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【バレーボール】ペルージャ会長「日本のファン大歓迎」目指すのはインクルージョン | 単独インタビュー

ミラノ戦前のセレモニーでカメラに収まるジーノ・シルチ(Gino Sirci)会長(左から2番目)。右隣はペルージャのヴィットリア・フェルディナンディ(Vittoria Ferdinandi)市長=2025年2月16日、提供:写真提供:Lega Pallavolo
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ペルージャの勝利の余韻とファンの熱気が立ち込めるホームアリーナのパラ・バルトン。勝利を祝う恒例のカラーテープがまだコートのいたるところに落ちていた。

2025年2月16日、バレーボール男子イタリアリーグ1部(セリエA)は、途中出場の石川祐希が試合の流れを引き寄せたペルージャがミラノを3-1で振り切って勝利。その興奮冷めやらぬコートに、ペルージャのオーナー、ジーノ・シルチ(Gino Sirci)会長の姿があった。選手ひとり一人に声をかけ、VIPをもてなした後、審判やスタッフ、警備員ら試合運営に関わった人々に目くばせしてねぎらうシルチ会長。試合終了から1時間以上が経ってもオーナー自身が試合に関わるすべての人に感謝を伝え歩く光景が印象的だった。シルチ会長はロレンツェッティ監督としばし話し込んだ後、私たちのもとに歩み寄った。(取材・執筆=原田亜紀夫、通訳=中山久美子)

目次

ツアー歓迎「よい経験に」

ペルージャのチーム本部もあるアッシジ郊外のSIR SAFETY SYSTEM(シル・セーフティ・システム)社で歓待を受けるPen&Sports[ペンスポ]ツアー=2025年2月15日、シルチ会長の自撮り写真
ペルージャのチーム本部もあるアッシジ郊外のSIR SAFETY SYSTEM(シル・セーフティ・システム)を訪ねたPen&Sports[ペンスポ]ツアー参加者とシルチ会長=2025年2月15日、提供:シル・スーサ・ヴィム・ペルージャ(Sir Susa Vim Perugia)

「このたびは日本からわざわざ来ていただきありがとうございます。クラブとしてもいい経験になり、すばらしいプロモーションになりました」。シルチ会長は言った。

感謝を伝えなければならないのはこちらの方だ。ペルージャは今回、日本からの応援ツアーをクラブ史上、初めて受け入れた。私たちPen&Sports [ペンスポ]が企画、旅行会社のパーパスジャパンが募集した35人のツアー客はペルージャの全面協力のもと、この上ないもてなしを受け、極めて特別な待遇を受けた。

日本発応援ツアー 投げキッスで歓迎

試合前日には、ペルージャのチーム本部があるアッシジ郊外のSIR SAFETY SYSTEM(シル・セーフティ・システム)社に招かれた。この会社を経営するシルチ会長自らが投げキッスをしてツアー客を迎え、これまでチームが獲得した数々のトロフィーを披露してくれた。

SIR SAFETY SYSTEM(シル・セーフティ・システム)は、シルチ会長自らが1979年に創業した建設・工事現場などで使われる作業服・安全靴メーカーだ。「危険な作業をする人を守る」というコンセプトで創業から40年あまり、一代で国内シェアトップ、世界30か国に流通するウンブリア州を代表する企業に成長させた。

バレーボールとの縁は2002年、シルチ会長の息子が、当時セリエCのバスティア・ウンブリアのアンダーカテゴリー入団してスポンサーになったのがきっかけというから、私たちはまさに世界屈指のチームに成長したペルージャの「ルーツ」を見ることができた。(下に記事が続きます)

イタリア全国紙も「ツアー」を報道

バルトンパークに移動してからは、チームスポンサーでもあるビストロでランチが企画された。そこでは、家族を連れたリベロのマッシモ・コラチやOH二コラ・チャンチョッタが偶然入店してきて、ツアー客と同じ空間で食事するというサプライズもあった。

パラ・バルトンではトレーニングルーム、ビデオ・ミーティングルームなど一般のファンは立ち入れないバックヤードを見学。チーム練習前にはコートに降り立ち、ボールに触わることもできた。そしてそんなツアーの様子は、地元紙はもちろん、イタリアの全国紙ガゼッタ・デロ・スポルトでも取り上げられた。

みんなから愛されるチーム

シルチ会長 「ペルージャはみんなから愛されているチーム。ファンもイタリア全土、世界中にいます。なので地元紙だけではなく、全国紙もペルージャを取り上げるんです」

「今回は日本から35人の方に来てもらえましたが、私たちはもっと来てもらってもいいですよ。本社のシアターは150人は入れますし、レストランもある。観戦チケットも何とかなる。たくさんの人にペルージャの試合を見てもらうことは幸せなことですし、僕たちがしっかりとスポーツの運営ができるんだということを世界に示すことにもつながりますから」

「きょうの試合は4,300人の観客でしたが、ホームは最大で5,000人入る。そうなるともっともっと、盛り上がります。(太鼓が鳴り響き、応援歌やチャントが絶えず、応援旗がゆらめく)応援は日本でもこんな感じですか?ああ、日本人はもともとおとなしいからね…笑」

ミラノ戦後、ペルージャの選手たちと記念写真に収まったペンスポツアー一行
ミラノ戦後、ペルージャの選手たちと記念写真に収まったペンスポツアー一行=2025年2月16日、原田写す

「もっともっと勝ちたい」

ビジネスで成功し、ペルージャという世界屈指のクラブのオーナーでもあるシルチ会長。次なる野望は何か最後に聞いた。

シルチ会長 「僕は、バレーボールでもっともっと勝ちたい。イタリアの中で一番強いチームであり続け、ヨーロッパのチームにも、日本のチームにももちろん勝ちたいですね」

「そして、バレーボールを通じて、みなさんをインクルージョン(受け入れ、包含)したい。わかっていただきたいのは、イタリア人は外から来る方を本当に大事に思っているということ。バレーボールを通じて世界が交流し、バレーボール業界全体が発展するように、これからも努めていきます」

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