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【ビーチハンドボール】神奈川の高校生60人、ぐんぐん上達 | 2025年講習会

講習会に参加した人たちで記念撮影=2025年7月13日、横浜市瀬谷区で(久保写す、以下すべて)
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五輪での正式種目入りをめざしているビーチハンドボールは、Doスポーツとして最適です。砂浜の上で気軽に楽しめて、高校の部活を卒業したあとも長く続けられます。神奈川県ハンドボール協会のライフスポーツ委員会が主催するビーチハンドボールの講習会が、2025年も横浜市瀬谷区で開催されました。

目次

講師は柴田光陽、望月ちひろ、大橋隆之

講師陣が挨拶。写真左から大橋隆之、望月ちひろ、柴田光陽
講師陣が挨拶。写真左から大橋隆之、望月ちひろ、柴田光陽

横浜市瀬谷区のSAL SPORTS PARK瀬谷で2025年7月13日、神奈川県協会主催のビーチハンドボール講習会が開かれました。講師陣は2024年に続いて、神奈川県立生田高校出身の柴田光陽、東海大学出身でビーチハンド元日本代表の望月ちひろ、元豊田合成ブルーファルコン名古屋の大橋隆之の3人。県立生田高校と県立湘南高校の男女ハンドボール部員約60人に、ビーチハンドのルールやプレーのコツを伝えていました。

柴田光陽はフットワークの軽さを武器に、多くのビーチハンド仲間を作ってきた
柴田光陽はフットワークの軽さを武器に、多くのビーチハンド仲間を作ってきた

柴田は大学を卒業後にオーストラリアに渡り、本場でビーチハンドの楽しさを知りました。コロナ禍で日本に戻ってからは、ビーチハンドが盛んな浜松に移り住み、色々なチームの練習に顔を出しながら、友達を増やしてきました。2024年10月の全日本ビーチハンドボール選手権では、シースター東海のGKとして大活躍。チームを日本一に導いています。

DFで理にかなった動きを見せる望月。展開を読む力も優れている
DFで理にかなった動きを見せる望月。展開を読む力も優れている

望月は東海大学時代にビーチハンドに触れ、ビーチの女子日本代表でも長く活躍しました。DFの達人であり、ジャンプボールで高く跳ぶ姿がとても絵になる選手です。SWAGやラコルタ大阪などでプレーし、2025年からは愛知県で新たなチームを作って、ビーチハンドの裾野を広げようとがんばっています。体育大学受験の予備校で働いていたこともあるため、教え方がとてもわかりやすいと評判です。 

豊田合成ではレフトウイング、ピヴォットでプレーした大橋。泥臭いプレースタイルはビーチでも健在
豊田合成ではレフトウイング、ピヴォットでプレーした大橋。泥臭いプレースタイルはビーチでも健在

大橋は豊田合成で活躍したファイター。日本リーグ引退後は「僕の身体能力を存分に生かせる競技だから」と、ビーチハンドに夢中になりました。日本リーグ経験者であることを一切鼻にかけない謙虚な人柄と、現役時代よりもシェイプされた体つきに、ゴールを決めたあとの野性的なシャウトで、今や日本のビーチハンド界の人気者です。2024年はシースター東海で全日本ビーチ優勝の原動力となりました。2025年からは新たにレッドイーグルスを愛知で立ち上げ、若い世代の育成にも力を入れています。(下に記事が続きます)

大橋のヒント、ダブルスカイ引き出す

大橋は「習うより慣れろ」で、男子の遊び心を上手に引き出した
大橋は「習うより慣れろ」で、男子の遊び心を上手に引き出した

男子の指導では、最初に講師の大橋から、動き方のレクチャーがありました。

「空中で一回転するコツは、先に首を回すこと。そうしたらパスを出す相手が見えやすくなるから。右利きの場合は、左肘を引いてやると回りやすくなるから、左肘もポイント」

ビーチハンドでは、空中で一回転するスピンシュートやスカイプレーなど「創造性の高いプレー」は「2点」になります。ビーチでは2点を狙うのが当たり前。空中での一回転は、身につけておきたい基本スキルです。大橋がちょっとヒントを伝えただけで、男子はおもしろがってプレーを工夫しだしました。教えてもいないダブルスカイをやりだして、講師陣が驚く場面もありました。大橋は「豊田合成のブルーファルコンジュニアにビーチハンドを体験してもらったときも、子供たちが勝手にアイデアを出してやってくれました。そういうおもしろさがビーチハンドにはありますね」と、選手の自主性を喜んでいました。(下に記事が続きます)

