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広島、ぼっち”もみじ饅頭選手権”。銘菓の進化と多様性を食べ尽くす

もみじ饅頭
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 スポーツ取材の遠征先で、私はひとり「一品縛り食べ選手権」をしています。ただし鹿児島での「鶏たたき選手権」のように、一度の滞在で完結させるとは限りません。何度も通いながら、同じ物を食べ続けて行う選手権もあるのです。今回は安芸高田ワクナガハンドボールクラブ、イズミメイプルレッズの本拠地である広島の銘菓「もみじ饅頭」を、できる限り網羅していきます。

目次

4年前の記憶をたどる

広島でもみじ饅頭を食べまくったのは4年前。コロナ禍の前でした。当時食べたなかには、今はもう販売されていないものもあるかもしれません。4年前の記憶にはなりますが、美味しかったものをいくつか紹介しておきます。薄皮を重ねるがごとく、時間をかけてデータを蓄積することで、今まで見えなかったなにかが見えてくるのです。

にしき堂 もみじ饅頭 お餅

あんこやクリームの代わりにお餅が入っています。柚子皮ミンチのおかげで、爽やかな香りが鼻を抜けていきます。炭水化物&炭水化物の重苦しい感じが、柚子の風味でかなりやわらぐ印象です。唯一の難点は、のどに詰まりやすそうな点でしょうか。水分をそばに置いておかないと、お正月のお年寄りの事故になりかねません。30年後に食べる時には、かなり注意が必要かと。お茶と一緒によく噛んで食べれば、とてもいいお菓子です。 

にしき堂 メイプルチョコレート(ミルク)

チョココーティングされたもみじ饅頭です。ミルクとスイートとホワイトがあって、スイートはチョコ生地だけで甘さ控えめ。ミルクは普通のカステラ生地にチョコクリームが入っています。ホワイトはホワイトチョココーティングで、カスタードクリームが入っていました。大人はスイートなのでしょうけど、チョコ感を堪能したいならミルクです。チョコクリームがある方がのどに詰まりません。口内の唾液を奪われることもないでしょう。

天光堂 アキもみじ(アキは火へんに華)

火へんに華は、ロッテや巨人にいたイ・スンヨプ以来でしょうか。ピーナッツやクルミ、ゴマなどがとても香ばしく、従来のもみじ饅頭とは明らかにテイストが違います。ただし形がゴツゴツしていて、もはやもみじではありません。美味しいんだけど、もみじを名乗っていいのか? 岩のようなフォルムを見るたびに疑問を感じます。

連日の「あんこ」に追い打ち、「樽最中」差し入れ

連日のもみじ饅頭、連日のあんこに苦しんでいたところ、広島のレフェリー馬塲智也さんが「ようこそ広島へ」と、「さくらや」の樽最中を差し入れてくれました。う~っ、あんこにあんこか。心からのおもてなしなのか、ナチュラルに鬼なのか。当時はM-1グランプリでミルクボーイが優勝し、コーンフレークと最中がブームでした。その流れなのかもしれません。いずれにしても、樽最中は美味しくいただきました。馬塲さんはとても誠実なレフェリーです。でも、許されるなら、もうちょっと違うタイミングで樽最中を食べたかった……。

4年ぶりの広島、決戦の地
馬塲さんは頼れる中堅レフェリー

4年ぶりの広島、決戦の地

前回の選手権から4年ぶりに広島へ行くことになりました。女子ハンドボールのパリ五輪アジア予選が広島開催になったからです。久しぶりの広島。美味しい食べ物の多い広島。色々と迷いましたが、ここは原点に戻って、もう一度もみじ饅頭で選手権をやろうと決心しました。女子の日本代表(おりひめジャパン)が48年ぶりとなる自力での五輪出場を目指しています。だったら私は4年ぶりのもみじ饅頭選手権に挑戦しよう。以前にはなかった種類も増えています。色々食べたなかから、インパクトのあった品を紹介していきます。

にしき堂の夏季限定あんずもみじ

世間では夏の甲子園(選手権大会)の是非が議論されていますが、もみじ饅頭選手権は夏に開催すべきだと思っています。なぜなら、夏季限定のもみじ饅頭があるからです。数年前には夏季限定でラムネ味のもみじ饅頭などもありました。

さて、あんずもみじの中身はあんこではなく、ペースト状のねっとりとしたあんずです。ひと口齧れば、爽やかな酸味が広がります。崎陽軒のシウマイ弁当に入っている干しあんずは、おかずにもデザートにもなれる立ち位置ですが、こちらのあんずは華やかに洋菓子感を主張してきます。あんずというよりアプリコット。でも単なるジャムではないよ、というバランス感覚が心憎い。見た目も鮮やかなオレンジ色で、フルーティーなもみじ饅頭です。

