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【サッカー】ケガに苦しむ久保建英 代表にどう影響? | 代えがきかない特色

キリンチャレンジカップ2025日本-ブラジル戦に出場した久保建英=2025年10月14日、東京スタジアム(クレジット:鈴木颯馬/フォート・キシモト)
キリンチャレンジカップ2025日本-ブラジル戦に出場した久保建英=2025年10月14日、東京スタジアム(クレジット:鈴木颯馬/フォート・キシモト)
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サッカー日本代表の久保建英(24)が、長びく負傷に苦しめられている。森保ジャパンは2025年11月14日にガーナ代表(豊田スタジアム)と、11月18日にボリビア代表(国立競技場)と国際親善試合を行うが、招集できるかは微妙な情勢だ。

そんな今、改めてエース久保建英の不在がサムライブルーに及ぼす影響について考察する。

目次

強行出場で満身創痍

久保建英は9月6日の国際親善試合メキシコ戦で左足首を負傷して以来、完全ではない状態が続いている。10月の代表ウィークに日本代表での活動を見送るのではと思われた。しかし無理を押して日本に帰国し、パラグアイとの1試合目を欠場し、別メニューでの調整を経て2試合目のブラジル戦には時間限定で出場した。

公式戦ではないので、そこまで無理をさせる必要はなかっただろうが、強国ブラジルに勝利するためになくてはならない存在だと森保一監督は評価した。また、久保建英自身もサッカー王国を相手にした一戦に特別な思い入れがあったのかもしれない。

所属するレアル・ソシエダのスペイン・ラ・リーガ順位は一時、降格圏にまで低迷し、残留争いに巻き込まれている。この厳しい状況下で主力の久保建英は、痛みをこらえて、だましだましプレーを続けてきた。しかし、ここに来て試合出場が困難になるほど悪化させてしまった。

10月19日のセルタ・デ・ビーゴ戦の直前に負傷した模様で試合に帯同せず、その後もベンチ外が続いている。

レアル・ソシエダは、2025-2026シーズン開幕前にスペイン代表MFマルティン・スビメンディがイングランド・プレミアリーグの名門アーセナルFCに移籍。戦力低下を久保建英も嘆いたが、その穴を埋めるように強行出場しており、負傷再発という代償を払うことになった。(下に記事が続きます)

プレーメーカーの資質備えた偽ウインガー

久保建英はレアル・ソシエダでは右ウインガーとして主にプレーしている。日本代表ではクラブと同じ右ウインガーの他にも状況に応じて左ウインガーやインサイドハーフなどでプレー。センターフォワード以外のどの攻撃的なポジションでも高いパフォーマンスを発揮する。

現在の日本代表の攻撃陣のなかで久保建英ほど多くのポジションでプレーできる選手はいないだろう。このポリバレント性とプレーの幅を支えるのが多彩で奥深い攻撃の能力で、パス、ドリブル、シュートと三拍子揃っている。

レアル・ソシエダでのポジションである右ウインガーの印象が強いかもしれないが、これはウイングに創造性のある選手を配置するスペインのサッカーの傾向も理由の一つだろう。育成世代の頃の久保建英は、右MFやトップ下で主にプレーしていた。

久保建英が本来もっている素質は攻撃的MFのほうがしっくりいく。ウインガーは新たに拡張された能力ということができるだろう。

従来のウインガーは右利きの選手が右サイド、左利きの選手が左サイドを担当することが多かった。しかし、近年は左利きの選手が右サイド、右利きの選手が左サイドのウイングに位置して、ボールを持った際に中に入っていくような動きをするトレンドが生まれた。外から縦に勝負を仕掛けるというより、内側を向いて味方とパス交換をしてボール・ポゼッションを行うスタイルだ。

左利きの久保建英が右サイドでボールを持つと、このような偽ウインガーの動きになる傾向がある。(下に記事が続きます)

三笘薫も負傷中  両翼もがれたジャパン

久保建英と同様にヨーロッパで名の知れ渡ったサイドアタッカーである三笘薫も故障に泣いている。

日本が世界に誇る左ウインガー三笘薫は最近ケガがちで、所属するブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンでのプレー時間が限られている。この状況が続けば、日本代表への招集が見送られることが濃厚だ。

サイドアタッカーという観点では中村敬斗も非常に高いクオリティがあり、スタッド・ランスの元チームメイトである右サイドの伊東純也との相性が良い。

ウインガーには、前方に開けたスペースを突くために三笘薫のようにスピードがある選手が多い。一方で、久保建英は縦に長い距離をスプリントするのではなく、細かいフットワークとボール・テクニックで突破していく。左利きのため、右サイドから縦に抜けるより、カットインして内側に入ってくる傾向がある。(下に記事が続きます)

中村俊輔+メッシ

右サイドでボールを保持したときの身体の動きは、同じくスペイン・ラ・リーガや横浜F・マリノスでプレーしたレフティーのテクニシャン中村俊輔に似たものがある。中村俊輔はパサーだったが、久保建英はパスに加えてドリブル突破というオプションも強みとしている。

ドリブル突破は、まるでアルゼンチン代表リオネル・メッシのようでもある。実際にFCバルセロナの育成組織ラ・マシア所属時代の久保建英は、憧れのリオネル・メッシと毎日のように顔を合わせ、そのプレーを目に焼き付けた。

複数のポジションでプレーできて多くの長所を持ちあわせるアタッカーを止めるのは至難の業だ。一つの特徴を消しても、他の特徴で掻い潜られるからだ。一つ一つのポジション、一つ一つの特徴では、日本の攻撃陣、とりわけサイドアタッカーについては充実している。

単にポジションを埋めるのであれば日本代表に代役はいる。しかし、代えがきかない特徴を持った選手であることは間違いない。サッカーでは相手を攻略するために様々な変化を起こして揺さぶりをかける。その様なシステム変更や戦術変更の際にも久保建英の能力は遺憾無く発揮される。

日本代表にあれほどの攻撃のマルチタレントは、まず見当たらない。久保建英は、それだけ稀有な選手ということができるだろう。

日本代表の主な故障者

  • 三笘 薫(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオン:左ウインガー)
  • 冨安 健洋(元アーセナルFC:センターバック、守備的MF、右フルバック)
  • 高井 幸大(トッテナム・ホットスパーFC:センターバック)
  • 久保 建英(レアル・ソシエダ:右ウインガー、攻撃的MF)
  • 伊藤 洋輝(バイエルン・ミュンヘン:左フルバック、センターバック)
  • 町田 浩樹(TSG1899ホッフェンハイム:センターバック)

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