望月、基本パターン伝授

望月はビーチハンドの基本パターンを整理して、女子にわかりやすく伝えていた
望月はビーチハンドの基本パターンを整理して、女子にわかりやすく伝えていた

女子の指導では、講師の望月が順序だててビーチハンドの構造を教えていました。

「3対2を守るとき、相手のセンターにスペシャルプレーヤー(GKの代わりに入った選手で、普通に打っても2点になる)がいたら、スペシャルには打たせたくないから、DFは前に出る。そうしたらサイドががら空きになるから、次は角度のないところに相手を追いやる。サイドから反対側へ飛ばしパスがあったら、『あっち、あっち』と声をかけながら動く。しんどいけど、この繰り返しです」

望月は「初めてビーチハンドに触れる子も多かったので、ある程度のパターンを伝えた方がイメージしやすいと思って、こういう教え方にしました。DFで話していた内容は、私がいつも森田恭子(オーストラリア在住のDFの達人)としている会話と同じですよ」と言っていました。シンプルなようで、とてもレベルの高い内容でしたが、参加した選手の飲み込みが早かったこともあり、望月も「ポスト(ピヴォット)を入れた4対3や試合でも、スッキリと守っていましたね」と満足そうでした。(下に記事が続きます)

柴田「将来は大会に」

練習試合の作戦会議に加わる柴田。いろんな人と話し合うことも、今回の講習会の狙いのひとつだ
練習試合の作戦会議に加わる柴田。いろんな人と話し合うことも、今回の講習会の狙いのひとつだ

講習会の仕上げは、講師陣VS高校生のエキシビションマッチ。大橋が「違いを感じてほしい」とダイナミックに間を割るなど、講師陣チームが貫録を見せつけました。 

全体を統括していた柴田は、2回目となる神奈川での講習会の意義と、将来の目標を語ってくれました。

「男子は勝手にやりながら、どんどんうまくなる。女子は丁寧に教えれば、きちんと表現してくれる。去年よりもみんな飲み込みが早かったですね。来年以降はステップアップして、午前中は体験会で、午後は練習試合みたいにして、いずれはいろんなチームが参加する大会につなげられたらいいな」

「今の全日本ビーチに参加しているチームを見ていると、男女とも30歳以上が中心で、10代、20代の若い子があまりいません。それって、普及活動が足りていなかったからだと思うんです。僕も30歳になるので、今年はプレーは一旦お休みして、普及や環境整備に力を入れていくつもりです。企業の人たちにビーチハンドを知ってもらって、スポンサーになってもらう。若い子に興味を持ってもらうきっかけを作る。選手との両立は僕の性格上難しいので、普及活動をがんばります」 (下に記事が続きます)

ビーチハンドの仲間増やす

休憩時間に砂遊び。これもビーチの楽しみのひとつ
休憩時間に砂遊び。これもビーチの楽しみのひとつ

コロナ禍で途切れていたビーチの日本代表活動も再開するので、「ビーチハンドの仲間を増やす」柴田の活動が、今後はより重要になってくるでしょう。柴田はさらに言います。

「僕らの高校時代は、夏は練習試合で負けて、怒られて、走らされて、でした。今は違うとは思いますが、新人戦まで時間のあるこの時期に、ビーチハンドをチームビルディングに役立ててもらえるとうれしいですね。学校ごとに固まらずに、チームをごちゃ混ぜにして交流するのもいい経験です。ハンドボールだけやってりゃいい訳じゃないから、高校生にはいろんな経験をしてほしいです。僕も20代でいろんなところに練習に行って、いろんな人と仲良くなったおかげで、今日もみんなに助けられて、無事講習会を終えることができました」

勝ち負けを競う以上に、ビーチハンドの仲間を増やすことが、なによりも大切。生涯スポーツでビーチハンドボールを楽しみ、世界中に仲間を作っていけたら、人生が豊かになりそうです。

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