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【ハンドボール】日本男子、世界選手権行き決定 | 29ー26、UAE振り切る

ハンドボール日本男子、世界選手権出場決定
チーム最多タイの7得点を挙げた部井久=提供:アジアハンドボール連盟、以下すべて
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バーレーンで行われているハンドボール男子アジア選手権で2024年1月19日(日本時間20日未明)、日本代表(彗星JAPAN)はUAEに29-26で勝利。メーンラウンド2勝0敗で、グループ1の2位以内が確定し、2025年1月に開催される世界選手権の出場権を手に入れた。大会を通じてここまで内容がいまひとつだったが、終盤に勝ち越し、粘るUAEを振り切った。日本代表は前回、大会直前に新型コロナウイルス陽性者が出たためアジア選手権を辞退しており、世界選手権は2021年以来、2大会ぶりの出場となる。

目次

パリ五輪アジア予選で優勝、追われる立場

2023年10月のパリ五輪アジア予選で優勝、出場権を獲得した日本は、今回のアジア選手権では追われる立場になりました。予選ラウンドでは、パリ五輪予選不出場のイラクと引き分け。総得失点差でかろうじて1位通過できましたが、メーンラウンド初戦もパリ五輪予選5位のイラン相手に25-23と僅差の勝利でした。各国とも力をつけていたし、日本をよく研究していたのでしょう。パリ五輪予選8位のUAEとの対戦も、重苦しい展開が続きました。

前半逆転を許し、3点ビハインド

UAEの得点源アルマズミ。両チーム最多の10得点の大活躍

序盤は日本がペースをつかみました。DFシステムを5:1から6:0に切り替えたところでボールを奪い、部井久アダム勇樹(ジークスター東京)がエンプティゴールを狙います。ロングスローは相手の手に当たりましたが、こぼれ球を吉田守一(ダンケルク/フランス)がねじ込みます。7-4とリードを広げました。

ところがUAEの11番のアルマズミの速攻などもあり、13-16と逆転を許してしまいます。前半最後の攻撃ではパスミスが出て、UAEの速攻になりましたが、ここはGK中村匠(豊田合成)が大の字ジャンプでノーマークを防ぎました。中村の集中力に救われて、前半は13-16で終了できたものの、今日もしっくり来ない内容でした。

一進一退。我慢比べの時間が続く

ハンドボール日本男子代表の渡辺仁
渡部はクロスからの攻めで威力を発揮した
杉岡が勝負の節目で決めてくれると、チームが落ち着く

後半の出だしに、日本は5:1DFでリズムをつかみます。部井久のパスカットから元木博紀が速攻。元木がボールを奪って、部井久が走るシーンもありました。堅守速攻で4分17-17に追いつきます。やはり守れている時の日本は強い。同点にされたUAEは7人攻撃を仕掛けてきました。日本は相手の7人攻撃を守り、杉岡尚樹の速攻で7分に19-18と勝ち越し。ようやく主導権を奪い返します。

しかしUAEも簡単に勝たせてくれません。20分過ぎまでシーソーゲームが続きます。日本はOFの主力メンバーがほぼ出ずっぱり。前の試合で負傷した安平光佑(ヴァルダル/北マケドニア)がベンチアウトしたため、メインラウンドから合流した東江雄斗(ジークスター東京)がずっとセンターでした。ライトバックの渡部仁(トヨタ車体)は守りでの重責(右の2枚目)を担いつつ、攻撃ではクロスからのミドルを決め続けていました。選手を代えたくてもベンチに下げられない展開が続きます。プレータイムを分け合いながら勝ってきたダグル・シグルドソン監督ですが、今日だけはベストメンバーを引っ張りました。

元木の得点でリードを広げる

7得点を挙げた元木
7得点を挙げた元木

苦しいなかでも逆転されなかったのは、ライトウイングの元木がいたからです。元木を余らせて、確実にサイドで仕留めるパターンが確立できたから、23分には26-24と点差が少し広がりました。元木はDFでも、味方が抜かれたあとの1対1をバチンと守って、フリースローを取っていました。この日の元木は7得点でシュート率77.8%。本当に頼りになります。

UAEは25分過ぎ、退場者が続出。渡部のカットインに足を出した選手は、ビデオ判定の確認でレッドカード(失格)になりました。それでもレフトウイングのアルマズミが飛び込んでくるなど、最後まで食らいついてきます。背番号11のゴーグルマン、なかなかのファイターでした。 

UAEの7人攻撃を防いで、なんとか勝利

メインラウンドから東江を追加召集したおかげで、チームが崩れなかった

勝利を確信できたのは29分を過ぎてから。UAEが7人攻撃で、ライトバックがアウトスペースを割ってきました。このカットインをGK中村がセーブ。さらにはリバウンドに自ら飛びつき、マイボールにしました。中村匠がいつも言っている「僕はピョンピョン飛べている方が調子がいい」との言葉どおり、こぼれ球への反応が抜群でした。

タイムアウト明けは、東江がUAEのプレスDFをかいくぐって29-26。状態が万全ではないため、ここまで配球に徹してきたキャプテンが、最後の最後で相手の息の根を止めました。29-26。スコア以上に厳しい戦いを制し、日本は準決勝進出を決めました。POM(プレーヤー・オブ・ザ・マッチ)には、元木とともにチーム最多タイの7得点を挙げた部井久が選ばれています。

残り3試合、新戦力に期待

攻守に渡って責任を果たした部井久が、この日のMVPに

今大会の上位4チームには世界選手権の出場権が与えられます。最低限のノルマは達成できました。速攻のつなぎなどにミスが多く、会心の試合がひとつもなくても、日本は星を落としませんでした。負けない試合ができるのは、強くなった証拠かもしれません。ただ優勝したパリ五輪予選と比べると、フワッと試合に入ることが多く、新戦力も持ち味を発揮できていません。正直なところ、世界選手権の切符を取るのに、ここまで苦労するとは……。残り3試合は精度を高めて、新戦力の台頭に期待しましょう。

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