【ハンドボール】横浜メルズ、リーグH女子参入へ始動

フォトセッションにて。左から行本朱里、水野裕紀監督、惠比壽潤代表取締役、中山司取締役=2026年8月3日久保写す(以下すべて)
フォトセッションにて。左から行本朱里、水野裕紀監督、惠比壽潤代表取締役、中山司取締役=2026年8月3日(久保写す、以下すべて)
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女子ハンドボールチーム「横浜メルズ」が2026年8月3日、横浜市で記者会見し、リーグH参入へ向けての構想を発表しました。監督にはリーグH男子の琉球コラソンや女子のオムロンを指揮した水野裕紀氏が就任。アランマーレ富山で活躍した行本朱里が、選手兼広報で会見に参加しました。

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関東に女子のトップチームを

シャトレーゼの女子ハンドボール部が2004年3月に解散して以降、関東に女子ハンドボールのトップチームはありませんでした。「関東に女子のトップチームをつくりたい」との思いで、運営会社の株式会社やまびこパートナーズが創設されたのが、およそ2年前の2024年のこと。その後名称が株式会社はやぶさパートナーズに変わり、2025年末から選手を募集し、2026年3月に「横浜メルズ」として活動がスタートしました。メルズ(MERS)の由来はフランス語の海「la mer」で、Marcher(歩む)、Ensemble(共に)、Region(地域)、Sourire(笑顔)の頭文字を組み合わせています。

監督に水野裕紀氏

中山司取締役は法政二高ハンドボール部出身。ハンドボールへの愛情が感じられる語り口だった
中山司取締役は法政二高ハンドボール部出身。ハンドボールへの愛情が感じられる語り口だった

はやぶさパートナーズの中山司取締役は、法政二高(神奈川)時代にハンドボール部に所属していました。「いい監督が来てくれたらなと思っていたら、今年に入ってとんとん拍子で話が進んで、横浜メルズはここまできました」と言っています。2026年6月には関東社会人選手権で優勝し、8月8日からのジャパンオープン(リーグHに所属しないチームの全国大会)に出場することになりました。ジャパンオープンで優勝すれば、12月の日本選手権の出場権が得られ、組み合わせ次第ではリーグH勢と対戦することになります。

8月からはジークスター東京のコーチだった水野裕紀監督が就任し、チームの強化が進んでいます。現在は元アランマーレ富山の行本朱里を中心とする9名の選手が所属。全員が母体となるやまびこグループに勤務しながらプレーしています。やまびこグループは医療系を中心に飲食なども手掛けており、選手個々の希望に合わせたキャリア形成ができるのが強みです。

運営会社代表「地域と歩む」

惠比壽潤代表取締役は「ただ強いだけのチームにしない」と、チームの基本方針を示した
惠比壽潤代表取締役は「ただ強いだけのチームにしない」と、チームの基本方針を示した

運営会社・はやぶさパートナーズの惠比壽潤代表取締役は「勝つことと、地域の課題解決を切り離さずに進めていきたい」と話しています。まずは神奈川に女子のトップチームを作ることで、女子選手が活躍できる場を増やし、次の世代につなげていくこと。他にも医療系に強いやまびこグループらしく、子どもやシニアの運動機会を作ったり、女性の健康をサポートしたりといった「地域協創アクションプラン」が発表されました。世代や障がいを超えた交流も視野に入れています。

神奈川出身・行本朱里が柱

行本朱里はチーム最年長の28歳。アランマーレ富山時代と同じ背番号3でプレーする。広報としても丁寧な対応が光る
行本朱里はチーム最年長の28歳。アランマーレ富山時代と同じ背番号3でプレーする。広報としても丁寧な対応が光る

チームの顔とも言えるのが、地元神奈川県出身の行本朱里です。川崎市の西中原中学で本格的にハンドボールを始め、川崎市立高津高校(神奈川)、日本体育大学と、神奈川で腕を磨いたセンターバックは、リーグHのアランマーレ富山でも5年間プレーしました。2025年6月のプレーオフで引退し、1年ほどブランクがありましたが「地元神奈川にチームができるのなら」と、現役に復帰しました。同じくセンターの金城菜々子と2人同時にコートに立ち、「上背がないから、スピードで勝負」と、頭を使いながらの速い展開で相手を翻ろうします。

水野裕紀監督、行本に期待

今年6月までジークスター東京のコーチだった水野裕紀監督。男女両方で指導経験があり、物の考え方を伝えられる
今年6月までジークスター東京のコーチだった水野裕紀監督。男女両方で指導経験があり、物の考え方を伝えられる

水野裕紀監督は、女子のオムロン(現熊本ビューストピンディーズ)で6年間監督をしていました。コート内外で「自由のなかでの判断」を求め、自分を律し、自分で考える女子選手を作るのが得意でした。フリーOFの考え方を伝え、ヨーロッパの新しい戦術も積極的に取り入れるなど、決め事の多かった当時の日本の女子球界を変えた監督の一人でした。「行本がいてくれて助かりました。大学を出てすぐの選手が多いので、リーグHの厳しさを知っている選手が必要です」と、自由と厳しさのバランスであったり、自分で考えて行動することを、横浜メルズでも求めています。

神奈川から新しい波を世界へ

会見では包み隠さず、チームの現状を報道陣に伝えた
会見では包み隠さず、チームの現状を報道陣に伝えた

横浜メルズは2026年12月のリーグH加盟審査へ向けて、クリアすべき課題がいくつもあります。将来的には1500人以上を収容できるホームアリーナを確保すること。選手数を16~22名体制にすること。さらなるスポンサー募集に、連携自治体の募集。ユースチームとの連携や、財務基盤の整備なども求められます。いずれも簡単ではありませんし、ホームタウンが横浜市以外になれば、チームの名称等が変わる可能性も出てきます。とはいえ、チームのコンセプトは「神奈川から新しい波を世界へ」で一貫しています。

近い将来、横浜メルズがリーグHに参入し、女性アスリートが活躍できる新たな舞台を切り開いてくれることを、願ってやみません。

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