ハンドボール男子日本代表(彗星JAPAN)の強化合宿が2026年5月4日から9日まで、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで行われました。若手を多く入れたメンバー18人に加えて、トレーニングパートナーでは日本の大学生やドイツから松浦アルバが参加し、活気ある練習が行われました。
所凌央(レッドトルネード佐賀)ら新メンバー

今回の代表合宿には、国内組18人が参加しています。若い選手も多く、トニー・ジェローナ監督は「シニアとユースの融合」という言い方をしていました。ベテランと若手を融合させて、選手層を厚くする狙いです。
代表合宿に初めて呼ばれた所凌央(レッドトルネード佐賀)は、所属と代表のプレースタイルの違いを、このように話していました。
「レットルは速攻で押して、斜めに走る。代表はシンプルなハンドボールで、そこまで速攻を求めない。速攻の考え方にギャップを感じましたが、今は順応して、シンプルにレフトウイングに求められる仕事をしています」
父の所努(総社高校監督・岡山)は、三陽商会、HC岡山でプレーした、リーダーシップ抜群の名キャプテンでした。ただしフル代表には入っていません。長男の凌央は「まだ代表のユニフォームを着ていないが、もしユニフォームを着て試合に出られたら、(父より)一歩先にいけることになるのかな」と言っていました。純正のレフトウイング枠で、杉岡尚樹(ブレイヴキングス刈谷)の後継者になれるでしょうか。(下に記事が続きます)
松浦アルバ(DJKスポーツフロイデ)に注目

18人の代表候補のほかに、20歳前後のトレーニングパートナー4人も、代表合宿で汗を流していました。なかでも注目を集めていたのが、ドイツからやってきた18歳・松浦アルバです。193センチ82キロとスリムな左利きのライトバックは、父がドイツ人で、母が神奈川の茅ケ崎市出身の日本人。今回は松浦の父親が所属するチーム(DJK スポーツフロイデ)に働きかけ、そこから日本代表につながり、代表合宿への参加が実現しました。
「アンダーカテゴリーではなく、シニアレベルでプレーするのは初めて。沢山の新しい経験を積んで、多くのことを学んでいきたい。将来は日本代表だけでなく、日本のクラブチームでプレーして見たい思いもあります」
現時点で松浦は、ドイツと日本の両方の国籍を持ち、20歳になったらどちらかの国籍を選ぶことになります。またハンドボールの国際ルールでは、仮にユース(男子はU19)やジュニア(男子はU21)の代表でドイツを選んだとしても、シニア(フル代表)になる際には6カ月の期間を空ければ、日本代表を選ぶことが可能です。
本場ドイツ仕込みの標準装備

松浦のプレーを見た、トレセンのスタッフがこう評していました。
「標準装備がしっかりしている子。ただ打つだけでなく、DFが寄ればパスをさばけるし、前が空いていたらシンプルにカットインができる。もちろんピヴォットも見えている。まだ線が細いけど、『筋力はあとからでいい』というドイツの育成年代の方針もあるでしょう。エースを育てすぎないのが、ドイツの育て方だから」
松浦本人は「ストロングポイントは、インに回り込んでのディスタンスシュート」と言っていましたが、アウト割りもできますし、非常にバランスのいい選手です。年齢、背格好ともに赤嶺尚太朗(興南高校=沖縄=からブレイヴキングス刈谷に入団)に似ています。松浦アルバが日本代表を選んだら、大きな戦力になりそうです。 (下に記事が続きます)
中部大学エース・ハリス希生がアピール

トレーニングパートナーでもう一人注目を集めていたのが、中部大学2年生のハリス希生でした。2024年の福岡インターハイの得点王は、九産大高校(福岡)全国ベスト8入りの原動力となりました。中部大学でもエースになり、2026年3月には期間限定で豊田合成ブルーファルコン名古屋と契約。チャレンジリーグでプレーしました。
「この半年ぐらいでいろんな経験をさせてもらって、本当にありがたいです。将来的には国内でも国際試合でも活躍できる選手になりたいので、そのために必要なステップアップだと思っています。ジャンプ力を生かしたディスタンスシュートだったり、フェイント動作といった、個人で打開する力が強みなので、そこは今回の合宿でも生かせたかなと思っています」
ハリスも単なる打ち屋ではなく、状況判断を意識しています。
「打つだけだと、レベルが上がってきたときに自分のプレーの幅が狭まるので。隣には田中大介さん(豊田合成ブルーファルコン名古屋)のように判断がいい選手が沢山いるので、そういうプレーを見ながら少しでも吸収して、今後の成長につなげていきたいです。トニー(ジェローナ監督)からは『常に前を見ながら、選択肢を複数持ってプレーできるようになれ』と言われています。自分は行くときと行かないときの差があるというか、DFから見てもわかりやすいようなので、そこが課題です」
常に前を狙いつつ、判断をするという点では、松浦アルバも参考になったと言います。
「最初は『打つだけの選手かな』と思っていたが、ハンドボールの本場ドイツ仕込みの独特なリズムだったり、自分より年下ですが、勉強になる部分はありました」
ハリスも実感しているように、代表クラスの選手は標準装備がしっかりしています。育成年代から肌で感じて、的確な判断のもとで個の強さを生かせるようになれば、世界で通用するプレーヤーになれるはずです。 (下に記事が続きます)
ジェローナ監督「アジア大会でメダル」

日本代表は2026年9月、愛知・名古屋アジア競技大会を控えています。ジェローナ監督は言います。
「1月のアジア選手権は4位だったから、9月のアジア競技大会ではひとつステップアップしてメダルを獲る(3位以内に入る)のが目標。さらには2027年1月の世界選手権へ向けて、ステップアップしていきたい」
その先には、2027年秋のロス五輪アジア予選があります。残された時間は多くありません。ベテランと若手を融合させながら、さらなるステップアップを。
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