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【テニス】ジョコビッチ、LA2028で引退へ「国旗掲げてキャリアを終える」 。五輪にこだわる理由

2024年パリ五輪テニス競技男子シングルスで悲願の五輪初優勝、生涯ゴールデンスラムを達成し、 チャンピオンズパークを歩くノバク・ジョコビッチ。2024年8月5日、パリ(写真:新華社/アフロ)
2024年パリ五輪テニス競技男子シングルスで悲願の五輪初優勝、生涯ゴールデンスラムを達成し、 チャンピオンズパークを歩くノバク・ジョコビッチ。2024年8月5日、パリ(写真:新華社/アフロ)
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引退の花道を飾る場所は、3年後のロサンゼルス五輪の決勝コートーー。

テニス男子シングルスで4大大会(全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン選手権、全米オープン)を24回優勝、史上最強のテニスプレーヤーと称されるノバク・ジョコビッチ(38)が自身の引退プランについて初めて具体的に言及したコメントが世界をめぐり、話題になっている。

「私の願いは2028年(ロサンゼルス五輪)にセルビアの国旗を掲げてキャリアを終えることだ」

2025年11月10日、米The Sporting Newsが伝えた報道によると、ジョコビッチはそう語った。その願いが叶えば、41歳での五輪連覇だ。自身が37歳で出場した2024年パリ五輪男子シングルスでの五輪最年長優勝記録をさらに更新することになる。

目次

クリスティアーノ・ロナウドらから刺激

今回の発言はジョコビッチの「引退宣言」である一方で、あと3年、ロサンゼルス五輪までやるという「続行宣言」でもあると受け取れる。これまでジョコビッチは引退時期について明言することはなかったが、2025年10月にサウジアラビア・リアドであったフォーラムではこう語っていた。

「みんな、私に引退について差し向けるが、すぐには無理だろう。長く競技を続けることがいまのモチベーションの一つだ。世界のスポーツを見渡せば、バスケットボールNBAのレブロン・ジェームス(レイカーズ)、サッカーの(ポルトガル代表)クリスティアーノ・ロナウド(アルナスル)は40歳でまだ現役だ。アメフトの(史上最高選手と言われた)トム・ブレイディも44歳までプレーした。彼らから刺激を受けている。だから私も頑張り続けたいんだ」(下に記事が続きます)

母国愛、五輪への強烈な思い入れ

現在38歳のジョコビッチが最後に4大大会で優勝したのは全豪、全仏、全米オープンの3冠を達成した2023年だが、2025年も4大大会すべてで準決勝に進出した。世界ランクも4位をキープ。衰えはまだ感じられない。

しかも、競技人生の集大成には、数億円の賞金が懐に入る4大大会ではなく、賞金ゼロの五輪をターゲットにするあたり、実に達観したジョコビッチらしい。

ジョコビッチは五輪に対して「執着」といっていいほど、特別な思いを抱いている稀有なプロアスリートだ。

賞金がなく、ツアーやリーグとの日程調整が難しい五輪を軽視したり、回避するプロ選手はテニスに限らず、ゴルフやサッカーに多い。でも、ジョコビッチは「五輪こそがスポーツの最高峰」との考えを持っている。

「国を代表するという立場、感情に影響を受けてきた」とも、これまでに発言してきた。2025年夏、ジョコビッチは妻と二人の子どもと一緒にギリシアに移住したが、彼の心の中にはいつも祖国セルビアがある。8歳の愛娘「タラ」はセルビアの美しい秘境の国立公園「タラ・マウンテン」から名付けたほどだ。(下に記事が続きます)

5人目の生涯「ゴールデンスラム」

強い思い入れがある五輪の舞台でジョコビッチはなかなか勝てなかった。初出場の2008年北京では銅メダル。続く2012年ロンドンでは3位決定戦で散った。16年リオデジャネイロは、世界ランキング1位で現地入りしながら、まさかの1回戦敗退。涙でコートを後にした。4年前の東京五輪では無観客の東京・有明で、準決勝敗退。銅メダル争いにも負けた。

そして5度目の五輪挑戦となったパリ。決勝で21歳のカルロス・アルカラス(スペイン)を退け、ついに悲願の優勝を遂げた。コート中央で両膝をついてむせび泣いたシーンを、私は現地パリのカフェで地元の人々と観ていた。感極まったジョコビッチは、セルビア国旗を広げ、観客席によじ登ると、家族、子どもたちと抱き合って喜びを爆発させていた。

その時、ジョコビッチは、4大大会すべてを制する「グランドスラム」に、4年に一度の五輪での優勝を加えた「生涯ゴールデンスラム」の5人目の達成者となった。

生涯ゴールデンスラム達成者

五輪選手
1988ソウルシュテフィ・グラフドイツ
1998アトランタアンドレ・アガシ米国
2008北京ラファエル・ナダルスペイン
2012ロンドンセリーナ・ウィリアムズ米国
2024パリノバク・ジョコビッチセルビア

「五輪で優勝、ずば抜けて最高のもの」

パリ五輪を終えたジョコビッチはこんな印象的な言葉を残していた。

「セルビアの国旗を掲げて、国歌を歌いながら、金メダルを首にかけて、そのコートにいる。これに勝るものはプロスポーツにはない」

「五輪で優勝したあの瞬間に感じたことは、こうなんだろうと自分で思ったり、期待したりしていたすべてを、上回った。間違いなく自分のこれまで達成したなかで、ずば抜けて最高のものだ」。ジョコビッチにとって五輪はそれだけ、特別なものなのだ。

3年後のロサンゼルス五輪。41歳のジョコビッチは、果たして決勝のコートに立っているだろうか。そしてラケットを置く時、何を語るだろうか。

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