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【バレーボール】モデナの至宝トンマーゾ・リナルディ、堺ブレイザーズ加入「日本になじむ」

2025-26シーズン、日本SVリーグ・堺ブレイザーズでプレーするトンマーゾ・リナルディ(写真提供:Modena Volley)
巣となったモデナ・パラ・パニーニでの練習後、近くのバール(カフェ)で日本への想いを語るリナルディ=2025年8月26日、中山写す
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外国人枠を増やしてスター選手も多く加入し盛り上がったSVリーグ元年。2年目の2025-26シーズンも様々な新外国人選手がプレーする予定だ。イタリアからは昨季のフランチェスコ・レチネ(東レアローズ静岡)に代わり、今季は古豪モデナからトンマーゾ・リナルディ(23)が堺ブレイザーズには加入する。同期でイタリア代表の絶対的エース、アレッサンドロ・ミキエレットに比べると知名度で劣るが、アンダーカテゴリーでは2021年のU21世界選手権でイタリアを初優勝に導いたキャプテンでベストOHにも輝いた逸材だ。キャリアや尊敬する選手、日本への想いなど、来日5日前にモデナで聞いた。

目次

父も元プレーヤー、ホームは聖地・モデナ

トップチームに加入時のチームメイトは、イタリア代表のOPザイツェフ、アメリカ代表のセッター・クリステンソンやOHアンダーソンなど錚々たる顔ぶれだった(写真提供:Lega Pallavolo SerieA)
トップチームに加入時のチームメイトは、イタリア代表のOPザイツェフ、アメリカ代表のセッター・クリステンソンやOHアンダーソンなど錚々たる顔ぶれだった(写真提供:Lega Pallavolo SerieA)

トンマーゾ・リナルディは2001年、同じくプロバレーボールプレーヤーだった父がプレーしていた北部ピエモンテ州クーネオで生まれた。父のポジションはOH(アウトサイドヒッター)だったが、現イタリア代表女子監督ヴェラスコの勧めにより、196cmながらリベロに転向した異色のキャリアを持つ。トンマーゾが小学校1年生の時にモデナに移籍した時、住み心地の良さなどから家族はモデナに定住することを決めた。

父はバレーボールを強制することはなく、トンマーゾ少年はサッカーや水球、スキーなどいろんなスポーツを経験した。しかし、最後に選んだのはバレーボール。14歳になってモデナのアンダーカテゴリーに加入したが、「最初はうまくいかなくて、全然楽しくなかった」と笑う。それでも、いつか父と同じコートに僕も立つーーそんな想いを胸に、若干17歳の2019-20シーズンにスーペルレガデビューを実現した。

2021-22シーズンのレンタル移籍を除き、昨季までモデナ一筋の10年間。モデナのバレーボーラーにとって伝統あるクラブのこの黄色いユニフォームをまとうことは、本当に特別な名誉なのだ。(下に記事が続きます)

スター選手ぞろい 名門モデナでスタメン定着

2020-21シーズンの終盤、プレーオフ・チャレンジで初めてスタメンに抜擢された(写真提供:Lega Pallavolo SerieA)
2020-21シーズンの終盤、プレーオフ・チャレンジで初めてスタメンに抜擢された(写真提供:Lega Pallavolo SerieA)

モデナは1966年に創部して以来、12回のスクデット、12回のコッパ・イタリア優勝、4回のチャンピオンズリーグ優勝などの輝かしい成績をもつクラブだ。世界各国から有名選手が集まるこのクラブで、リナルディは2020-21シーズンのプレーオフ・チャレンジで初めてスタメン起用されたものの、翌2021-22シーズンは格下のチステルナにレンタルされる。将来有望の生え抜きの選手であるのにも関わらず、いったいどうしてだったのだろうか。

「あのシーズンは大型補強を行い、僕と同じOHにはヌガぺト(フランス代表、東京五輪・パリ五輪の金メダリストでMVP)とレアル(ブラジル代表)がいて、OP(オポジット)にはニミル(オランダ代表、昨季は名古屋ウルフドッグスてSVリーグ個人賞6冠)もいて、僕はOHの三番手。もっと試合の経験を積みたかった」とその理由を語った。

チステルナにレンタル移籍したおかげで、リナルディはスタメンでプレーすることでさらに成長し、その翌シーズンにはモデナに戻ってきた。キャプテンは元ブラジル代表のレジェンドセッターのブルーノ、スタメンでOHの対角を組むのはヌガぺト。彼らからアドバイスや叱咤激励を受けている姿を筆者は何度も目にしてきたし、彼らから学んだことは多かったはずだ。

「目標の選手は1人ではなく参考にする選手は複数いますが、マシュー・アンダーソン(元米国代表)はプレーもさながら人格も素晴らしい最も憧れている選手です。ヌガぺト? コート外の彼はぶっ飛んでますが、世界NO.1プレイヤーを挙げるなら間違いなく彼です」と称賛を惜しまない。

2022-23シーズンで共にCEVカップを制したブルーノやヌガぺトとの絆は強い(リナルディInstagramより)

