【ハンドボール】独自色のライトバック48人 | リーグH名鑑vol.4

【ハンドボール】独自色で勝負のライトバック48人|リーグH選手名鑑vol.4
左から濵口まお(ザ・テラスホテルズラティーダ琉球)高木奈央(イズミメイプルレッズ広島)髙橋翼(琉球コラソン)檜木祐穂(アランマーレ富山)荒瀬廉(豊田合成ブルーファルコン名古屋)=いずれも久保写す、以下すべて
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 ハンドボールの各ポジションに求められる技術や役割を紹介するシリーズ。2025-2026シーズンのリーグHでプレーする各チームの主力選手の特徴を、役割ごとに分類していきます。第4回はライトバック(RB)。左利きのエースポジションですが、あえて右利きを使うチームもあります。チーム事情や監督のハンドボール観が反映されやすいポジションなので、ライトバックを見ていると各チームの特色がよくわかります。 

目次

高木奈央(イズミメイプルレッズ広島)ロングシューター

今季はエースとしてフル回転している高木奈央(イズミメイプルレッズ)
今季はエースとしてフル回転している高木奈央(イズミメイプルレッズ)

左利きのロングシューターがいてくれると、攻撃がダイナミックになります。センターとクロスしながらインに回り込み、引っ張り(左利きのシューターから見てゴール右側)にロングを叩き込むのが、左利きシューターの見せ場のひとつ。大きくズレて、なおかつ引っ張りへの角度が大きいほど、DFもGKも対応しにくくなります。 

高木奈央(イズミメイプルレッズ広島)はクレバーなロングシューターです。DFがマークを受け渡す一瞬の隙を突いて、ロングシュートを叩き込みます。「わかっているけど、止められない」必殺技なので、対戦相手は高木に対してマークを外さず「そのまま」で守るケースが増えています。 

南川満帆(三重バイオレットアイリス)は柔らかいロングシューター。胸を張って、長い腕が遅れて出てくるので、流し(左利きの南川から見てゴール左側)へのシュートに独特の間があります。最近はステップシュートを覚えて、こちらは球持ちのよさを利用して引っ張り下(南川から見て右下)にコントロールします。 

小林可奈(飛騨高山ブラックブルズ岐阜)は、身長が158㎝でもロングシュートが入ります。小林のシュートが枠を捉えている限りは、ブルズも戦えるので、どんなに苦しくても我慢強く打ち続けてほしいですね。塚邊美夏(HC名古屋)は未完の大器。たまにビックリするようなロングシュートを放ちます。HC名古屋で言えば、OGの佐藤由紀恵を思い出すような破壊力です。 

山田隼也(トヨタ自動車東日本レガロッソ宮城)はロングシュートが入り、なおかつ身体接触を厭わないタフな選手。苦しい試合になるほど闘志を燃やし、強敵にも最後まで立ち向かいます。井手悠登(大崎オーソル埼玉)はクロスからのロングシュートに迫力があります。(下に記事が続きます)

兪少延(アランマーレ富山)キレキレ1対1

兪少延(ユ・ソジョン、アランマーレ富山)が年明けから加入したことで、アランマーレは上昇気流に乗った
兪少延(ユ・ソジョン、アランマーレ富山)が年明けから加入したことで、アランマーレは上昇気流に乗った

カットインが得意な選手が多いポジションなので、細かく分類していきます。日本刀のようなシャープな切れ味と、鉈(なた)のような重さで切るタイプに分類できると思います。こちらはキレ味勝負の選手たちです。 

髙橋友朗(福井永平寺ブルーサンダー)は琉球コラソン時代にカットインのコツをつかみ、福井永平寺でも成長を続けています。切り返しの鮮やかさはリーグ有数。ハイライトで映える選手です。

リーグH公式Xより

井上明(富山ドリームス)は明星大から入団して1年目。個の強さを重視する大房和雄監督に抜擢され、レギュラーの座をつかみました。矢作宙(トヨタ自動車東日本レガロッソ宮城)は日本体育大学出身者らしく、フットワークがいい左利き。DFの1枚目と2枚目の間を割る「アウト割り」がとてもスムーズです。松本大昌(福井永平寺ブルーサンダー)は右利きですが、1対1が切れるので、ライトバックにも入ります。髙橋、松本と1対1がキレキレの選手が並ぶ時間帯は、福井永平寺の見せ場のひとつです。 

