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【ハンドボール】おりひめジャパン、11/26-世界選手権。18人の横顔

左からGK亀谷さくら、RW秋山なつみ、CB相澤菜月、PV初見実椰子、PV佐原奈生子(いずれも久保写す、以下すべて)
左からGK亀谷さくら、RW秋山なつみ、CB相澤菜月、PV初見実椰子、PV佐原奈生子(いずれも久保写す、以下すべて)
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東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで2025年11月12日、ハンドボール女子日本代表(おりひめジャパン)の練習が、メディア向けに公開されました。国内での合宿ののち、欧州で海外組と合流し、11月26日からの女子世界選手権(オランダ・ドイツ共催)に乗り込みます。代表18名の寸評をまとめました。

目次

#3:初見 実椰子(三重バイオレットアイリス)PV

初見 実椰子(三重バイオレットアイリス)PV
初見 実椰子(三重バイオレットアイリス)PV

アンダーの日本代表の時代から、その賢さで歴代の監督に重宝されてきた初見。今回は右の2枚目DFとピヴォットのバックアップが主な役割です。海外組のいない練習ではライトバックに入るなど、複数のポジションをそつなくこなせます。速攻でレフトウイングからしれっと飛び込んで、サイドシュートを決めたりもします。大会が長丁場になるほどに、出場機会が多くなるでしょう。試合のつなぎ目で頼りになる選手です。(下に記事が続きます)

#5:金城 ありさ(三陟市庁・韓国)RB・CB・RW

金城ありさ(三陟市庁・韓国)RB・CB・RW
金城 ありさ(三陟市庁・韓国)RB・CB・RW

左利きのファンタジスタ。2024年12月のアジア選手権決勝(韓国戦)で見せた逆足のステップシュートは、強烈なインパクトがありました。身長160㎝でも、マインドはバリバリの点取り屋。バックプレーヤーで使わないと良さが出ません。ライトウイングに入る場合は、大きく回り込んで、真ん中での1対1を狙う起用法になるかと思われます。短時間で点を取れる金城をどの時間帯で使うか。ソウバク監督の腕の見せどころです。

#12:下屋 奏香(熊本ビューストピンディーズ)GK

#12:下屋 奏香(熊本ビューストピンディーズ)GK
下屋 奏香(熊本ビューストピンディーズ)GK

堅実によく止めるGK。突出した武器はなくても、大事なところでシュートを止めてくれます。国内では有数の「神通力」を持った選手ですが、初の代表戦となった2025年6月の日韓定期戦では不発に終わりました。初めての対ヨーロッパで戸惑う部分もあるでしょうが、早めに順応してくれることを期待します。途中出場が多くなりそうなので、短時間で結果を残してくれたら。

#13:中山 佳穂(ツヴィッカウ・ドイツ)RB

中山 佳穂(ツヴィッカウ・ドイツ)RB
中山 佳穂(ツヴィッカウ・ドイツ)RB

世界が注目する「しなり」の持ち主。長い腕がありえないくらいにしなるから、球持ちがよく、他のシューターとタイミングが違います。近年はロングシュートを餌にしながら、カットインでの得点も増えてきました。柔らかさゆえに左肩痛に悩まされてきましたが、状態がよければ、大会のハイライト動画の常連になるでしょう。石川とプレータイムを分け合いながら、ベストなパフォーマンスを。(下に記事が続きます)

#17:大松澤 彩夏(アランマーレ富山)LB

大松澤 彩夏(アランマーレ富山)LB
大松澤 彩夏(アランマーレ富山)LB

DF要員からスタートして、ロングシュート、カットインと、アランマーレで攻撃のオプションを増やしてきました。攻撃ではレフトバックに入り、守りでは3枚目での働きが期待されます。大松澤が世界でも通用すれば、佐々木の休憩時間が作れて、連戦でもチーム力が維持できます。今回のメンバーでカギを握る1人かもしれません。

#19:佐原 奈生子(ハニービー石川)PV

佐原 奈生子(ハニービー石川)PV
佐原 奈生子(ハニービー石川)PV

2024年4月のパリ五輪世界最終予選以来の代表復帰です。これまでは「大学では控え選手」の先入観を拭えずにいましたが、フラットな目で判断するソウバク監督は、佐原のサイズ、フィジカルをかなり評価しているようです。グレイ クレア フランシスとのダブルピボットの時間帯もあるかもしれません。自分にできることだけに集中すれば、過去最高のパフォーマンスを発揮できるはずです。

