イタリア男子バレーボールのセリエAスーペルレガの前半上位8チームで行われるコッパ・イタリアは2026年2月7日15時30分(日本時間同日23時30分)、ボローニャのウニポル・アリーナで準決勝2試合が行われた。トレンティーノがピアチェンツァをフルセットで下した第1試合に続き、注目の第2試合は昨年末の世界クラブ選手権を制してリーグでも首位を走るペルージャと2位につけるヴェローナとの対戦。両チームが同じ舞台で激突した昨年は0-2からヴェローナがドラマチックな大逆転勝利を収めたが、今年は違う意味で驚きの一方的な展開となった。
2月7日(土)15:30(日本時間 7日23:30)
2月7日(土)18:00(日本時間 8日2:00)
決勝(2月8日18:00=日本時間9日2:00)
ヴェローナの強烈な攻撃とブロック炸裂

ボローニャのウニポル・アリーナは、9,130人の満席を記録。第1試合のフルセットの余韻が残るなか、ヴェローナから約300人、ペルージャはざっとその倍は詰めかけた応援団のコール合戦が始まり、試合前から会場のボルテージが高まった。
序盤から勢いよく飛び出したのはヴェローナだった。ペルージャのOPベンタラを連続シャット。ライトからOHケイタが決めて、早くも「マリの鷲」が羽ばたくと、セッター・クリステンソンのツーアタックやエース、さらにケイタとモジッチの連続ブロックで点差を広げていく。ヴェローナが第1セットを25-19と先取した。
第2セットはヴェローナにミスが出て5-8とリードを奪われるが、9-10の場面でダルランのエース2本やブロック2本を含む7ブレークで一気に逆転、14-10と引き離した。その後も巧みなトス回しでペルージャのブロックを1本も許さず、逆にセッター・ジャンネッリのツーアタックを阻止。ヴェローナはペルージャの得点の半分、10エラーを献上したのにも関わらず、第2セットも25-21で連取した。
7-7まで均衡を保っていた第3セット、抜け出したのはまたもやヴェローナだった。ケイタの技ありフェイントが決まり、スタフォリーニの連続スーパーディグと勢いは止まらず、一気に14-9に。ペルージャはジャンネッリのトスがネットを超えてヴェローナ側コート外にいく珍しいミスを犯すなど、流れをつかめない。最後はモジッチのサーブをプロトニツキがはじき、勝負ありーー。最終セットは25-19。ヴェローナのストレート勝利であっけなく終わった。
試合の6日前、筆者の取材に「完璧でなくてもいい、自分たちがやってきた以上のものを出せれば」とクリステンソンが語った通り、展開はヴェローナに向いた。しかし、ここまでの一方的な勝利は、筆者も予想していなかった。

野獣の影で光る脇役、楽しそうにプレー


なぜここまでワンサイドゲームになったのか。ペルージャはOH石川が膝捻挫で戦線を離脱し、OHセメニウクも万全ではなかった。クラブ世界選手権やチャンピオンズリーグなどの連戦の疲れもあったかもしれない。主将のジャンネッリは前日に開幕したミラノ・コルティナ冬季五輪で聖火ランナーをミラノで務めてからボローニャに入る強行日程だった。それらを差し引いたとしても、ヴェローナのすさまじい爆発力や楽しそうにプレーする姿とは対照的に、ペルージャは波に乗れずに終始沈んでいた印象だ。
ヴェローナはケイタ(17得点、58%)やダルラン(13得点、73%)の超人的な攻撃が目立ったが、筆者が目を見張ったのは先週チヴィタノーヴァ戦から復帰したベテランMBジンガー(35)だ。第2セット途中からコートに入ると、クイック3本の決定率は100%、ブロックは2。何よりも2セット目終盤にジャンネッリのツーアタックを逃さず、シャットしたのがペルージャの息の根を止めたように思う。

さらにリベロ・ダミーコの負傷により、12月半ばにミラノから移籍したスタフォリーニ(22)の活躍も素晴らしかった。ペルージャのサーブに耐え、そしてディグもペルージャ・コラーチの2本に対し9本。スタフォリーニが上げたボールをクリステンソンが託した「野獣」たちが面白いように決める。そんなヴェローナの好循環が試合を支配した。

その他の数字を見ても、ヴェローナがいかに攻めまくり、ブロックで抑え込んでいたかが分かる。攻撃はペルージャの48 %に対して62%と圧倒的に上回る。さらにブロックはペルージャの2本に対して10本、キーポイントとされたサーブもペルージャ3本に対して7本をマークした。
モジッチ「今年は逃さない」

タイブレークの激闘でペルージャを下した昨年と違い、今年は3-0、しかも点差以上の圧勝で全くスキを与えなかった。そんな独壇場の中心にいたモジッチでさえ、こんな結果になるとは思ってもみなかったと言う。
「昨年は準決勝、決勝の全試合がフルセットだったし、強いチームばかりだったのでこんな試合は予想していませんでした。でも僕たちは高い集中力を維持し続けました。特にサーブとブロック、後者に関しては1セット目、ジャンネッリはどこにトスを上げたらよいか分からなくなっていたほどにブロックが冴えていました」
ちょうど1週間前、ヴェローナ創部から今季はじめまでの軌跡を追ったドキュメンタリーが有料スポーツチャンネルDAZNで公開されたが、今日の試合はそのタイトル「Mai Molar(決してあきらめない)」を地でいった。
「どんなボールもあきらめなかった、今日の勝利はその結果です。でもそれに酔うのは今だけ、まだもう1試合ありますから。去年は逃してしまったけれど、今年は逃しませんよ」
ソーリ監督は試合を振り返り、「今日は最初から最後まで高いレベルをキープした。それが手ごわい相手を倒すための唯一の方策でした。先週の敗戦(2月1日のリーグ後半第8節、チヴィタノーヴァ戦)からの短い時間でよく修正できました」と選手を称える。(下に記事が続きます)
きょう決勝、ヴェローナ-トレンティーノ

きょう2025年2月8日18時(日本時間9日2時)の決勝は準決勝でピアチェンツァをフルセットで下したトレンティーノと対戦する。トレンティーノは昨年までソーリ監督が指揮し、リーグ優勝を果たしたチームだ。
「満席の観客のなか、ファンの後押しを受けて、やるべきことをしっかりやって目標を達成したい。しかしトレンティーノの選手は、良くない状況の中でもしっかりまとまって戦えるし、困難な状況でもレベルを落とさないことはよく知ってます」とソーリ監督は古巣相手に気を引き締める。
そしてケイタは、「とてもとてもハッピー」と素直に喜びを表現し、自分たちのパフォーマンスにとても満足していると言う一方で、「でも完全に満足できるのは明日、この日のために準備はずっとしてきたから、あとはプレーするだけです」と締めくくった。
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