バレーボール女子日本代表は2026年7月12日、ネーションズリーグ2026(VNL)予選ラウンド最終戦で7勝4敗同士のポーランドを相手に、第1、2セットを失ったがけっぷちから、なんとか3-2で勝利した。多くのメディアは「0-2からの大逆転劇」「瀬戸際からの執念」などと美談として報道しているが、本来の実力や大阪大会というホームの利を考慮すれば、予選の戦いぶりは極めて厳しく評価されるべきだ。
物足りない薄氷の勝ち抜け
予選ラウンドを8勝4敗の6位通過という結果は、前回4位の実力からすれば物足りず、課題を多く残した。もっと不安になるのは、この「薄氷の勝ち抜け」を冷静に批評しているメディアがほとんどないことだ。日本は、22日から中国・マカオでのトーナメント方式の決勝大会に6年連続で駒を進め、準々決勝はブラジルと再戦する。
女子日本代表はなぜホームで、ここまで苦しんだのだろうか。
高さへの対応不足
日本女子は開幕6連勝とロケットスタートを切ったものの、第2週後半のドミニカ共和国戦、イタリア戦での連敗から狂いが生じ始めた。ホーム大阪大会でも、ブラジル、トルコ、ポーランドといった平均身長で10cm以上上回る世界の壁に対し、ブロックが機能せず、持ち味のフロアディフェンスが崩壊した。相手の高い打点からの攻撃をまともに浴び続ける展開が続き、抜本的な対策が打てなかった。
特定選手への依存
主将の石川真佑(エジザージュバシュ、トルコ)や、スタメンの佐藤淑乃らが大会中盤に調子を落とした際、チームを救ったのは和田由紀子(NECレッドロケッツ川崎)の爆発的な得点力(トルコ戦・ポーランド戦で連続27得点)だった。しかし、特定のアタッカーの個人技や調子に依存する大味なバレーとも言え、「組織的な連続得点」が見られなくなっていた。
セッター陣の迷い
本来ならもっと楽に勝ち抜けたはずの予選だが、セッター陣のトスワークに迷いが見られた。ポーランド戦の第2セット(14-25)に象徴されるように、攻撃がサイドに偏り相手ブロックに完全に読まれる場面が多発した。ミドルを絡めたテンポの速い日本の生命線であるコンビバレーの精度が試合を通じて安定しなかったことが、ホームで苦戦した要因といえる。
7月22日から中国・マカオで始まる決勝ラウンドの初戦は、予選で敗れている強豪ブラジルだ。予選ラウンドで露呈した、「強いサーブで崩された際の対応力」と「長身ブロックに対するリバウンド・ブロックアウトの技術」を見直さなければ、決勝トーナメントでの上位進出は極めて厳しいと言わざるを得ない。
バレーボール女子日本代表のVNL2026予選ラウンドの戦績は以下の通り。
第1週:カナダ大会(4勝0敗)
第1戦:○ 日本 3 – 1 フランス
第2戦:○ 日本 3 – 1 ウクライナ
第3戦:○ 日本 3 – 0 ドイツ
第4戦:○ 日本 3 – 2 カナダ
第2週:フィリピン大会(2勝2敗)
第5戦:○ 日本 3 -2 セルビア
第6戦:○ 日本 3 -0 チェコ
第7戦:● 日本 1 – 3 ドミニカ共和国
第8戦:● 日本 0 – 3 イタリア
第3週:日本大会(大阪・2勝2敗)
第9戦:● 日本 1 – 3 ブラジル
第10戦:○ 日本 3 – 1 タイ
第11戦:● 日本 1 – 3 トルコ
第12戦:○ 日本 3 – 2 ポーランド
(8勝4敗の6位で決勝ラウンドへ)

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