兪少延(ユ・ソジョン、アランマーレ富山)は2026年1月から加入し、強烈なインパクトを残しています。福田丈ヘッドコーチは「状態が上がれば、キレキレの1対1がもっと見られますよ」と言っていましたが、それ以上に位置取りで勝てるクレバーさが武器です。間にはまって、余計な切り返しをするまでもなく、シンプルにカットイン。DFが2枚寄れば、ライトウイングの秋山なつみにパス。理にかなったプレーをします。 

稲毛隆人(安芸高田わくながハンドボールクラブ)力強い1対1

監督兼任の稲毛隆人(安芸高田わくながハンドボールクラブ)。ケガをする前の力強さが戻ってきた
監督兼任の稲毛隆人(安芸高田わくながハンドボールクラブ)。ケガをする前の力強さが戻ってきた

こちらは鉈や中華包丁のような、重さでDFを断ち切るタイプ。1人では止められませんから、突進するだけで数的優位が作れます。 

中村翼(ジークスター東京)は力強い1対1で、スター軍団のなかでの地位を確立しました。我慢強く起用し続けた佐藤智仁監督の期待に応えるためにも、勝負どころのシュートを決め切る選手になってほしいです。 

監督兼任の稲毛隆人(安芸高田わくながハンドボールクラブ)はヒザの手術から復帰して、力強い1対1が戻ってきました。稲毛を見ていると、監督兼任で「よくぞここまで復帰した」と思う一方で、「選手一本で完全燃焼させてあげたい」という思いも湧いてきます。シンプルなカットインで、過去にはリーグの得点王になった男です。残り少ないハンドボール人生をやりきってほしいと願うばかりです。

森本方乃香(三重バイオレットアイリス)は利き腕(左手)側の動きが得意な選手です。インに力強くクロスして、相手を崩すきっかけになります。青沼健太(富山ドリームス)は1対1というよりは、7人攻撃のスペシャリスト。ベンチからスッと現れ、相手のマークが取れていない隙を狙って、シンプルに突破します。(下に記事が続きます)

宇治村唯(ブルーサクヤ鹿児島)フットワーク

フットワークを武器に急成長。宇治村唯(ブルーサクヤ鹿児島)は、韓国に移籍した金城ありさの穴を埋めた
フットワークを武器に急成長。宇治村唯(ブルーサクヤ鹿児島)は、韓国に移籍した金城ありさの穴を埋めた

1対1が切れる選手はフットワーク力があります。このフットワークをDFに反映させたら、攻守にバランスの取れた、使い勝手のいい選手になります。 

河原脩斗(大同フェニックス東海)は無尽蔵の体力とフットワークで、攻守に動き回ります。カットインができて、ジャンプ力もあって、しかも2枚目DFで役立つから、ベンチから遠い側で攻防チェンジがしにくい時間帯に重宝します。

宇治村唯(ブルーサクヤ鹿児島)はフットワーク力をクロスでも活用し、3年目でライトバックのレギュラーに定着しました。大きな1歩でクロスして、ピヴォットに落とすパスは、マークのズレを誘います。フットワークを生かしたDFから入って、カットインでも力を発揮し、左利き特有のクロスも覚えて、毎年できることを増やしています。

荒瀬廉(豊田合成ブルーファルコン名古屋)トリックスター

合成で鍛えられて約1年。荒瀬廉(豊田合成ブルーファルコン名古屋)はプレーの選択が劇的に改善された
合成で鍛えられて約1年。荒瀬廉(豊田合成ブルーファルコン名古屋)はプレーの選択が劇的に改善された

左利きには、左利きにしかわからない「独自の感性」があると言います。右利きの人間からしたら「なんでそんなシュート打っちゃうの?」と言いたくなるような場面でも、左利き同士なら理解しあえるようです。天才肌のトリッキーなシューターは、圧倒的に左利きが多い印象です。 

