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【競泳】パリ五輪の主役候補レオン・マルシャン、4冠を視野。ルイ・ヴィトンの広告塔

Leon MARCHAND (FRA), JULY 27, 2023 - Swimming : World Aquatics Championships Fukuoka 2023 Men's 200m Medley Final at Marine Messe Fukuoka Hall A in Fukuoka, Japan. (Photo by YUTAKA/AFLO SPORT)
2023年に開かれた世界水泳福岡大会で、男子200m個人メドレーで優勝したレオン・マルシャン=2023年7月27日、写真:YUTAKA/アフロスポーツ
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開幕まで2か月を切ったパリ五輪では、大会期間中に全32競技で329の金メダリストが誕生する。その中でも1人で4つの金メダルを独占しそうなパリの「主役」候補がいる。地元フランス・トゥールーズ出身の22歳、競泳400m個人メドレーの世界記録保持者のレオン・マルシャン(Léon Marchand)だ。オールラウンドスイマーの彼は最も得意な4個メのほか、自身に有利となる競技日程変更の恩恵も受けて、200m個人メドレー、200mバタフライ、200m平泳ぎでも金メダルを狙う。

目次

世界水泳福岡2023 フェルプスの世界記録破る

これまで1大会で最多の金メダルを獲得したのは北京五輪で8個の金を獲得したマイケル・フェルプス(米)だ。100m・200mバタフライ、200m・400m個人メドレー、200m自由型、4×100・4×200m自由形リレー、400mメドレーリレーの8冠を達成した。

レオン・マルシャンが鮮烈な輝きを放ったのは、そのマイケル・フェルプスの「不滅の記録」と言われた400m個人メドレーの世界記録を更新した2023年7月の世界水泳福岡大会だ。フェルプスの従来の記録を1秒34も上回る4分2秒50の世界新で圧勝した。この400m個人メドレーのほか、200m個人メドレー、200mバタフライと合わせ3冠を達成して、彼は世界を驚かせた。400m個人メドレーでマルシャンに約7秒も差をつけられて銅メダルだった瀬戸大也(CHARIS&Co.)はそのレース後、「(マルシャンとの)差は果てしない。パリ(五輪)は厳しい戦いになると体感した。ずっとマルシャンのことを考えて練習したい」とコメントした。(下に記事が続きます)

マイケル・フェルプスからメダルをかけてもらうレオン・マルシャン=世界水泳の公式X

異例の競技日程変更

パリ五輪に向けてスピード強化に励むレオン・マルシャンは先週2024年5月24日〜26日に米カリフォルニア州アーバインで開かれた大会2024 NOVA SPEEDO GRAND CHALLENGEに出場。100m平泳ぎでアテネ、北京五輪の金メダリスト北島康介さんが持っていた大会記録(1分00秒63)を破る自己ベスト1分00秒62を出すなど、順調な仕上がりを見せている。

そんなマルシャンをパリ五輪のスターにしたいと目論む大会組織委員会も後押しする。競泳の競技5日目、7月31日に行なわれる競技スケジュールを2024年2月に変更し、男子200mバタフライ決勝と男子200m平泳ぎ決勝の間隔を空ける異例の措置が取られた。

当初の日程では、200mバタフライの直後に200m平泳ぎというスケジュールだったが、バタフライ、平泳ぎの2種目とも得意とするマルシャンのために、フランス水泳連盟が世界水連にスケジュールの再考を求め、それが受け入れられた格好だ。バタフライ決勝と平泳ぎ決勝の間に女子1500m自由形決勝など4種目のレースを挟むことになり、マルシャンのリカバリーを考慮して、両種目に出場できるように事実上の「優遇措置」が取られる。マルシャンが実力を出し切れば、個人4冠の可能性が十分ある。(下に記事が続きます)

ルイ・ヴィトンの広告に登場

マルシャンの才能にほれ込み、「先物買い」しているのがパリ五輪のプレミアムスポンサー、LVMHグループのルイ・ヴィトンだ。2023年7月からアンバサダー契約を結び、広告に起用している。競泳選手などアスリートがルイ・ヴィトンのアイコンになるのは極めて異例で、ファッション界にもマルシャンの認知が広がっている。LVMHグループといえば、バレーボール男子日本代表の高橋藍は2024年6月1日にディオールのブランドアンバサダーになったことを発表している。

マルシャンを起用した広告のキャッチコピーは”ARTISAN DU TOUTES SES VICTORIES”「あらゆる勝利を生み出す職人」。パリ五輪でもそれを体現しそうだ。

レオン・マルシャン フランス・トゥールーズ出身。専門種目は個人メドレー、バタフライ、平泳ぎ。父は1988年世界水泳200m個人メドレー銀のザビエル・マルシャン、母は元五輪フランス代表のセリーヌ・ボネットの競泳一家で育つ。東京五輪は400m個人メドレーで決勝進出し、6位だった。東京五輪後に米・アリゾナ州立大学を新たな拠点とし、フェルプスを指導したボブ・ホフマンコーチに師事し、目覚ましい成長を遂げた。187センチ、77キロ。

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