#20:秋山 なつみ(アランマーレ富山)RW

秋山 なつみ(アランマーレ富山)RW
秋山 なつみ(アランマーレ富山)RW

こちらもパリ五輪最終予選以来の代表復帰。純正のライトウイングは「ハチ」こと秋山1人だけです。代表歴は長くても、ずっと2番手、3番手に甘んじてきました。好調だった藤田明日香(グロリア ビストリツア・ルーマニア)が10月のポルトガル遠征でケガしたこともあり、今回は初めて1番手で出場する世界選手権です。ハンガリーでの3年間で学んだ「ハンドボールを楽しむ」気持ちでプレーできれば、結果はあとからついてくるはず。「日本代表とはなにか」を後輩に伝える役割にも期待です。(下に記事が続きます)

#23:相澤 菜月(チューリンガー・ドイツ)CB・LB

相澤 菜月(チューリンガー・ドイツ)CB・LB
相澤 菜月(チューリンガー・ドイツ)CB・LB

アジアで一番の司令塔は、ドイツでも通用しています。センターでゲームをコントロールしながら、2枚目DFでも奮闘し、EHF女子ヨーロピアンリーグ優勝の立役者にもなりました。日本代表では左の1枚目DFに入り、攻撃により専念できるかと思われます。的確な判断に強いフィジカルがあり、勝負どころではキレキレの1対1で、孤立した3枚目を「逆ミスマッチ」で翻弄します。

#24:岡田 彩愛(香川銀行シラソル香川)CB・LB

岡田 彩愛(香川銀行シラソル香川)CB・LB
岡田 彩愛(香川銀行シラソル香川)CB・LB

火力の高い2番手センター。相澤との同時起用で、展開力を前面に押し出すのもおもしろいでしょう。ディスタンスシュート、カットイン、パスと、OFでのスキルはすべてにおいて高水準。岡田で得点の上積みができれば、僅差の試合を勝ち切れます。2023年8月、広島で開催されたパリ五輪アジア予選の時よりも、得点能力は確実に向上しています。

#29:笠 泉里(ブルーサクヤ鹿児島)LW

笠 泉里(ブルーサクヤ鹿児島)LW
笠 泉里(ブルーサクヤ鹿児島)LW

攻撃ではレフトウイングで、守りでは左の2枚目。この役割を担う笠と吉留の2人は、今大会のキーパーソンと言えるかもしれません。笠がトップの5:1DFは、ソウバク監督の志向する「アグレッシブなDF」です。2人の運動量が、チームに火をつけます。通常の6:0DFになれば、ピヴォットの前にかぶって、ポストパスを上手にカットします。(下に記事が続きます)

#30:亀谷 さくら(モルデ エリート・ノルウェー)GK

亀谷さくら(モルデ エリート・ノルウェー)GK
亀谷 さくら(モルデ エリート・ノルウェー)GK

2015年からの10年間、女子日本代表の躍進は、ワールドクラスのGK亀谷さくらとともにありました。世界選手権で33%の阻止率が期待できる、優秀なGKです。いつも直前で合流するため、DFシステムの変更に悩まされてきました。さくらを使うときは、なるべくオーソドックスに守って、彼女のよさを引き出したいところ。2024年4月の世界最終予選では、7人攻撃の交代でバテたので、セットOFもオーソドックスな方がよいかと思われます。

#32:佐々木 春乃(ギョッピンゲン・ドイツ)LB

佐々木 春乃(ギョッピンゲン・ドイツ)LB
佐々木 春乃(ギョッピンゲン・ドイツ)LB

レフトバックで3枚目を守る大黒柱。佐々木が攻守に持ちこたえてくれないと、今の日本代表は成り立ちません。酸いも甘いも噛み分けて、次の世代へ「代表とはなにか」を伝えられる選手です。佐々木がもう一度代表でがんばってくれること自体が「尊い」と言えます。世界でも通用するディスタンスシュートで、セットOFのバランスを整えてくれます。 

#37:松浦 未南(香川銀行シラソル香川)CB・LB

松浦 未南(香川銀行シラソル香川)CB・LB
松浦 未南(香川銀行シラソル香川)CB・LB

2024年12月の日本選手権決勝では、最後までロングシュートを決め切り、15得点でMVPになりました。158㎝と小柄でも、ディスタンスシュートの決定力があり、シュートの根拠を語れる賢い選手。ただ世界が相手となると、1対1に特化した方が賢明かもしれません。3枚目DFを孤立させて、松浦のスピードで振り切る場面がどれだけ作れるか。逆ミスマッチ要員の1人として期待大です。(下に記事が続きます)