三重樹弥(レッドトルネード佐賀)はトリックスターの最高峰。これだけ確率がよければ、多少無茶なシュートを打っても信頼は揺るぎません。虚を突くブラインドシュートに、カットインから利き手ではない右手で決めたり、点の取り方が派手です。バックアップの梶山瑞生(レッドトルネード佐賀)もトリッキーです。

中村璃玖(大同フェニックス東海)は一つひとつのシュートに細かな工夫があるタイプ。落ち際で打つロングシュートなど、細かい駆け引きを楽しみながらプレーします。

荒瀬廉(豊田合成ブルーファルコン名古屋)はハイリスクハイリターンから成長し、判断が的確になりました。以前はブラインドシュートをバンバン打っていましたが、相手が慣れてくると攻め手がなく「初見殺し」とも呼ばれていました。しかし合成で1年間、自身のあるべき姿を追求し、理にかなったプレーが増えました。オフ・ザ・ボールの動きからシンプルに間にはまり、最後の局面で荒瀬らしい手首の柔らかさを使って、飛ばしパスだったりハーフループを打ちます。「荒瀬らしさ」を残しつつも、味方から信頼され、相手との駆け引きで勝てる選手になりました。 

高智海吏(ブレイヴキングス刈谷)ライトウイング兼用

41歳とは思えない体のバネが、高智海吏(ブレイヴキングス刈谷)のストロングポイント。普通にジョグをするだけでも、躍動感がある
41歳とは思えない体のバネが、高智海吏(ブレイヴキングス刈谷)のストロングポイント。普通にジョグをするだけでも、躍動感がある

ライトウイングと掛け持ちでプレーすることで旨みが出るタイプです。いい意味での「どっちつかず」感を利用して、2ポジションでチームに貢献します。 

筑波大学から新加入の外口若奈(熊本ビューストピンディーズ)は、ライトバックでのアウト割りができて、大型ウイングとして回り込んで打ち込めるよさがあります。左利きに故障者が続出しているチームの救世主になれるでしょうか。安平拓馬(大崎オーソル埼玉)は1対1が得意。ライトバックでは広いスペースの1対1で勝負するだけでなく、ライトウイングではサイドからの切りの動きが得意です。どちらのポジションでも、スペースへの嗅覚が抜群です。

41歳の高智海吏(ブレイヴキングス刈谷)は一時期ライトウイングに回っていましたが、「ライトバックで求められるようになったことで、パフォーマンスが再び上がった」と言います。ライトウイングで40mを走れるし、ライトバックではフロアをグリップしながら、音もなくカットインしたりと、パフォーマンスは昔と変わりません。いつまでも若々しく、リズミカルに体を操る姿は、まさに「身体芸術」。 相手との駆け引きよりも、自身の体との対話を好むあたりも、若く見える理由かもしれません。

徳田廉之介(アルバモス大阪高石)守れる左利き

徳田廉之介(アルバモス大阪高石)の激しさは世界基準。この激しさを、リーグHのスタンダードにしたい
徳田廉之介(アルバモス大阪高石)の激しさは世界基準。この激しさを、リーグHのスタンダードにしたい

左利きはOF重視で育てられがちなので、守れる左利きは貴重です。元々OFのセンスがあるので、相手にやられて嫌なことがわかるから、それをDFに反映させれば、守れる左利きになれます。

35歳のビルケフェルト・サイモン(福井永平寺ブルーサンダー)は、左利きのハードワーカー。年齢的にピークは過ぎたかもしれませんが、骨惜しみすることなく、攻守に体を張ります。中川翔太(トヨタ自動車東日本レガロッソ宮城)はいつもご機嫌なディフェンダー。3枚目やトップDFに入り、長い腕で相手の攻撃を遮断します。誰とでも気さくに話せて、場を明るくできる中川が帰ってくれば、レガロッソのDFがより強固なものになるでしょう。復帰を待っています。

