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【ハンドボール】アランマーレ富山・大松澤彩夏「私がキャプテンの今季、日本一に」

アランマーレ富山で2025-26年シーズンのキャプテンを務める大松澤彩夏。コートネームは「ナツ」=2025年8月29日、都内で(原田写す)
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ハンドボールの国内最高峰リーグ、リーグHの2025-26年シーズンの開幕が9月6日に迫る。男子14、女子11チームのキャプテンがユニホーム姿で出席した8月29日の都内での「開幕記者会見」。報道陣の女子への質問がリーグHの「2強」、初代女王のブルーサクヤ鹿児島と、準優勝だったハニービー石川に集中した。

そのやりとりを昨季レギュラーシーズン3位、アランマーレ富山の新キャプテン大松澤彩夏(27)は笑みを絶やさず、静かに聞いていた。ただ、心のなかでは闘志が燃えていた。「(アランマーレは)みんな今シーズンに懸けている。今年こそ日本一、という思いが積み重なっている。私がキャプテンしている時に日本一が取れたら、かっこいいじゃないですか」。会見終了後の囲み取材。大松澤の人懐っこい笑顔がキリッと引き締まった。

目次

人生初キャプテン

聖和学園高(宮城県仙台市)、東京女子体育大を経てアランマーレ富山に入団して5年目。大松澤は身長175センチの長身から放つロングシュートを武器に、ユース(U19 )、ジュニア(U21)時代から各世代の日本代表に選出されてきた。ポジションはLB(レフトバック)。2021年女子世界選手権(スペイン)ではおりひめジャパン(女子日本代表)に最年少で選ばれたのをはじめ、2024年12月に韓国を決勝で破って優勝したアジア選手権の日本代表の直近メンバーでもある。

コンスタントに日の丸を背負ってきた華やかな球歴とは裏腹に「キャプテン」や「副キャプテン」を務めるのは人生で初めてという。

「しゃべるのが上手じゃないので」と謙遜する大松澤。「なのでいつも、お願い、誰かよろしくと、避けてきました」と笑う。ただ、チームが3年連続でプレーオフ進出を果たしながら。その壁を超えられなかった昨シーズンの終わりごろから、少しずつ彼女の中に自覚が芽生え始めた。

「アランマーレが今後どんなチームになっていくんだろう、と考えたとき、自分がキャプテンをやるべきなんじゃないかなと思っていたところはあって。でも、自分からやりますと言う、そこまでの自信はなくて」

そんな時だった。福田丈ヘッドコーチから直々に声がかかった。「丈さん(福田丈ヘッドコーチ)から、ナツ(大松澤のコートネーム)、今シーズンのキャプテンどう?って言われて」。「声をかけてくださるということは、その素質が私にあるということかな、と思って。それが自分の自信にもなって。私がやりますということで、引き受けました」

プレーオフの壁、今度こそ砕く

昨シーズンのラストゲームだった2025年6月14日のプレーオフ準決勝。北國ハニービー石川戦は、振り返ると今も胸が締め付けられる、苦い敗戦だった。

大松澤自身も得点を重ねた前半は最大6点リードのスタートダッシュに成功した。まさにアランマーレ富山が主導権を握るイケイケの展開で滑り出す。ところが、ハニービー石川にジリジリと追い上げられて形勢は一変した。前半から12-16と逆転を許し、結局後半にも突き放されて24-36で敗れた。試合の入りが最高だっただけに、逆に大失速したアランマーレのもろさが際立つ後味の悪いゲームになってしまった。

「ああいった試合は二度としたくない」と大松澤は振り返る。「波に乗れない時間帯に、切り替えられず、起き上がれなかった。そこが、私たちのウィークポイントだとはっきりした」

陽キャラとプレーで引っぱる決意

だからこそ、新キャプテンとして意識することがある。

「自分は明るい性格だし、気持ちを素直に表現できるタイプ。チームがマイナスに傾いた時間帯には、つらい時にも率先して明るく振る舞っていきたいです。無理やりでも、おおげさでも、点を決めたときはうれしいんだ!と喜びを表現するようにして。そうすれば、心に体が追いついてくる」

「そしてもちろん、チームが停滞している時には、個の力で打開したい。プレーでチームを引っ張っていきたい。少ないと思われるかもしれませんが、1試合最低5点は取っていきたいですね」

アランマーレを昨シーズン限りで退団し、競輪選手を目指すと表明した前キャプテンの菊池杏菜さん(26)はキャプテンのバトンをつないだ大松澤を「普段はとても思いやりのある優しい性格だけど、コートで覚醒した時の彩夏(あやか)は最強」と評す。「キャプテンになって周りをどう引っ張っていくかとても楽しみですし、キャプテンの重圧を自分自身の力に変えてがんばってほしい」と、エールを送った。

チームが困ったとき、個の力と明るい振る舞いで打開したいという新キャプテンの大松澤=リーグH提供
チームが困ったとき、個の力と明るい振る舞いで打開したいという新キャプテンの大松澤=リーグH提供

秋山が加入、横嶋彩も復帰で戦力充実

今季のアランマーレ富山は積極的な補強が目を引いた。北國銀行(現ハニービー石川)で5シーズン、主力として活躍し、ハンガリーで3シーズンを過ごした日本代表のRW秋山なつみ(31)が新加入した。さらに、昨シーズンは結婚、出産のため、登録を抹消していた元日本代表のエースCB横嶋彩(35)も復帰した。

「秋山さんはシュートの繊細さ、特に速攻のなかでの判断力はトップクラス。ちゃんとキーパーをみて、だまして、反応しづらいところに打ってるなと感心します。そして彩さん(横嶋)も戻ってくる。こんなに心強いことはないです」と大松澤。ライバルのハニービー石川のことを熟知し、日本代表の「先輩」でもある2人から、新キャプテンの大松澤は「経験」という力をもらうだろう。

さらに、筑波大出身でHC名古屋からLW徳田百合子(25)、中京大学出身で三重バイオレットアイリスからRB菊地美羽(25)の新戦力も加わった。

記者会見で「固定メンバーではなく、色んなメンバーがコートに立つのがアランマーレの特徴。注目してほしい」と話す大松澤=リーグH提供
記者会見で「固定メンバーではなく、色んなメンバーがコートに立つのがアランマーレの特徴。注目してほしい」と話す大松澤=リーグH提供

「1試合を通して固定したメンバーだけではなく、色んなメンバーがコートに立つのがアランマーレ。次はどんな選手がどんなプレーをするのか、そんなワクワク感も抱いていて注目していただけたら」と大松澤。背番号17の新キャプテンが率いる「ハッピーハンドボール」のその先に、悲願の「日本一」が見えてくる。

アランマーレ富山の開幕戦は9月6日(土) 14:00、マエダハウジング東区スポーツセンター(広島)でイズミメイプルレッズ広島と対戦する。ホーム開幕戦は9月13日(土) 13:30、アルビス小杉総合体育センター(富山)でザ・テラスホテルズ ラティーダ琉球を迎え撃つ。

本人のInstagramより

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