#51:吉留 有紀(ハニービー石川)LW

吉留 有紀(ハニービー石川)LW
吉留 有紀(ハニービー石川)LW

左の2枚目を守り、絶妙な間合いからのパスカットで速攻に持ち込みます。今回は笠とともにトップDFの役割も任されています。日本代表のDFは、スタートで出るであろう吉留の出来にかかっています。受け答えは穏やかでも、勝負の節目ではいい意味で「牙をむく」メンタリティの持ち主。相手に押し込まれないためにも、高い位置でアグレッシブに動き回ってほしいです。 

#55:グレイ クレア フランシス(熊本ビューストピンディーズ)PV

グレイ クレア フランシス(熊本ビューストピンディーズ)PV
グレイ クレア フランシス(熊本ビューストピンディーズ)PV

ようやく世界の舞台で正当に評価される時がやってきました。屈強なピヴォットで、ライン際での片手キャッチは一級品。肩も強く、6mライン付近からの豪速球は脅威です。なんなら9mライン付近からでも打ち込める力があります。アジアレベルの細かい動きよりも、対ヨーロッパの力勝負の方が、3枚目DFで力を発揮できそう。ライン際でもみくちゃにされても動じずに、最後までフェアプレーで戦う姿勢は必見です。

#62:川島 芽依(ブルーサクヤ鹿児島)LB

川島 芽依(ブルーサクヤ鹿児島)LB
川島 芽依(ブルーサクヤ鹿児島)LB

今回の18人のなかで一番のサプライズ。所属でもレギュラーに抜擢されたばかりのタイミングで、日本代表に初招集されました。人材の枯渇しているレフトバックで、数少ない次世代のホープ。佐々木、大松澤に次ぐ3番手の扱いになりますが、限られたチャンスをものにできるか。メンバーに選ばれた幸運を、今後の成長につなげてほしいです。

#77:上嶋 亜樹(アズール・フランス)GK

上嶋 亜樹(アズール・フランス)GK
上嶋 亜樹(アズール・フランス)GK

爆発力のある若手GK。ダイナミックな動きが魅力で、勝負勘も優れています。「亀谷さくらの後継者は、上嶋しかいない」とも言われている逸材。オムロン(熊本ビューストピンディーズ)での半年間で強烈なインパクトを残した大型GKが、世界の水に慣れて、どこまで成長しているか。女子日本代表の明るい未来のためにも、プレータイムや阻止率で亀谷を上回るような活躍を。

#89:石川 空(モルデ エリート・ノルウェー)RB・CB

石川 空(モルデ エリート・ノルウェー)RB・CB
石川 空(モルデ エリート・ノルウェー)RB・CB

若くしてリーダーシップのあるサウスポー。常にピヴォットを視野に入れながら、ロングシュートを狙っていきます。世界のトップレベル相手でもディスタンスシュートが入れば、彼女の判断力がより生きるはず。相澤をレフトバックに回して、石川センターで「左利き3枚」のオプションも考えられます。右2枚目DFでもハードワークするし、勝負度胸は抜群。勝負の責任を背負い、味方を鼓舞する姿勢は、ハニービー石川での半年間で実証済みです。

モーテン・ソウバク監督

モーテン・ソウバク監督(中央)と新井翔太コーチ(右)
モーテン・ソウバク監督(中央)と新井翔太コーチ(右)

2025年6月の就任以来、日本人選手の生い立ちやプレースタイルを否定することなく観察してきました。日本人のよさを生かすために打ち出した方針は「スピードとアグレッシブなDF」。だからと言っていびつなハンドボールを目指すのではなく、王道のハンドボールのなかに、日本人の脚力を織り込んでいくスタイルになるかと思われます。

メンバー選考では、2028年のロス五輪まで続けるかどうかわからないベテランも説得して、代表に呼び戻しています。「40人ぐらいの代表候補を常に抱えておいて、その時その時のベストの布陣で挑みたい。いきなり若手に総とっかえするのではなく、経験者のいるなかに若手が入り、融合していくのがベスト」だと、選手にも伝えているとのこと。選手からは「18人全員を使って、チーム作りをしてくれる監督」といった声も聞かれました。時間をかけながら、強いおりひめジャパンを作ってくれそうです。

女子世界選手権(ドイツ・オランダ共催)は11月26日から。グループAに入った日本代表は、デンマーク、ルーマニア、クロアチアと予選ラウンドを戦います。

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