MENU
ニュースレターに登録する

「今週の1本」やイベント案内など、スポーツの風をお届けします。

個人情報の扱いはプライバシーポリシーをご覧いただき、同意の上でお申し込み下さい。

【ハンドボール】リーグH男子、プレーオフ進出6チームが決定

左からパウエル・パチコフスキー(ブレイヴキングス刈谷)岩下祐太(ジークスター東京)山口直樹(レッドトルネード佐賀)佐藤快(大同フェニックス東海)藤勢流(豊田合成ブルーファルコン名古屋)=久保写す
  • URLをコピーしました!

2025年6月13日(金)~15日(日)に東京の代々木第一体育館で行われる、リーグHのプレーオフ。5月17日の試合結果により、プレーオフに出場する男子の6チームが決まりました。各チームの特徴やここまでの戦い方などを、5月18日終了時点の順位に基づいて紹介していきます。

2024-2025年シーズンから日本リーグがリーグHに変わり、プレーオフのシステムも変更されました。男子は14チーム中上位6チームが出場と、これまでより2枠増えました。初日(クオーターファイナル)は、4位と5位、3位と6位がそれぞれ対戦。2日目(セミファイナル)では4位と5位の勝者が1位と対戦し、反対の山では3位と6位の勝者が2位と対戦します。最終日(ファイナル)はセミファイナルの勝者同士の対戦となります。

目次

1位:豊田合成ブルーファルコン名古屋(順位変動の可能性あり)

エースキラーの藤勢流がDFに入れない時間帯をどうしのぐか
エースキラーの藤勢流がDFに入れない時間帯をどうしのぐか

リーグ5連覇中の王者です。日本選手権も含めて、なんだかんだで最後に勝つのは合成。2024年5月のプレーオフでは、バックプレーヤーに水町孝太郎古屋悠生原田大夢の右利き3枚を並べて、超高速のパッシングゲームで流れを呼び込みました。2024年12月の日本選手権では、絶対的守護神の中村匠がまったく当たらなかったにもかかわらず、2番手GKの宮城風太が当たり続けて、6-13から追いつき、延長戦を制しています。とにかく手札が豊富で、絶体絶命のピンチでも「まだこの札を残していたのか!」と驚かされることが何度もあります。田中茂監督は日本選手権のあとに「服部將成ら大型選手を入れて、さらにサイズのある6:0DFにもチャレンジしたい」と言っていました。これまでの仕掛ける6:0DFも対策されつつあるので、ベタ引きに近い6:0DFと使い分けられたら、硬い守りからリズムを作れるでしょう。

唯一の課題はライトバックと右の2枚目DF。DFだけなら藤勢流を入れておけば完璧ですが、ベンチから右サイドが遠くなった時間帯は交代が難しくなります。石嶺秀が頑張るか、原田を入れてバランスを重視するのか、新人の荒瀬廉のトリッキーなシュートを生かした場面でどういうDFの並びにするのか、田中監督の選手起用に注目です。(下に記事が続きます)

2位:ブレイヴキングス刈谷(順位変動の可能性あり)

日本選手権はケガで欠場したパウエル・パチコフスキーが「ラストピース」になるか
日本選手権はケガで欠場したパウエル・パチコフスキーが「ラストピース」になるか

2019年のプレーオフは劇的な3連勝で優勝し、車体の黄金時代到来かと思われましたが、その後はシルバーコレクターに逆戻り。ラース・ウェルダーヘッドコーチの熱量をもってしても、優勝まであと一歩届きません。王道の強さを志向するチーム作りもあってか、手札が少ないのがブルーファルコン名古屋との差かもしれません。吉野樹渡部仁が打ち続けるしかない状況にならないためにも、バランスよく得点を伸ばしていけるかがカギになります。3枚目を守れる選手が意外と少ないため、ケガ人を出さないようにして6月を迎えたいところです。

新たな手札で期待が持てそうなのが、左利きの渡部をセンターにして、パウエル・パチコフスキーと同時に起用する布陣です。ライトウイングの櫻井睦哉もしくは40歳の高智海吏を含めた左利き3枚の布陣は、12月の日本選手権ではなかった組み合わせです。パウエルと渡部、櫻井が並べば、左利きでは国内最強のDF力になるので、戻りで崩される心配もありません。北詰明未のシンプルなゲームメークで点を伸ばしつつ、勝負どころで左利き3枚の布陣で流れを変えていけたら、壁を突き破れそうです。(下に記事が続きます)

3位:ジークスター東京(順位変動の可能性あり)

移籍1年目の岩下祐太は、高いレベルで集中力を持続できている
移籍1年目の岩下祐太は、高いレベルで集中力を持続できている

ケガ人を出しながらも若手を上手に使って、選手層に厚みを持たせることに成功しています。勝利と育成のバランスは、佐藤智仁監督の手腕と言っていいでしょう。シーズン前半は中村翼をライトバックで一本立ちさせて、後半には蔦谷大雅をライトバックとライトウイングの両方で使いました。ここに元木博紀が復帰したので、左利き2ポジションで色んな組み合わせが可能になりました。レフトバックも部井久アダム勇樹が復調し、ハムザ・カブロティがブラインドシュートを打ち込み、泉本心が強くアウトを割るなど、選択肢は豊富です。