徳田新之介(レッドトルネード佐賀)は豊田合成ブルーファルコン名古屋時代に、右の2枚目DFに開眼。強烈な1対1ができるフットワークを、2枚目DFでの足運びに転化し、国内有数のディフェンダーになりました。クウェートなどでのプレーを経て、レッドトルネード佐賀では左右の2枚目に入って動き回ります。

徳田廉之介(アルバモス大阪高石)はピヴォットへのパスが上手なイメージがありましたが、こちらもポーランドなどでのプレー経験を経て、DFが強くなりました。ハードな身体接触はまさに国際仕様。国内の笛ではたまに損をすることもありますが、ガツンと当たる激しさは、見る人の心を高ぶらせます。徳田新之介と廉之介。岩国工業高(山口)が生んだ歴代最高峰の攻撃型兄弟が、年を重ねてDFの達人になるあたりは、ハンドボールのおもしろさです。

木村翔太(ゴールデンウルヴス福岡)はトップDFの達人。立体的なDFで仕掛けるときには、木村の機動力が欠かせません。トップDFでの読みのよさとパスセンスが強みの、ちょっと珍しいタイプの左利きです。

木村とプレータイムを分け合う河田潤(ゴールデンウルヴス福岡)は、6:0DFで強さを発揮します。相手のピヴォットに負けない強さと、ロングシュートを消せる枝があるので、木村と棲み分けができています。非常事態には3枚目DFや5:1DFのフルバックでもプレーします。(下に記事が続きます)

檜木祐穂(アランマーレ富山)右利きライトバックの極み

檜木祐穂(アランマーレ富山)らしいアウト割り。利き手側にズレるプレーは、わかっていても止められない
檜木祐穂(アランマーレ富山)らしいアウト割り。利き手側にズレるプレーは、わかっていても止められない

ライトバックが右利きだと、シュートの角度が狭くなるし、ボールの展開が右に流れがちになります。ただしデメリットばかりではありません。あえて右利きを入れることで、攻撃のリズムを変えることができます。ライトウイングとの右側の2対2が増えたり、左利きとの位置取りの違いが、60分のなかで効いてくるのです。

原田大夢(豊田合成ブルーファルコン名古屋)は、主にベンチから遠い側の時間帯で活躍します。右2枚目DFで安定感をもたらし、またOFでは速いパス回しで流れを変えてくれます。下積みを経て、合成の「チャレンジ枠」とも言える右2枚目DFでチャンスをつかみ、猛者揃いのなかで自分の地位を確立しました。

檜木祐穂(アランマーレ富山)は右利きライトバックの専門職。アウトスペースを狙うのが得意で、利き腕がズレた状況から得点を重ねます。右利きライトバックは、アウト割りがやりやすい――このメリットを最大限に生かして、ライトバックのポジションを死守してきました。今季は左利きの兪少延(ユ・ソジョン)が入ってきたので、お互いの違いをどう生かしあえるか注目です。 

右利きライトバックで思い出すのが津屋大将(元トヨタ車体)です。門山哲也(現チームディレクター)に「位置取りで勝てる男」と評された津屋は、高い身体能力と的確な位置取りで、ライトバックのいいアクセントになっていました。ワイドな位置を取ってシンプルにゴールに向かって直進したり、センターのぼぼ真横から大きく外にドライブしたりと、味わい深い選手でした。引退後に大病を患ったようですが、また元気な姿が見たいです。ちなみに津屋が「(右利きライトバックの)師匠」と呼んでいたのが、横地康介(元Hondaほか、元ジークスター東京監督)でした。左肩を入れたまま右手で小さくセンターに折り返すパスは、横地から学んだそうです。 

植松花乃(熊本ビューストピンディーズ)守れる右利き

守備力の高い植松花乃(熊本ビューストピンディーズ)が入ると、堅守速攻の時間帯になる
守備力の高い植松花乃(熊本ビューストピンディーズ)が入ると、堅守速攻の時間帯になる

ライトバックに守備型の選手を入れることで、トータルの得点力が上がることもあります。パスカットからの速攻を増やしたいときに重宝します。

植松花乃(熊本ビューストピンディーズ)は右の2枚目で機動力を発揮します。左の2枚目に須田希世子が入り、右の2枚目に植松が入れば、パスカットからの楽な得点が生まれます。

