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【バドミントン】古賀穂、ほろ苦サイパンを糧に | ROAD TO LA 2028

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きょう2025年8月15日、サイパンから日本へ予定を早めて帰国します。ここサイパンで出場した2大会ではいずれもベスト16で負けてしまいました。

今春、6年間在籍したNTT東日本を退社して独立、プロバドミントン選手になってから初めて出場したBWF(国際バドミントン連盟)主催の大会で優勝を目指していましたが、改めてひとりで勝つことの厳しさ、環境に対応していくことの難しさを感じました。

試合後に大会のライブ配信カメラに向かって気持ちを込めてお辞儀したのは、Youtubeで試合を見てくださった方や、SNSやLINEで応援メッセージをくださった方から力をいただき、ひとりじゃない、と感じられたから。本当にありがとうございました。

目次

ひとりのしんどさ

試合会場のコートの表面は滑りやすく、汗で濡れるとモップが入り、ポイントが入るたびに試合が止まりました。空調による送風の影響でシャトルの軌道が変わったり、会場壁面の液晶ビジョンでシャトルが見えにくかったりもしました。ただ、これは他の選手も条件は同じです。言い訳はできません。

それよりも、改めて痛感したのは(これは最初からわかっていたことですが)「ひとり」であることのしんどさ、でしょうか。マネージャーも練習パートナーもいなければ、移動もウォーミングアップもひとり。

試合中に後ろから見てくれるコーチもいないので、客観的な助言を取り入れることができず、試合中の修正は自分の視点だけが頼りでした。相手にポイントが入れば、チームメイトやパートナーがいる相手コートで歓声が上がり、相手が勢いづきました。

コートを離れても、次の大会に出場するための旅行会社や大使館、現地協会とのやり取り、交渉、手配などに忙殺されます。当然ですが、雑務もすべて自分でこなさなければなりません。そうこうしているうちに日が暮れて、きょうの晩御飯どうしようか、という心配もひとりで…。

大会期間中、サイパンの市街地ガラパンの和食レストランKINPACHI海坊主に出かけることもありましたが、一番安くてもサバの塩焼き定食で10米ドルはします。毎日は行けません。今回のサイパン遠征は約50万円ほどの費用が掛かりました。サイパン最後の夜は、日本から持参した非常食のアルファ米をホテルの部屋で食す「孤独のグルメ」になりました。

ホテルの朝食を感謝して食べる古賀穂選手

振り返れば、2大会を通じて接戦で敗れた相手にも本来の実力では負けていないと思えます。ただ、少し実戦間隔が空いたことで試合勘が鈍っていたことや、プロ転向後「ひとり」の環境にまだ慣れていないこともあり、それによって微妙にコンディショニングに影響したのかもしれないという反省があります。(下に記事が続きます)

次戦はアフリカ・ナイジェリア

プロバドミントンプレーヤーとして最終的に3年後のロサンゼルス五輪出場を目指すこと。それは人生をかけた決断、挑戦です。くよくよしたり、落ち込んでいる暇はありません。一度日本に帰国して、サイパンでの反省や悔しさを糧に前へ進みます。次戦は8月27日開幕のアフリカ・ナイジェリアでのIC(インターナショナル・チャレンジ)Lagos International Classics 2025へ向かいます。(本人談、つづく)

古賀 穂(こが・みのる)プロバドミントンプレーヤー。1996年9月30日生まれ、福岡市出身。13歳で親元を離れ、福島の富岡第一中、富岡高校で技を磨き、早稲田大を経て、6年間所属したNTT東日本を2025年春に退社。男子シングルスで小、中、高校、大学、社会人の各世代で日本一に。2013年アジアユースゲームズでは山口茜と組んで混合ダブルスの金メダルを獲得した。2028年ロサンゼルス五輪バドミントン男子シングルス出場を目指し、日本男子として初となるメダル獲得を狙う。166センチ、左利き。AC長野パルセイロ・バドミントンクラブ所属。座右の銘は「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

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