【サッカー】北中米W杯、「歴代最強」日本代表26人発表。森保監督の目に涙

2026年北中米ワールドカップ・1次リーグの日本代表の対戦相手
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日本サッカー協会(JFA)は2026年5月15日、6月11日に開幕する北中米ワールドカップに臨む26人のメンバーを発表した。選出された選手を一望し、優勝を目標に掲げる森保一監督のチーム編成の意図を読み解く。

北中米W杯の男子日本代表メンバー(2026年5月15日時点)

GK

  • 早川 友基(鹿島アントラーズ)
  • 大迫 敬介(サンフレッチェ広島)
  • 鈴木 彩艶(パルマ・カルチョ/イタリア)

DF

  • 長友 佑都(FC東京)
  • 谷口 彰悟(シントトロイデンVV/ベルギー)
  • 板倉 滉(アヤックス/オランダ)
  • 渡辺 剛(フェイエノールト/オランダ)
  • 冨安 健洋(アヤックス/オランダ)
  • 伊藤 洋輝(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ)
  • 瀬古 歩夢(ル・アーヴルAC/フランス)
  • 菅原 由勢(ヴェルダー・ブレーメン/ドイツ)
  • 鈴木 淳之介(FCコペンハーゲン/デンマーク)

MF/FW

  • 遠藤 航(リバプールFC/イングランド)
  • 伊東 純也(KRCゲンク/ベルギー)
  • 鎌田 大地(クリスタル・パレス/イングランド)
  • 小川 航基(NECナイメヘン/オランダ)
  • 前田 大然(セルティック/スコットランド)
  • 堂安 律(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)
  • 上田 綺世(フェイエノールト/オランダ)
  • 田中 碧(リーズ・ユナイテッド/イングランド)
  • 中村 敬斗(スタッド・ランス/フランス)
  • 佐野 海舟(マインツ05/ドイツ)
  • 久保 建英(レアル・ソシエダード/スペイン)
  • 鈴木 唯人(SCフライブルク/ドイツ)
  • 塩貝 健人(VfLヴォルフスブルク/ドイツ)
  • 後藤 啓介(シントトロイデンVV/ベルギー)
目次

「長友枠」は2人に

フィールドプレーヤーで最初に読み上げられた長友佑都(39)は、日本代表で歴代最多5度目のワールドカップ参戦となる。出場機会がないにもかかわらず招集され続け不要論も噴出し負傷により直近の国際試合は欠場したが、本大会までにコンディションを整えてきた。

サプライズは、菅原由勢(25)も同時選出された点だ。長友佑都とポジションとプレースタイルが重なり、2選手とも当落線上にいると思われていたからだ。2人とも4バックの方が生きる選手だが、第2次森保ジャパンは3バックをベースに戦ってきており、フルバック(サイドバック)タイプの選手が多いと戦力がダブついてしまう。

しかし、筆者は直前の状況を鑑みて両選手とも選ばれるとみていた。長友佑都のピッチ外でのムードメーカーとしての役割はよく知られるが、菅原由勢も人格者であり地味ながら影で代表チームを支える役割を多く担ってきた。まさに「長友2世」といってもいい選手であり、チームワークを重んじる森保ジャパンを支える縁の下の力持ちになっている。さらに菅原由勢は、エース久保建英(24)とのピッチ内外での息が抜群なのも関係しているだろう。(下に記事が続きます)

相手が強いほど猛威を振るう前田大然

前田大然(28)は実績は十分で所属するセルティックFCでも調子がいいが、実は日本代表では窓際に追い詰められていた。点取屋としては若手にポジションを奪われ、本職ではない左ウイングバックでは不慣れな挙動も見受けられた。では、なぜ森保一監督は、立ち位置を失っているプレーヤーを選んだのだろうか。左太腿裏肉離れという三笘薫(28)の重症が理由だろうか。いや、2人とも特徴が全く異なり代役ではない。前田大然は攻撃の選手だが、特徴は守備にある。

相手が強くなればなるほど日本は守備の時間が長くなる。そこで前線から野良犬のように食らいついて相手選手を損耗させる。そして、あわよくばボールを奪ってカウンターにつなげる。4年に一度のワールドカップでは、普段は見られないような限界を超越した消耗戦が繰り広げられる。アジアを相手にした戦いではさほど目立たないかもしれないが、強者揃いの大舞台だからこそ、闘うアンパンマンの真価が発揮されるのだ。

