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【サッカー】日本代表、米国戦で0-2 | 収穫は望月ヘンリー海輝の台頭

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サッカー日本代表は、9月9日にオハイオ州コロンバスのLower.comフィールドでアメリカ代表と国際親善試合を行い、結果は0-2。アメリカ相手に4連敗となった。

日本代表は、今回の米国遠征をメキシコと0-0で引き分けた一戦と合わせ、1分1敗の無得点で終えた。本稿では日本代表がアメリカ代表に敗れた理由について整理し、アメリカの先制点にからんだ望月ヘンリー海輝がこの試合の最大の収穫である理由について説明する。

目次

個人がテーマの日本と背水の陣だったアメリカ

まず、言うまでもなくホームのアメリカに地の利があった。お互いに中2日での試合ながら、メキシコと対戦した米カルフォルニア州オークランドから約4時間の長距離移動に加え、西部から東部へ時差が3時間進むことを余儀なくされた日本は前日練習しかできなかった。

森保一監督が公言したとおり、日本代表はメキシコ戦から先発メンバーを総入れ替えして臨んだ。一方で、アメリカ代表は、メンバーの入れ替えを5人に留めた。スケジュールがタイトなため、日本代表が1試合目のメキシコ戦を強化試合と位置づけて、2試合目のアメリカ戦を新戦力の選考会という位置づけにした。体力のことだけを考えれば、長距離を走らず消耗していないGK鈴木彩艶を代える必要はなかっただろう。そして、代表チームの軸で、所属するリヴァプールでの出場時間が限定的な遠藤航は残してもよかったはずだ。

一方のアメリカ代表は、異なる事情を抱えていた。このところFIFAランキング上位の強豪国相手に対して負け癖がついており、自国開催の北中米ワールドカップで好成績を収められるか懐疑論が噴出。さらには対メキシコ、韓国と2連敗中で、もし日本に敗れて3連敗となれば、マウリシオ・ポチェッティーノ監督の進退問題にも発展する可能性があり、尻に火がついた状態だった。

個々の選手のサバイバルがテーマで一体感に欠ける日本と、本大会の開催まで限られた期間でチームを作り直さなければならないホスト国アメリカ。試合開始前から、ことの切迫度が違った。個人が自己主張しようとするチームと、集団として結果を出そうとするチームのどちらが高いパフォーマンスを発揮するかは、試合結果を見れば明らかだ。

代表チームである以上、常に結果が求められるが、敗戦の責任を全て選手に押し付けるのは酷だ。森保一監督が、本大会への生き残りレースを煽った感があるからだ。しかし、アメリカ戦の勝利より、もっと重要なのはワールドカップで結果を残すことだ。そこから逆算して、アメリカ戦をオーディションという位置づけにしたのだろう。(下に記事が続きます)

個で圧倒するはずが個の力で破られ失点

日本代表はワールドカップのメンバー入りを目指す新戦力が奮闘したが、個人的なモチベーションを持っており、これまであまり一緒にプレーしていない顔合わせのため連携不足は否めなかった。

背水の陣で臨んだアメリカは、選手のコンディションよりも最強メンバーで戦うことを優先した。2失点とも個の力で打開されたものだった。個々で相手を圧倒して試合に勝つというのが森保ジャパンの目指すところだが、それを逆にアメリカにやられたかたちだ。

30分のアメリカの先制点の場面では、サイドで望月ヘンリー海輝と対峙したマックス・アークステンが一瞬の隙を突いて縦に外すと、すかさず左足クロス。望月ヘンリー海輝は外切りの体勢で抜かれないはずの方向にシザースで突破され、体がついて行かずにクロスをブロックすることができず。そして、長友佑都と距離を取ったアレハンドロ・センデハスがダイレクトボレーを放つとゴール左に決まり、0-1とリードを許した。

64分には佐野海舟がついていたクリスチャン・プルシッチがドリブルで前進すると日本のDFラインの裏にスルーパス。関根大輝を後方から抑え込みながらボールを受けたフォラリン・バログンが左足を振り抜き、2-0とリードを広げた。

日本は35分にアメリカ陣内でインターセプトからゴール前へのパスに、伊東純也が右足を伸ばしシュートもGK正面。

70分には小川航基がゴール正面からミドルシュートを放ち、GKは動けなかったが枠に嫌われゴールならず。

GK大迫敬介が何本もみせたスーパーセーブがなければ、あと3点くらい取られてもおかしくはなかった。

日本は個人がテーマの試合だっただけに、少なくとも個々の対戦やデュエルでは負けないでほしかったが、チームでも負けて個人でも負けた。これが世界レベルというものだろう。(下に記事が続きます)

望月ヘンリー海輝が海の向こうで輝き

しかし、そのなかでも個人の能力でひときわ輝いていたのが望月ヘンリー海輝だった。失点シーンでは不覚を取ったのではないかというかもしれない。しかし、それ以外の数多くのシーンで飛び抜けた活躍をした。

身長192cm・体重81kgという日本人離れした体格の望月ヘンリー海輝は、空中戦で攻撃の起点となり、長友佑都のクロスに合わせてヘディングシュートも打った。そしてサイドのドリブルでは、身体を相手に当ててなぎ倒して突破した。日本のサイドアタッカーといえば、スピードと技術で相手をかわしていくのがステレオタイプだ。空中戦と体当たりの突破が特徴の日本代表サイドアタッカーは、ほとんど前例がない。

望月ヘンリー海輝は、EAFF E-1サッカー選手権2025で日本代表デビューし、海外組を含めたメンバーで試合に出場するのはアメリカ戦が初めてだった。身体能力の高いアメリカ相手にも、フィジカルが通用することを示した。世界を相手に90分間、戦い抜くには能力全体の底上げが必要だ。しかし、試合終了間際の10分間の肉弾戦では最終兵器になる可能性がある。長身揃いのチームがビハインドの場合、日本に対してロングボールを入れてくるだろう。そこに望月ヘンリー海輝をぶつけることで守り切ることができる。逆に、日本がどうしても得点が必要な時に、右サイドの空中という、これまで想定していなかった次元に起点を作れるようになる。

試合終盤の攻防は日本の課題となっている。従来の日本代表は、パワープレーという選択肢を捨てていた。どんなに大きな日本人選手を投入したところで、世界の2メートル級プレーヤーに空中戦では、太刀打ちできないからだ。しかし、望月ヘンリー海輝が戦力になるという判断がつけば、あのサイズと身体能力の高さは、日本がワールドカップを戦う上で大きな武器になるだろう。

日本サッカー協会(JFA)のアメリカ戦マッチレポート

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