U21で世界制覇、同期は今も仲良し

2021年10月、U21世界選手権でイタリア初の優勝を成し遂げた。ミキエレットのMVPなどイタリアからは4つの個人賞(写真提供:Federazione Italiana Pallavolo)
2021年10月、U21世界選手権でイタリア初の優勝を成し遂げた。ミキエレットのMVPなどイタリアからは4つの個人賞(写真提供:Federazione Italiana Pallavolo)

イタリア代表でのキャリアは、クラブ以上に華やかだ。2019年のU19世界選手権で優勝とMVP、2021年のU21世界選手権でイタリア初優勝の偉業を達成する。今やイタリア代表の顔であり、世界屈指のOHであるアレッサンドロ・ミキエレットがA代表の欧州選手権にも出場していたため、リナルディはキャプテンとしてもチームをけん引し、最優秀OHも受賞した。

リナルディとミキエレット(トレンティーノ)のほか、当時のメンバーは逸材の宝庫。最優秀セッターを受賞したパオロ・ポッロ(昨季までミラノ、今季からピアチェンツァ)、リベロのカターニャ(ミラノ)、最優秀MB(ミドルブロッカー)を受賞したチャンチョッタ(現在はOH、昨季ペルージャで今季はターラント)、ステーファニ(パドヴァ)など、スーペルレガやイタリア代表でプレーする選手が並ぶ。彼らとはアンダーカテゴリーから長い年月を過ごした仲間であり、今でも親密な友人関係だそうだ。

とはいえミキエレットやラヴィア(トレンティーノ)を筆頭にイタリア代表のOH層は厚く、リナルディは欧州選手権銀メダルを獲得した2023年の代表メンバーだったものの、翌年からはA代表から遠ざかっている。

「昨シーズンは肩の違和感であまりプレーできず、代表にも選出されませんでした。今は肩も良くなったので、もちろん代表の座を狙っていきますよ」と意気込みを見せた。(下に記事が続きます)

異なる環境でも「日本人のように生活したい」

古巣となったモデナ・パラ・パニーニでの練習後、近くのバール(カフェ)で日本への想いを語るリナルディ=2025年8月26日、中山写す
古巣となったモデナ・パラ・パニーニでの練習後、近くのバール(カフェ)で日本への想いを語るリナルディ=2025年8月26日、中山写す

境ブレイザーズからオファーがあったのは11月。本人のインスタグラムへ直接、なんと北島監督から直々にメッセージがあったそうだ。昨季に東レでプレーしたレチネのようにもともと日本好きというわけではなかったが、イタリアとは異なる文化と伝統を持つ「Paese del Sol Levante(日いずる国)」にすぐに関心をもち、このオファーをまたとない機会だととらえた。すぐに相談をした父からも「全く文化の異なる国での経験、しかも自分の好きな仕事ができるなんて最高じゃないか、行ってこいよ!」と背中を押された。大きな変化を伴うために条件面で調整したものの、12月には合意に達したという。まだ2年の契約が残っていたモデナも、快く送り出してくれた。

しかし、世界最高峰と呼ばれるイタリアリーグのモデナという伝統クラブから、まだ発展途上のSVリーグに行くというのはキャリアとしてどうなのか。

「日本リーグのレベルが低いとは全く思わない。それどころか、技術的にはイタリアより優れていると思います。日本人選手の強い守備力やフローターサーブなど、それがどうしてできるようになるのかを知りたい。日本独特の練習や時間管理があると思うので慣れるまでは大変だとは思いますが、適応していくだけです」とワクワクした様子で語るリナルディ。ペルージャとの試合後に、ユーキ(石川祐希)が『大阪に行くんだってね!僕も嬉しいよ』、と声をかけてくれました」と教えてくれた。

2025年6月30日、堺ブレイザーズ公式インスタグラムでリナルディ加入がアナウンスされた

「レチネが、彼がいた場所よりも都会に近いクラブだからきっと生活も楽しめるよって。堺から道頓堀はどのくらいで行けるのかな? あと海も近いんだよね!」と大阪人の筆者にいろいろ聞いてきたので、バレー以外の話でも大いに盛り上がったインタビュー。「日本で特に行きたいのは沖縄と北海道。もちろん京都や奈良にも。日本の文化になじんで、この2年間は日本人になったつもりで生活したいと思ってます」と締めくくった。

最後に握手を交わしたら「あ、日本でも挨拶は握手で良いの? レチネがハグしたら、みんなにドン引きされたって聞いたんですよ」と、気になることはまだまだありそうだ。

堺ブレイザーズは9月4日・6日、世界選手権前に堺市で合宿中のスロヴェニア代表とフレンドリーマッチを行う。来日して間もないリナルディが出場するかは分からないが、モデナ一筋だったキャリアの全く新しい章のスタートに向け、万全に仕上げてくるに違いない。

SVリーグ開幕は10月25日、リナルディのほか、アンダーソン、高梨健太や大宅真樹を擁する堺ブレイザーズは、長野トライデンツとアウェイで対戦する。

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