福井すみれ(香川銀行シラソル香川)は3枚目ができるサイズがあって、OFではロングシュートを打ち込みます。トータルバランスに優れた江本ひかるとの違いを出せるので、流れを変えたいときに重宝します。

利光克仁(安芸高田わくながハンドボールクラブ)はフットワーク力で生き残った右利き。右側2ポジションの守備固めや、3:2:1DFで仕掛けたいときに役立ちます。(下に記事が続きます)

神谷弘平(アースフレンズBM)バランサー

神谷弘平(アースフレンズBM)はクイックシュートも得意だが、全体のバランスも整えられる
神谷弘平(アースフレンズBM)はクイックシュートも得意だが、全体のバランスも整えられる

現代ハンドボールでは、バックプレーヤー3人すべてにシュート力が求められます。しかし全員が打ちたがると、セットOFが渋滞してしまいます。だから1人はエゴを抑えて、いわゆる「死に役」になって、周りを生かす必要があります。

ベテランの神谷弘平(アースフレンズBM)は、本来ならばシュート力が一番の武器です。ただ今季のアースは早打ちタイプが揃っているため、神谷がバランサーになって調整しているとのこと。エゴを抑えつつも、たまに放つクイックシュートが効果的です。

江本ひかる(香川銀行)は「補助のセンター」の役割がぴったり当てはまる選手。松浦未南、岡田彩愛との「実質センター3枚」の組み合わせのなかで、一番エゴを出さずにプレーします。でも上位との直接対決になると、江本の得点は必要不可欠。江本の点数が伸びるときは、香川銀行が好調なときです。

濵口まお(ザ・テラスホテルズラティーダ琉球)ピヴォット兼用

濵口まお(ザ・テラスホテルズラティーダ琉球)は日本代表に定着してほしい逸材
濵口まお(ザ・テラスホテルズラティーダ琉球)は日本代表に定着してほしい逸材

ライトバックにピヴォットができる選手を入れておくと、切りの動きから攻撃を組み立てやすくなります。体が強くて、ハンドボールIQの高い選手だと、この役割がフィットします。 

宮迫愛海(熊本ビューストピンディーズ)は、切ってダブルポストになる動きがとても上手です。素早く切ってくるから、DFはどうしても宮迫を目で追いかけてしまいます。その隙を狙って、対角のグレイ クレア フランシスにパスを落とせば、セットOF がシンプルに完結します。宮迫は切りの動きだけでなく、カットイン自体にもキレ味があり、ピヴォットへパスを落とすセンスも優れています。 

濵口まお(ザ・テラスホテルズラティーダ琉球)は本職がピヴォットですが、9mの外からのロングシュートにも迫力があります。東長濱秀作監督は「濵口をピヴォットで使うのは簡単。濵口が日本代表に定着するには、速攻の展開力と2次、3次速攻でのロングシュートが必要になる」と言い、バックプレーヤーでの出場時間をあえて作っています。

辻野桃加(ハニービー石川)は年々筋肉キャラになり、2ポジションで存在感を示すようになりました。相手が疲れてきた後半途中に出てきて、圧倒的なフィジカルで突破するあたりは、ラグビーの外国人選手のようです。

小武蒼人(安芸高田わくながハンドボールクラブ)は強肩の持ち主で、歯切れのいいシュートが持ち味です。チーム事情でピヴォットでプレーする時間帯もありますが、6mからの小武のシュートはちょっとした脅威です。OFの表と裏を理解して、最終的には「ピヴォットを視野に入れながら判断できる」点取り屋になってほしい選手です。 

髙橋翼(琉球コラソン)オールラウンダー

バックプレーヤーが足りないチーム事情もあり、髙橋翼(琉球コラソン)はバックプレーヤーで奮闘している
バックプレーヤーが足りないチーム事情もあり、髙橋翼(琉球コラソン)はバックプレーヤーで奮闘している

