バレーボールの欧州ナンバーワンクラブを決めるCEV欧州チャンピオンズリーグは2025年1月16日(日本時間同17日)、各地で4回戦グループラウンド第5節、セカンドレグ第2戦があり、日本の石川祐希が所属するグループリーグD組のペルージャ(イタリア)は敵地でチェスケー・ブジェヨビツェ(チェコ)をセットカウント3-0(27-25,25-22,25-16)で退け、ファーストレグに続き連勝した。すでにD組1位、準々決勝進出を決めたペルージャはここまでのグループラウンド5試合全てでストレート勝ち。グループラウンド最終戦は1月30日、ホームで2位のハルクバンク(トルコ)と対戦する。
石川、両チームトップの15得点
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ペルージャの石川祐希は欧州CLチャンピオンズリーグで3試合連続のスターティングメンバーで出場し、第1セットと第3セットでは守備固めのために一旦ベンチに下がる場面があったものの、試合終了までプレー。両チームトップの15得点(サービスエース1、ブロックポイント1)、アタック決定率65%の安定したプレーで、この試合のMVPを獲得した。
石川は4日前の1月12日、セリエAレギュラーシーズンのトレンティーノ戦最終第5セットで足がつってベンチに下がったが、その影響を感じさせないプレーで復調をアピールした。(下に記事が続きます)
第1セット、先発全員がサーブミス
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ペルージャがもがきながら勝ち切った。イタリアのペルージャから、チェコ南部のチェスケー・ブジェヨヴィツェまでは移動距離1,000キロ以上の長旅。しかも、セリエAでの連勝がストップし、今季初黒星を喫したトレンティーノ戦から中3日の強行日程だ。終わってみればストレート勝ちだが、スコア以上に苦しい試合だった。
第1セット、慣れない敵地のアリーナということもあってか、ペルージャはチーム全体で9本のサーブミスを犯す。石川、セメニウク、ロセル、ソレ、エレーラ、ジャンネッリの先発した全員にサービスエラーが出て、ピンチサーバーのOHチャンチョッタまでサーブが入らない。
特にOPエレーラはあからさまに不機嫌な表情だ。イライラを隠せない。24-24のデュースに持ち込まれたが、最後は相手OHジョセフ・レスティナのバックアタックがアウトになって助けられた。
第2セット以降、ペルージャは徐々に修正していく。序盤はリードを許したが、10-12から石川がレフトから強打を決めると、ジャンネッリのサーブで乱れた相手の返球を石川がダイレクトで叩き込んで同点。さらに石川がレフトからたたみかけて13-12。石川の3連続得点でこのセット、初めてリードを奪ってからはペルージャが主導権を握った。(下に記事が続きます)
石川「第2、第3セット以降はカムバックできた」
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4日前のトレンティーノ戦で足が攣った石川はその影響を感じさせず、第3セットも相手の3枚ブロックを弾き飛ばすアタックや、17-11の場面ではサービスエースを決めて存在感を増していった。
両チームトップの15得点を挙げた石川は、今季イタリア10シーズン目で初めて戦うチャンピオンズリーグで初のMVPを受賞した。試合後の英語インタビューでは「難しい試合でした。特に第1セット、私たちはいいプレーができなかった。それでも第2、第3セット以降はいいプレーができて、カムバックできました」と安堵の表情。チェコの会場にも日本人の応援が来ていることを差し向けられると「たくさんのファンが来てくれてハッピーです。ファンにはいつも感謝しています」と語った。
ペルージャは今月末のハルクバンク(トルコ)との対戦を前に、すでにグループDの1位突破を決め、CEV欧州チャンピオンズリーグの8強入りが確定済み。「頂(いただき)」を目指す石川にとって本当の勝負はここからだ。
欧州チャンピオンズリーグ 欧州バレーボール連盟(CEV)が主催するシーズンごとの欧州ナンバーワンクラブを決める大会。2024-25シーズン、男子は20チームが出場。まず4チームずつ5組に分かれるグループラウンドで、2025年1月末にかけてホームアンドアウェイの総当たりで各組内の順位を決める。各組1位チームは自動的に準々決勝進出。「8強」の残り3枠は各組2位の5チームと3位の最上位チームの計6チームで争う。ホームアンドアウェイの2試合終了時点で勝ち点が並んだ場合、2試合目終了後にゴールデンセットを実施して勝敗を決める。準決勝まではホームアンドアウェイ(+ゴールデンセット)形式。2025年5月の決勝はホームアンドアウェイではなく一発勝負で優勝を決める。
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