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【サッカー】板倉滉のオランダリーグ復帰が都落ちではない理由 | アヤックス初の日本人選手

8月13日、AFCアヤックスに合流した板倉滉=AFCアヤックスの公式Xより
2025年8月13日、AFCアヤックスに合流した板倉滉=AFCアヤックスの公式Xより
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サッカー日本代表DF板倉滉(28歳)がドイツリーグのボルシアMGからオランダリーグ「エールディヴィジ」のAFCアヤックスに移籍した。ボルシアMGではレギュラーとしてプレーしていながら、ワールドカップを目前に森保ジャパンのポジションの確保も重要なこの時期に、なぜ下位リーグへの移籍の道を選んだのだろうか。

目次

背番号は日本代表と同じ「4」

AFCアヤックスは2025年8月8日、ボルシア・メンヒェングラートバッハからDF板倉滉を獲得したことを発表した。契約期間は2029年6月までの4年プラス1年延長オプション。

推定の移籍金は1050万ユーロに200万ユーロのボーナスが加わり、最大1250万ユーロ(約21億円)だ。板倉は日本人として初めてアヤックスと正式契約した選手になった。

背番号は日本代表と同じ4番で、クラブ側の期待の表れが見てとれる。

アヤックスの公式Xより

UEFAランキング4位ドイツから6位オランダへ

2026年6月まで残っていたボルシアMGとの契約を延長しない方針を固め、移籍が既定路線になっていた。つまり、やむにやまれて出戻りしたのではなく、板倉自らの希望でオランダに戻ってきたのだ。

移籍元のボルシアMGが所属するドイツ・ブンデスリーガがUEFAランキング4位なのに対して、オランダはUEFAランキング6位だ。

板倉はマンチェスター・シティFCからの期限付きで2019年から2021年までオランダ北東部のFCフローニンゲンでプレーした。アヤックスとは3回対戦しており、アヤックスのホームで2敗(0-2、1-3)もフローニンゲンのホームで1勝(1-0)を収めた。つまり、板倉は選手として等身大のアヤックスを理解している。

リーグの規模やレベルにおいてオランダはドイツより下位に位置づけられるが、アヤックスはPSVアイントホーフェンやフェイエノールト・ロッテルダムとともにオランダ3強に数えられ、国内リーグ最多優勝を誇る。

ドイツとオランダのリーグの序列だけで単純に比較するのは難しいだろう。(下に記事が続きます)

欧州CLに初挑戦 経験値高める

さらにアヤックスは、毎年のように欧州チャンピオンズリーグに出場しており過去に4度、欧州王者に輝いている。その名声は、ヨーロッパにとどまらず世界中に轟いている。

板倉のアヤックス移籍は、欧州CLへの出場を念頭に置いたものだ。欧州ナンバー1のクラブを決める権威ある大会で主要国の強豪を相手にどれだけできるか、腕試しをしたいと考えている。

ドイツ・ブンデスリーガのほうが、バイエルン・ミュンヘンを筆頭にボルシア・ドルトムントなど確かに骨のあるチームが多いだろう。アヤックスはオランダ国内最強で、格下を相手に試合をすることが多くなる。ホームでもアウェイでも引いた相手をどのようにしたら崩せるか心を砕くことになるだろう。堅守の攻略は日本代表が課題としているところで、板倉にはアヤックスで帝王学を会得してほしい。

他方で欧州CLには、イングランド・プレミアリーグ、スペイン・ラ・リーガ、イタリア・セリエA、ドイツ・ブンデスリーガ、フランス・リーグ・アンといった欧州5大リーグの上位クラブのほか、オランダと位置づけが近いポルトガル(UEFAランキング7位)の名門クラブなどが勢揃いする。

ヨーロッパ各国の強豪と公式戦で対戦することは、板倉の経験値を高めることになるだろう。

世界のサッカーに影響与えた名門

イングランド・プレミアを筆頭に欧州主要国リーグの年俸水準が高騰し、アヤックスは有望選手を引き抜かれ戦力の維持に苦労しており、近年の欧州CLでは1994-95年シーズンを最後に優勝から遠のいている。

しかし、育成に定評がありオランダ代表ヨハン・クライフなど多くの名選手を輩出し続けており、世界中のクラブが参考にしている。ヨハン・クライフが移籍したスペインのFCバルセロナは、チームの理念としてクライフ主義をかかげており、練習施設に併設されている球技場をエスタディ・ヨハン・クライフと命名しているくらいだ。

過去にはオランダ代表パトリック・クライファート、ブラジル代表マクスウェル、スウェーデン代表ズラタン・イブラヒモビッチ、ウルグアイ代表ルイス・スアレス。そして近年に入っても、フレンキー・デ・ヨングなど、アヤックスでプレーした多くの選手がバルセロナに入団している。

アヤックスは、世界のサッカーのトレンドを生み出しただけではなく、現在のサッカーシーンにも大きな影響を及ぼしている由緒正しいクラブなのである。

クラブプロフィール

AFCアヤックス アヤックス・アムステルダムとも呼ばれる。1900年創設。本拠地はオランダの首都アムステルダムにあるヨハン・クライフ・アレナ(55,865人収容)。オランダリーグ「エールディヴィジ」最多36度の優勝を誇る。1970-1971シーズンから1972-1973シーズンにかけて欧州チャンピオンズカップ3連覇を達成。1994-1995シーズンには欧州チャンピオンズリーグで優勝し、4度の欧州王者に輝いている。1995年のトヨタカップで来日しグレミオFBPA(ブラジル)を下した。

ボルシア・メンヒェングラートバッハ 1900年創設。本拠地はドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州メンヒェングラートバッハにあるシュタディオン・イム・ボルシア・パルク(54,057人収容)。過去にブンデスリーガ8度優勝。

板倉「初めての欧州CL楽しみ」

板倉は「日本では皆、アヤックスのことを知っています。私はオランダでプレーしていたので、アヤックスがビッグクラブだということは知っています。このスタジアムはいつも満員でプレーするのは難しいものでした。アヤックスはチャンピオン。私のプレースタイルはアヤックスに合っていると思います。チャンピオンズリーグでプレーするのは初めてで楽しみです」とアヤックスに語っている。(下に記事が続きます)

「デュエルに強い」「人としても素晴らしい」

アヤックスのテクニカル・ディレクター、アレックス・クロースは「コー(板倉滉)がアヤックスと契約したことを大変嬉しく思います。これは長い間慎重に進めてきた契約です。クラブ史上初の日本人選手となり、特別なマイルストーンです。コーは守備陣に必要な経験と安定感をもたらします。デュエル(1対1の攻防)に強く、ボールの扱いに優れ、戦術的なインテリジェンスがあります。彼はメンタリティーとリーダーシップでチームを率いる重要な役割を果たすでしょう。アヤックスのユニフォーム姿を見るのが楽しみです」とクラブ公式サイトで述べている。

ボルシアMGのスポーツ担当マネージングディレクターのローランド・ヴィルクスの公式コメント「コー(板倉滉)は最高のフットボーラーで人としても素晴らしい。ボルシアMGでの在籍期間に大きなインパクトを残しました。常に全力を尽くすクオリティの高い選手です。だからこそ、今後チャンピオンズリーグでその力を発揮したいという彼の希望を尊重しました」

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