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【第100回箱根駅伝】予選会に全国57校。本戦遠くてもガッツだぜ!

箱根駅伝予選会
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正月恒例の東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の出場校が出そろいました。今回は、第100回の記念大会。出場資格の門戸を関東以外の大学にも開放した予選会が2023年10月14日に東京都立川市で開かれ、トップ通過の大東文化大など上位13校(例年は上位10校)が本戦への出場権を獲得しました。2024年1月2日と3日に開催される箱根駅伝には、予選会を免除された前年の上位10校のシード校と予選会の上位13校の計23チームが出場します。この箱根駅伝予選会に学生時代、4年連続で出場したPen&Sports [ペンスポ] 編集長の原田亜紀夫が箱根駅伝予選会の苦労と魅力を振り返ります。

目次

予選会1~26位まで「関東」独占

今回は第100回の記念大会のため、全国の大学にも予選会への門戸が開かれ、関東の大学・大学院以外を含めた過去最多の57校が出場しました、しかし、ふたを開ければ、出場権獲得は関東の大学が上位を独占。改めて長距離トップランナーの関東への一極集中、関東の大学の層の厚さが際立つ結果となりました。

第100回東京箱根間往復大学駅伝競走 予選会結果

  1. 大東大  10時間33分39秒 関東
  2. 明大   10時間34分38秒 関東
  3. 帝京大  10時間35分08秒 関東
  4. 日体大  10時間36分42秒 関東
  5. 日大   10時間36分54秒 関東
  6. 立教大  10時間37分06秒 関東
  7. 神奈川大 10時間37分20秒 関東
  8. 国士大  10時間37分21秒 関東
  9. 中央学大 10時間37分27秒 関東
  10. 東海大  10時間37分58秒 関東
  11. 東農大  10時間39分05秒 関東
  12. 駿河台大 10時間39分40秒 関東
  13. 山梨学大 10時間39分47秒 関東

予選免除のシード10校、正月の本番に着々

箱根駅伝の予選会にはそもそも、前回の箱根駅伝本戦で10位以内に入ったシード校は参加しません。これらの強豪校は過密な秋の駅伝シーズンのなか、10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝でも優勝争いをして、さらに箱根駅伝本戦に照準を合わせていきます。このプロセスで、出雲駅伝と全日本大学駅伝のはざまにある「箱根駅伝予選会」を免除されるのは相当な恩恵となり、かなり優位な立場と言えます。予選会にピークを合わせる必要がなく、箱根本番の山登りや山下りなどの特殊区間に特化した準備も着々と進めることもできるからです。第100回大会のシード校は以下の通りです。

第100回東京箱根間往復大学駅伝競走 シード校※前回大会順位順

  1. 駒澤大学
  2. 中央大学
  3. 青山学院大学
  4. 國學院大學
  5. 順天堂大学
  6. 早稲田大学
  7. 法政大学
  8. 創価大学
  9. 城西大学
  10. 東洋大学

1万メートル34分以内が最低条件

箱根駅伝予選会には、関東学生陸上競技連盟の男子登録者のチームなら参加資格があります。今回は門戸が全国に開かれたため、日本学生陸上競技連盟の男子登録者に資格が拡大されました。現行のルールでは以下の通りになります。

  • 予選会ならびに本大会出場は通算4回まで(5回以上は出られない)
  • 1つの大学で1チームのみ
  • エントリーは10人以上14人以下、出場は10人以上12人以下
  • エントリー者全員が1万メートルのトラックで34分00秒以内の公認記録を持っている

【歴史】予選会、第23回(1947年)から

2017年の箱根駅伝予選会の朝、JR立川駅で(原田撮影)
2017年の箱根駅伝予選会の朝、JR立川駅で

予選会の変遷を振り返ってみましょう。

1947年
第23回

箱根駅伝の予選会が始まる

1977~1999年
第53~75回

大井ふ頭の周回コースで実施

2000年
第76回

立川市、国営昭和記念公園の周回コースに開催場所が変更される。周辺の交通量が増加し、交通を遮断しないコースへの移転を余儀なくされたため。

2005年
第81回

現在の陸上自衛隊立川駐屯地→立川市街地→国営昭和記念公園のコースに。

2018年
第95回

それまで20kmだった距離がハーフマラソン(21.0975km)に変更

世界を見渡しても20キロレースはあまりなく、ハーフマラソンにすることで世界標準に合わせる狙いがありました。箱根から世界へ、と世界で戦えるマラソンランナーを輩出する理念に一歩近づけるための距離変更で、その効果は徐々に現れているように見受けられます。

【体験記】本戦は遠い、でも挑戦したい

Pen&Sports [ペンスポ]編集長の原田は大学1年から4年までの1991年~1994年、この箱根駅伝の予選会に上智大学のチームの一員として4年連続で出場しました。予選会が大井ふ頭周回コースで、距離は20キロで開催されていた時期です。上智のようなスポーツ推薦のない大学は、予選会で他校と渡り合えるランナーを10人そろえるだけでも至難の業です。

長距離部員だけでは足りず、私自身も中距離(トラックの800、1500メートル)が専門です。時には短距離専門の選手の力も借りながら、陸上部の総力を挙げて挑んでいました。箱根駅伝本戦出場は難しいのは理解しているけれど、それでもそれに挑戦し続けたい。母校の名前を一つでも上の順位に刻みたい。そんなモチベーションで専門外の20キロに毎年出場していました。

20キロ75分以内でなければ「記録なし」

1991年の箱根駅伝予選会に出場した上智大学陸上部。左下が筆者。
1991年、第67回箱根駅伝の予選会に出場した上智大学陸上部。左下が筆者

当時は、10人の選手全員が20キロを75分以内で走らないと、タイム計測が打ち切りとなり、記録なしに終わるルールでした。それでも、私が出場した4年間はそれを免れました。正確な記録は覚えていませんが、個人的には大学1年の時に出場した時の71分台が最高だったと記憶しています。この予選会で競技を終える先輩たちの顔を思い浮かべながら、感謝の気持ちで粘ったことを思い出します。

選手足りない!カナダの留学生をキャンパスでスカウト

大学3年時には陸上部だけではメンバーを揃えられず、急きょ、キャンパス内をハーフパンツで歩いていた筋肉質のカナダ人留学生をスカウトして10人ぎりぎりで予選会に臨みました。彼の名は「トレバー」。予選会までわずか数か月。みんなで彼をチームの一員として温かく迎え、練習後の食事をごちそうして打ち解けながら、日本語や生活をサポートし、チームの一体感を作り上げました。トレバーも次第にチームに打ち解け、練習には熱が入りました。

その年の予選会。チームで集団走から遅れかけたトレバーが必死の形相で粘りに粘り、10人全員が75分を切ってゴール。「記録なし」を免れ、母校の名前をリザルトに刻んだ時は、達成感で満たされました。 

順位欄「記録なし」空白の無念

第100回大会の箱根駅伝予選会では出場57校中、唯一高崎経大だけが「記録なし」に終わっています。その無念さは、どれほどでしょうか。4年間出場した立場ならわかります。何かアクシデントがあったのか、リザルトを見る限り完走は9人で、10人が制限時間内に完走できなかったことを示しています。日本テレビ系のテレビ中継があった今回の予選会。カメラに映らない下位のチームにも悲喜こもごものドラマがあるのです。

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