズ・バレロ氏が水面下で移籍交渉を有利に進めるためだった。

「フリーエージェントに関するいかなる情報漏洩もしてはならない。それを破った場合、そのチームは不利になるだろう」と交渉先のチームに伝えていたなかでの、ロバーツ監督の電撃発言だった。

「うっかり発言」「おしゃべりが過ぎる」「組織として失敗」などの報道が目立ったなか、前述のアプステイン記者は、ロバーツ監督を「世界で最も勇気ある男」と呼んだ。

ロバーツ監督は話しながら、自分が間違ったことをしたのではないかと考えているようだったとアプステイン記者は記事に書いた。 それでも、「私にとって、的を射た質問を受けて、故意に虚偽の答えをするのは難しいことです」という監督の素直な発言を紹介し、逆にそれを称え、擁護した。

「勇気があるならドジャースと契約すべき」

そしてアプステイン記者は記事をこう結んだ。

大谷はずっと、野球人生を締めくくる長期的な居場所を探すうえで自分が大切にしている価値観をしっかりと持ち続けてきた。それがもしお金、名声、あるいは指輪(ワールドシリーズのチャンピオンリング)を狙うチャンスだけなら、獲得の意思を示す10以上あるどの球団とでも契約できる。もし勇気があるなら、ドジャースと契約すべきだろう。

Sports Illustratedの記事を抄訳

結果的に大谷はドジャースを選んだ。

最後は「人」が決め手になると、アプステイン記者は言いたかったのではないか。

プロスポーツ史上最高額という10年総額7億ドル(約1014億円)の破格の待遇。慣れ親しんだエンゼルスの本拠地アナハイムから車で「通勤圏内」のロサンゼルス。手術した肘のリハビリに最適な西海岸の温暖な気候。これまで野茂英雄さんら9人の日本人選手が在籍した球団の歴史。なにより、11年連続ポストシーズン進出を果たした「勝てる」チームだ。大谷側の条件は出そろっていた。

それでも、最後はドジャースの監督、デーブ・ロバーツに直接会い、実直でうそ偽りない人柄に心を動かされ、ドジャースに惹かれたに違いない。Honesty is the best policy. まさに、正直は最善の策だった。

デーブ・ロバーツ 1972年5月、米国人の父と日本人の母の間に返還直後の沖縄県那覇市で生まれる。UCLA卒。現役時代は左投げ左打ちの外野手として活躍。ドジャースでは野茂英雄、石井一久らと共にプレーした。5チームを渡り歩き、通算10年間で832試合に出場。721安打23本塁打をマーク。2016年にドジャース第10代監督に就任すると、就任会見で初の有色人種、マイノリティ監督であることへの思いを質問をされた。その際「私は自分自身をウェイモン・ロバーツとエイコ・ロバーツの息子であり、トリシア・ロバーツの夫だと思っています。そして、私には2人の美しい子供がいます。私は私だ。私は透明です」と答えた。就任1年目から地区優勝を果たし最優秀監督を獲得。8年連続でプレーオフ進出に導いている。

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