各選手の得意なポジションを当てはめていくと、ライトバックだけ「該当者なし」になるケースがたまにあります。そういう場合は、ライトバックをオールラウンダーに任せて、チームのバランスを整えます。 

髙橋翼(琉球コラソン)は、コラソン入団後はピヴォットでしたが、学生時代にバックプレーヤーをしていたこともあり、今季はセンターもしくはライトバックで出場しています。6:0DFの3枚目もしくは3:2:1DFのフルバックで絶対に欠かせない選手なので、攻守のバランスを考えてのバックプレーヤー転向かと思われます。若返ったコラソンの柱とも言える存在に成長してきました。 

東江莉佳(ザ・テラスホテルズラティーダ琉球)は、福岡大時代からオールラウンダーで、いつも違うポジションでプレーしていました。専門のポジションがないのが悩みだったようですが、東長濱秀作監督は「オールラウンダーを極めればいい」と言って、東江の特性を上手に生かしています。ライトバック、ライトウイングにピヴォットを水準以上にこなせるので、試合の隙間を埋めるのに役立ちます。 (下に記事が続きます)

中村歩夢(ハニービー石川)攻守の要

3枚目を守って、豪快なロングシュートを決める。中村歩夢(ハニービー石川)は攻守に代えの効かない存在
3枚目を守って、豪快なロングシュートを決める。中村歩夢(ハニービー石川)は攻守に代えの効かない存在

左利きは「OFだけ」の人が圧倒的に多いから、攻守両面でチームのプラスになる左利きは貴重です。こういう選手がいてくれると、チームの総合力が大幅にアップします。

渡部仁(ブレイヴキングス刈谷)は攻守に2ポジションを任せられる大ベテラン。OFならライトバックとライトウイング。DFなら右1枚目と2枚目。「実質2人分」の仕事をしてくれるので、単純にベンチ入り選手が1人増えたような旨みがあります。36歳になった今も筋肉の貯金を続け、日本人左腕では最高峰のフィジカルを誇ります。特に難しいことはしなくても、強さがあるからシンプルに点を取って、肉弾戦でも負けません。彼を超えるサウスポーは、今後出てくるのでしょうか。 

パウエル・パチコフスキー(ブレイヴキングス刈谷)も攻守万能型のハードワーカーです。フィジカルを的確に使いこなして、DFでやられても即座に修正できるから、トータルでの貢献度は絶大なものがあります。ピヴォットを視野に入れながらのプレースタイルからも知性が感じられます。

中村歩夢(ハニービー石川)は移籍を機に、攻守ですべてを背負う存在になりました。長いリーチを生かして枝で守り、腕をしならせてロングシュートを放ちます。ライトバックと3枚目DFの両方で「代えの効かない存在」になりました。2024~25シーズンまではイズミメイプルレッズで高木奈央と共存していましたが、2025~26シーズンはそれぞれが「チームを背負う」役割を任されています。必要なタイミングですべてを背負う経験をすることで、選手はひと回り大きく成長するのです。

蔦谷大雅(ジークスター東京)は右2枚目が守れて、ロングシュートが入る若手。タイミングを変えて打ったり、7mスローでの大胆なループシュートが持ち味です。このパフォーマンスを国際レベルでもできれば、日本代表のライトバック問題は解決します。

石嶺秀(豊田合成ブルーファルコン名古屋)は我慢して使ってもらううちに、随分たくましくなりました。2025年6月のプレーオフでは、ジークスター東京との試合のしょっぱなでバチンと当たっていました。「こういうプレーをしていたら、信頼されるよね」と思って見ていたら、2025~26シーズンにはさらにDFの意識が高まり、球際でガツガツいく姿が何度も見られるようになりました。これで石嶺がベンチから遠くなる時間帯も、DFの心配はなくなりました。

リーグH公式Xより

豊田合成は選手のよさを残しながら、それぞれの選手を「あるべき姿」に育て上げます。石嶺だったら、2枚目DFで信頼される選手になりました。華はあるけど、少々軽かったシュートも改善傾向にあります。今なら多少シュートを外しても、DFで取り返してくれそうな信頼感があります。

以上がライトバックの紹介でした。次回はライトウイングです。

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