やまだ屋のシャインマスカットもみじ&ピオーネもみじ

ぶどう系のもみじ饅頭なので、まとめて紹介します。シャインマスカットもみじは、お菓子のマスカットの香りです。本物のマスカットはここまで強烈な匂いはしないのに、嗅いだ瞬間に「マスカットだ!」と、脳が認識してしまいます。白あんにマスカット果汁を練り込む丁寧な作業をする一方で、マスカット香料をドーンと効かせてダメ押しするあたりがいいですね。じっくりと豚骨スープを取ったあとに、ダメ押しでうまみ調味料を入れるラーメンみたいで。わかりやすさは大切です。

ピオーネもみじの方はと言うと……。しまった! マスカットもみじのあとに食べると、何も分からなくなりました。生地とあんが紫色である以外、ピオーネである手がかりがつかめません。山陽高校の青戸あかね監督(元広島メイプルレッズ、元日本代表)に「ピオーネもみじ、美味しいですよ。この季節のお薦めです」と言われていたのですが、マスカットの風味によさを消されて、ほぼノーマルのもみじ饅頭になってしまいました。漫才の賞レースではないですけど、ネタをやる順番は大事なのかもしれません。

山陽高校の青戸監督(写真はメイプルレッズのコーチ時代) 

香月堂の生キャラメルもみじ

バラ売りなしで、8個1080円からの箱売りです。選手権での鬼門がこの「箱物」です。大会の費用がかかるし、持ち帰るとかさばるし、かと言って誰かにおすそ分けするのもはばかられます。大会期間中に粛々と消費するしかありません。箱物が出てくると、試合のペースが一気に落ちてしまいます。

生キャラメルもみじは、柔らかい生キャラメルクリームがたっぷり詰まっているので、ぷよぷよしています。指で押したら、いまにもクリームが飛び出しそう。確かに、これはバラ売りできません。箱で守ってあげないと。生キャラメルクリームは甘すぎず、苦くもなく、やわらかでなめらか。これならどんどん食べられます。クリームだから、奥歯に詰まる心配もありません。コンデンスミルクの缶詰を湯煎したら生キャラメルになる、あの感じが上手に再現されていて、しかも味が重たくないので、何個でも食べられそう。これは危険だ。よほどの自制心がないと、手が止まりません。人気なのも納得です。

紅葉堂のもみじ饅頭自販機

広島空港やアストラムラインの駅にさりげなく置いてある、もみじ饅頭の自動販売機。「冷た~い」の文字が、夏にぴったりです。8種類売られていますが、ここではレアチーズ味を選ぶのが正解でしょう。4年前にも空港で食べましたが、ひんやりとしたレアチーズクリームは、ほぼレアチーズケーキです。もみじ饅頭なのにスイーツです。「お菓子もスイーツも一緒だろ」とは言わせません。ふたつの間には厳然たる壁があるのです。そこを軽々と飛び越えてくるだけのポテンシャルが、よく冷えたレアチーズ味のもみじ饅頭にはあるのです。

本通駅の自販機で買って、試合会場の東区スポーツセンターに入る前に食べていると、向原高校の坂本伸博監督(元湧永製薬)に出くわしました。「何を食べているんですか? レアチーズ味ですか。いいチョイスですね」と、お褒めの言葉をいただきました。ありがとうございます。現役時代は日本リーグ屈指のスピードスターだったのに、引退後にかなり大きくなった坂本監督の言葉には説得力がありました。

向原高校の坂本監督。写真は現役時代

桐葉菓(やまだ屋)しか勝たんのか?

色々と食べてきた広島もみじ饅頭選手権ですが、4年前も今回も、優勝はやまだ屋の桐葉菓(とうようか)で変わりません。広島の人に聞いても「桐葉菓が一番好き」と返ってきます。予定調和でド本命が勝ってしまって、大会としては盛り上がりに欠けますが、美味しいんだから仕方ありません。もち粉を練り込んで焼いているから、「焼き菓子なのに餅のように伸びる」不思議な食感があります。特に夏場は餅成分がよく伸びるので、この時期に食べるとより楽しめます。

「真四角の形だから、もみじ饅頭ではないだろ」といった苦情は一切受け付けません。もみじ饅頭界の最高峰は桐葉菓で決まりです。桐葉菓の天下はこれからも続くでしょう。ただし同じチームの連覇が何年も続くのは、競技の発展という意味でもよくありません。桐葉菓を越えるもみじ饅頭が出てくることを期待して、広島もみじ饅頭選手権の閉会の言葉とさせていただきます。

人気者だから、マグネットまで作られた

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