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【サッカー】日本の森保監督とブラジル代表アンチェロッティ監督の共通点とは

サッカー キリンチャレンジカップ2025 日本代表 vs ブラジル代表 前半 カルロ・アンチェロッティ (ブラジル) 監督  東京スタジアム/東京都/日本 クレジット:鈴木颯馬/フォート・キシモト 2025年10月14日
キリンチャレンジカップ2025 日本対ブラジル戦でのカルロ・アンチェロッティ (ブラジル) 監督=2025年10月14日、東京スタジアム(クレジット:鈴木颯馬/フォート・キシモト)
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14戦目にして史上初めてブラジルを撃破したサッカー日本代表の森保一監督(57)。思い起こすと2022年カタール・ワールドカップでも優勝経験国を撃破し、大一番での勝負強さが際立つ。何が森保一を名監督たらしめているのだろうか。

敗将となったカルロ・アンチェロッティ(66)はイタリア人で、ワールドカップ最多5度の優勝を誇るブラジル代表の史上初となる外国籍監督として2025年5月、就任したばかりだ。欧州サッカー界で数々の栄光を手にしてきた、言わずとしれたレジェンドである。

10月14日に東京の地で相まみえたこの二人の指揮官には、符合する点が驚くほど多い。優れた勝負師の共通点から、チームを成功へと導くリーダーの条件を導き出してみたい。

目次

元代表選手、ポジション中盤

森保一は、Jリーグの名門サンフレッチェ広島や日本代表で守備的ミッドフィルダーとしてプレーし、日本代表で35試合に出場した。

カルロ・アンチェロッティは、イタリア・セリエAのパルマ・カルチョ1913、ASローマ、ACミランでプレーしイタリア代表で26試合に出場。ポジションは守備的ミッドフィルダーだった。

実は優秀なサッカー指導者には、現役時代に中盤でプレーしていた者が少なくない。チームの真ん中に位置するポジションであり、戦術の軸となる部分だ。そこで培った能力を指導者としてのキャリアにも生かしている。

数々のタイトルを獲得

森保一はサンフレッチェ広島の監督として2012年、2013年、2015年にJリーグ優勝。日本代表では2022年カタールワールドカップの強国ひしめくグループEに入りサポーターが戦々恐々とするなかで、ドイツやスペインを撃破してベスト16進出を果たした。ワールドカップを率いた後に続投した初の日本代表監督となり、現在の第二次政権に続いている。北中米ワールドカップの結果次第では、ヨーロッパのクラブから声がかかってもおかしくないだろう。

カルロ・アンチェロッティは、ACミランで選手としても優勝した欧州チャンピオンズリーグを監督として2度制覇。レアル・マドリードの3度と合わせて5度も優勝している。

また、史上初めて監督として5大リーグを制覇した人物でもある。ACミランでイタリア・セリエA、チェルシーFCでイングランド・プレミアリーグ、パリ・サンジェルマンでフランス・リーグ・アン、レアル・マドリードでスペイン・ラ・リーガ、バイエルン・ミュンヘンでドイツ・ブンデスリーガの優勝に導いている。

とりわけレアル・マドリードの6シーズンでは、15タイトルという驚愕の成績を残している。(下に記事が続きます)

北中米W杯の出場権

森保ジャパンは世界最速で北中米ワールドカップの出場を決めた。2025年3月20日、埼玉スタジアムでのアジア最終予選第7戦でバーレーンに2-0で快勝し、開催国の米国、カナダ、メキシコを除く出場権獲得の一番乗りを果たした。

カルロ・アンチェロッティ新監督が、ワールドカップ本番まで約1年に迫る2025年5月に招へいされるとブラジル代表は、苦戦していたワールドカップ南米予選を5位で突破し、唯一第1回大会から出場し続けているサッカー王国の面目を保った。

就任から6戦目となった日本戦に敗れはしたが、その4日前にはアウェイで韓国を5-0で下している。やはり、底力は計り知れないものがある。

森保監督、選手に寄り添うモチベーター

ヘッドコーチタイプとマネージャータイプで分けた時に、森保一は常々、自身が後者の監督であると述べている。コーチたちを信頼し、練習メニューや戦術構築のかなりの部分を任せている。同様に選手たちの自主性も尊重し、細かい箸の上げ下げまで指示することはない。

生来のリーダーシップがあり、人と良好な関係を築くことに長けている。指導者というより支援者で、選手に対してリスペクトを持ち、その意志やプレーの特徴を最大限に引き出すことに心を砕く。そうして選手のやる気を引き出すのだ。どれだけ戦術を煮詰めたところで選手の気持ちが入らないと始まらない。「息が上がった状態で、身体にムチを打って苦しさに耐えてさらに走り続けることができるか」そして「最後の1cmのところで身体を張れるか」が勝敗を分けることが大いにしてある。

森保一は、選手とフラットな目線で対話する優れたモチベーターで、感謝を示す姿勢も忘れない。代表での活動を終えてクラブに戻る際に、個々の選手をホテルで見送る。表には見えてこないが、まるで芸能人のマネージャーのような地道な仕事ぶりだ。(下に記事が続きます)

アンチェロッティ監督、スーパースターをその気に

カルロ・アンチェロッティは、これまで数々のビッグクラブを率いてきた。ヨーロッパはサッカーの中心地で世界中の著名な選手たちが集まってくる。現代のサッカーにおいて戦術の進化は目覚ましいものがあるが、細かい動きを指示するのではなく対話を通じて選手たちの自主性とやる気を引き出すことに注力してきた。

巨額の年俸を稼ぐ世界的なスーパースターは、プライドも高い。天才肌の選手を枠にはめても監督の発想以上のパフォーマンスを引き出すことはできない。この方針は、あらゆる大物選手を獲得するレアル・マドリードで特に機能した。

イタリア出身のカルロ・アンチェロッティは、スペインではスペイン語で指揮をとり、ブラジル代表では就任当初からポルトガル語でコミュニケーションをとっている。同じラテン系言語ではあるが、一体いつ覚えたのだろうか。スタジアムにも足繁く通い、試合を自ら視察している。(下に記事が続きます)

選手自らの判断を尊重

サッカーでは、試合の状況をある程度はパターン化できるが、同じプレーは2つとない。そして試合の展開が速すぎて逐一ベンチから選手に指示を送ることはできない。大観衆のうねりで声がかき消されて指示が届かないこともしばしばだ。プレーをどれだけパターンに落とし込んでも、刻々と変化する状況を判断してプレーするのは選手自身だ。

試合が始まるとサインを送っているような時間的余裕がほとんどなく、選手の自主性によるところが大きいのがサッカーという競技なのだ。この特徴は、アメリカン・フットボールやラグビーといったルーツを同じくするスポーツのなかでも顕著だ。

そんなサッカーにおいて、森保一とカルロ・アンチェロッティが成功を収めているのには、それなりの理由がある。

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