手薄の守備的MF、大型アンカー誕生の予兆

守備的MFで当落線上にいると思われていた藤田譲瑠チマ(24)と守田英正(31)が両方とも落選した。守田英正はスポルティングCPの主力として欧州チャンピオンズリーグで上位に進出したにもかかわらず直近の英国遠征に招集されず「構想外になっている」と筆者は考えていた。

藤田譲瑠チマは調子を上げてきており勢いがあったが、前線を本職とする選手により多くの枚数を用意して、相手を攻略するオプションを多く持ちたいという監督の意図を感じる。

NECナイメヘンの佐野航大(22)は成長著しく、もし1年後にワールドカップが開催されるなら選出される可能性は高まっただろうが、兄弟そろっての晴れ舞台はならなかった。

アンカーはキャプテンの遠藤航(33)がケガからの復帰途上で本調子ではなくバックアップが欲しいところだが、実はディフェンス陣にも冨安健洋(27)、板倉滉(29)、瀬古歩夢(25)などアンカーを得意とする選手が多くいる。ボランチなど様々な呼び方がありそれぞれにニュアンスが少しずつ異なるように、多くの能力が求められるポジションだ。3月のイングランド戦のように守備の比重が大きくなり押し込まれて空中戦で耐える場面も出てくるであろうワールドカップで、ディフェンダーを本職とする大型アンカーの起用はむしろ適任とも言える。

筆者は、センターバックのバックアップ的な位置づけの瀬古歩夢をアンカーでテストすべきだと提言してきた。(下に記事が続きます)

フレッシュな攻撃陣

センターフォワードに君臨する上田綺世(27)は絶対的だが攻撃陣は、競争が熾烈を極めている。

町野修斗(26)は、日本代表での実績は十分でプレーの幅も広いが、最近はクラブで調子を落としており落選した。ストライカーのバックアップは小川航基(28)と後藤啓介(20)が務めることになる。特に後藤啓介は若いだけに本大会中にも大化けする可能性がある。

さらに3月のスコットランド戦で代表デビューし1アシストを記録した塩貝健人(21)が滑り込みで選出された。まさに急展開で歴史的に見ればサプライズと言われるだろうが「順当に選ばれた」と筆者は考えている。途中出場して強力な馬力で相手守備網を突破して試合のリズムを変えられる点において、塩貝健人に優る選手はいないからだ。攻撃は、相手のウイークポイントを探ってあの手この手で攻略していくことが求められるため、ジョーカーは必ず必要になる。

ASモナコの南野拓実(31)とブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCの三笘薫(28)が負傷で間に合わず欠員が続出しているシャドーストライカーのポジションだが、鎖骨骨折で危ぶまれた鈴木唯人(24)がサプライズで選出された。クラブで好調だったが、負傷が上半身でリハビリ期間が短くて済むことが幸いした。

あらゆる想定を織り込んだ陣容

改めて全体を見渡すと、守備陣には経験豊富な選手が入り、攻撃陣には勢いのある選手が入った印象がある。これまでの経緯からは3バックが基本になると思われるが、陣容は4バックも想定されている感がある。

森保一監督は、選手の名前を読み上げながら、目に涙を浮かべる場面があった。落選させた選手たちの面々が頭に浮かんだのだ。

FCザンクト・パウリの安藤智哉(27)はJ3から日本代表にまで上り詰めた異色のキャリアの持ち主で、規格外のサイズと身体能力は大きな武器だが、負傷により最近の国際試合を欠場しアピールする場を失ったのは痛かった。

FC東京のポリバレントな若手有望株の佐藤龍之介(19)は、3月の英国遠征に参加しながら急病により最後のチャンスを逸した。

TSG1899ホッフェンハイムの町田浩樹は、懸命のリハビリも間に合わなかった。

海外でプレーする選手は年を追うごとに多くなり、歴代最強の日本代表を26人のメンバーに絞るのは、困難を極める作業でまさに断腸の思いだったに違いない。

実際のワールドカップメンバーは、負傷や疾患により選手の入れ替えの可能性もあるため、今回落選した選手のうち数名がバックアップメンバーとして渡米してチームに帯同することになるだろう。

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