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ペルージャ市スポーツ担当「いまユーキ・イシカワがブーム」来訪者増

バレーボールを通じて「ペルージャ」の街の名が世界に発信され、大勢の日本人が訪れる。「その効果は絶大だ」と市のスポーツ担当トップは話す=2025年2月16日、ペルージャ市で、原田写す
インタビューにこたえるペルージャ市スポーツ担当トップのピエルルイージ・ヴォッシ(Pierluigi Vossi)氏=2025年2月17日、原田写す
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イタリア中部のウンブリア州の州都「ペルージャ」。サッカー元日本代表の中田英寿さんが1998年〜2000年にセンセーショナルな活躍をし、現在はバレーボール日本代表の石川祐希が主力でプレーする人口17万人の町の名は日本人にとってなじみ深い。2024年にFIVB世界クラブ選手権を2連覇したシル・スーサ・ヴィム・ペルージャ(Sir Susa Vim Perugia)という「世界一」のチームがある「バレーボールの首都」に石川祐希が加入したことでいま、どんな現象が起きているのか。当地ペルージャ市役所でスポーツ担当のトップ、ピエルルイージ・ヴォッシ氏に聞いた。(取材・執筆=原田亜紀夫、通訳=中山久美子)

目次

人口17万人、美しい街

パラバルトン
ペルージャ市が管理するシル・スーサ・ヴィム・ペルージャのホームアリーナ・パラバルトン=2025年2月15日、原田写す

ーーペルージャはどんな街ですか

ヴォッシ氏 エトルリア時代からの歴史が息づく美しい街です。人口は約17万人。面積ではイタリアで11番目に大きなコムーネ(基礎自治体)になります。ペルージャ市ではシル・スーサ・ヴィム・ペルージャ(Sir Susa Vim Perugia)のホームアリーナであるパラバルトンをはじめ、市民プールや市営陸上競技場、道場やサイクリングコースなど直接管理している施設が75あります。バレーは男子のペルージャもそうですが、女子のペルージャ(Bartoccini-Mc Restauri Perugia)もセリエA1(1部)に属しています。

サッカー場の人工芝がはがれた際のメンテナンスなどは市のスポーツ協会に委託していて、市と協会が共同でスポーツ行政を運営しています。(下に記事が続きます)

バレーボールを通じて街の名が日本へ

ペルージャで人気があるスポーツは一番がサッカー、次にバレーボール。最近はイタリア・サン・カンディド出身で男子世界ランキング1位のヤニック・シナ―選手の影響で、テニスの人気、需要も上がっています。

ーーペルージャ(Sir Susa Vim Perugia)はイタリアにとどまらず、世界屈指のバレーボールチーム。街にこのチームがあることでどんな影響がありますか?

ヴォッシ氏 まず第一に、すばらしい名誉をいただいています。世界一の選手たちが目の前にいるので、ペルージャの子どもたちがスポーツを始めるきっかけになっています。それ以上に、バレーボールを通じて「ペルージャ」が発信され、街の名前が世界にどんどん出ていきます。クラブがあってペルージャ市がある。ペルージャ市があってクラブがある。今季から石川祐希が加入したことで日本からペルージャを訪れてくれる人々も圧倒的に増えました。経済的効果は相当なものがあります。

ーー経済的効果の定量的な指標はありますか?

ヴォッシ氏 データの方は市では持ち合わせていないのですが、目で見るからに歴然とした影響があります。サッカーの中田英寿さんのときもそうでしたが、ペルージャではいま「ユーキ・イシカワ」ブームが巻き起こっています。石川祐希がいることでペルージャを世界に発信してくれている。そう思います。

ウンブリア州自体は内陸で海がない。それにもかかわらず、中田英寿選手、石川祐希選手が海を越えて、オープンにこの街で活躍し、愛され、アイドルになっている。そんな社会現象が起きています。

ペルージャを訪れたツアーを紹介するシル・スーサ・ヴィム・ペルージャの公式X

街並み、文化も楽しんで

沿線住民への騒音に配慮して夜間は運行していないペルージャのミニメトロ、原田写す
沿線住民への騒音に配慮して夜間は運行していないペルージャのミニメトロ=2025年2月、原田写す

ヴォッシ氏 例えば、アメリカ人にペルージャを知っているかと聞けば、ほとんどが知らないと思いますよ。ウンブリア州では、ペルージャよりもユネスコの世界遺産に登録されている聖フランチェスコ教会があるアッシジが圧倒的に有名です。ペルージャが州都であるにもかかわらず。それが日本人においては、スポーツのおかげもあり、ペルージャの方が有名になっているという逆転現象が起きています。

ーーペルージャのスポーツ行政の課題は?

例えば、たくさんの観光客がバレーボール観戦を目的にペルージャのパラバルトンを訪れるのに、アリーナと旧市街地を結ぶ公共交通手段のミニメトロの夜間運転ができない。これは沿線の周辺住民に対する騒音の問題があるので、夜遅くまで運行できないという事情があります。ただ、夜の試合後にも運行してほしいという多くのリクエストは聞いています。騒音を軽減する努力や、送迎バスを準備するなど市でも検討を始めています。ホテルなどの宿泊施設が限られているという課題もあります。

ーーバレーボール観戦で訪れる日本人に向けたペルージャのプラスアルファの楽しみ方は?

ヴォッシ氏 2000年以上の歴史があるペルージャの奥行き、街並みを満喫していただきたいです。ウンブリア国立博物館はぜひ訪れていただきたい。そして街に息づく文化、ウンブリア料理、そしてワイン。音楽ではウンブリアジャズも有名です。そしてペルージャは「バーチ・チョコ」のメーカー、ペルジーナ社のある町でもあります。

例えば日曜日に、昼間にサッカー観戦した後ランチを楽しみ、夜はバレーボール観戦というパッケージツアーや、ガイド付きの旧市街をめぐるバスツアーなどをクラブと一緒に考えていきたいですね。日本人のみなさん、ペルージャでお待ちしています。

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コメント一覧 (1件)

  • ブームだけでなく、中田のように何年たっても語り継がれるようなレジェンドになってほしい。

    私たちは、バレーボールが末永く発展して行くよう、支え続けていきたい。

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