今季のテーマのひとつが「2枚目の強度」。玉川裕康、部井久の絶対的な上背のある3枚目を生かすためにも、2枚目DFの強度が欠かせません。橋本明雄小山哲也のベテランだけでなく、若手が入った時間帯にも強さと運動量を出していけたら、僅差の試合を物にできるはず。DFの強度があれば、今季好調なGK岩下祐太の大当たりもさらに期待できます。(下に記事が続きます)

4位:レッドトルネード佐賀

山口直樹は日本を代表するロングシューターになりつつある
山口直樹は日本を代表するロングシューターになりつつある

レフトバックとピヴォットで3つのユニットを作り、3枚目でコンビを組ませるフォーマットでしたが、ベテランの成田幸平がケガで離脱しました。攻守に信頼できる成田の穴は大きいですが、ここは成田を師と仰ぐ山口直樹にフル回転してもらうしかありません。9mの外から打ち込む迫力は、いまや国内ナンバーワン。ライトバックの三重樹弥とともに「余人をもって代えがたい」存在になりました。

速い展開でイージーな得点を増やしたいので、GKを含めたDFで勝機を見出したいところ。6:0DFを組めない時間帯は、津山弘也を前に出す変則の5:1DFなどで変化をつけながら、GK木村昌丈からの球出しで速攻を増やしていけたら、初のファイナル進出が見えてきます。勢いで勝つチームなので、所凌央治田大成中田航太といった両ウイングの得点もポイントになってきます。(下に記事が続きます)

5位:大同フェニックス東海

打ちたい選手が揃うチームで、佐藤快はよき調整役
打ちたい選手が揃うチームで、佐藤快はよき調整役

3チーム分ぐらいあるバックプレーヤー陣の層の厚さが強みでもあり、泣きどころでもありました。そこに日本代表の新星・藤坂尚輝まで加わって「大混雑」していましたが、ここにきてようやく役割分担ができてきたようです。12月の日本選手権までは、どの組み合わせが正しいのか「答え探し」の連続でした。最近はベンチの左右とDFとのバランスを考慮して、プレータイムを整理できているように見えます。小澤基佐藤快を使う時間帯はチームが落ち着くので、華々しく打ち屋を揃える時間帯よりも、小澤と佐藤が仕事する時間帯がカギを握ると思われます。

DFができる選手が小澤と谷口尊ぐらいしか見当たらないため、攻守のバランスが課題です。GK陣がやや手薄なのも気になります。かつての黄金期のように「シンプルに守って勝つ」スタイルではないので、爆発力が3日間持続することを願うしかありません。終盤の接戦に持ち込めたら、藤坂、小澤が勝負の節目を押さえてくれるでしょう。勝負の責任を背負って戦う小澤の姿には「大同の魂」を感じます。(下に記事が続きます)

6位:トヨタ自動車東日本レガロッソ宮城

どんなに苦しい状況でも、山田隼也は最後までファイトする
どんなに苦しい状況でも、山田隼也は最後までファイトする

年明けから星を落とし、一時期はプレーオフを逃すかもという瀬戸際まで追い込まれましたが、5月17日のアルバモス大阪戦に勝ち、2016年以来となる9年ぶり2度目のプレーオフ出場を決めました。しっかりとチームを作り込みたい阿部直人監督は、シーズンを走りながら新人選手をなじませるのにやや苦労していました。それでも「現有戦力だけでは限界があるから」と我慢して新人を使ってきた成果が、終盤戦でようやく実を結びました。新人の佐藤歩は、大エース藤川翔太に次ぐロングヒッターになり、チームの得点力アップに大きく貢献しています。藤川と佐藤歩を同時に使う時間帯は、開幕当初にはなかった破壊力があります。

年明けの低迷の一因に「3枚替え」がありました。阿部監督のやりたいDFをやるには、DF要員を3枚入れないと成り立ちません。でも追いかける展開で3枚替えだと、チームの勢いが鈍ります。5月10日のレッドトルネード佐賀戦では藤村勇希細田啓輔の退場にも目をつぶりつつ、バックチェックで相手の速い攻めに対応できたのが大きかったです。なるべく3枚替えを避けて、大ベテランのGK関口勝志の術中にはめていけたら、2022年12月の日本選手権で決勝に進出した時のような「下剋上」もおおいにありえます。上位勢に立ち向かう山田隼也の闘争心も必見です。

ペンスポニュースレター(無料)に登録ください

スポーツ特化型メディア“Pen&Sports”[ペンスポ]ではニュースレター(メルマガ)を発行しています。「へぇ」が詰まった独自ニュースとスポーツの風を届けます。下記のフォームにメールアドレスを記入して、ぜひ登録ください。

個人情報の扱いはプライバシーポリシーをご覧いただき、同意の上でお申し込み下さい。

  • URLをコピーしました!

\ 感想をお寄せください /

コメントする

目次