バレーボール男子のイタリアリーグ1部セリエAは2024年10月27日(日本時間10月28日)、レギュラーラウンドの第5節が各地であり、日本代表の石川祐希が所属するペルージャは敵地で昨季レギュラーシーズン1位のトレンティーノに3-1(19-25,25-22,26-24,25-19)で逆転勝ちし、開幕5連勝を果たした。今季無敗同士の対戦を制して12チーム中首位に浮上した。ベンチスタートのOH石川は第1セット中盤の11-16の場面から途中出場し、試合終了までプレー。3試合ぶりに長時間コートに立ち、15得点でチームの勝利に貢献した。4本のサービスエースを含む両チームトップの28得点を挙げたOHオレイ・プロトニツキが2試合連続でMVPを獲得した。
勝負を分けたのはサーブ
開幕5試合目にして、今季のセリエAの行方を占うまさに前半戦の山場の一戦だった。
リーグで4勝0敗同士の首位攻防戦。4,000人収容の敵地アリーナでチケットが完売した注目の試合は、地力で上回るペルージャが5連勝で首位に抜け出した。
勝負を分けたのは紛れもなく、サーブだ。石川が安定したサーブレシーブで貢献したこともあり、トレンティーノのサービスエースはわずか1本だったのに対し、ペルージャは9本(プロニツキ4、ロセル3、ベンタラ1、ルッソ1)をマークした。
アタックによる得点は54:52とほぼ互角。ブロックの得点は逆にトレンティーノが12でペルージャの10を上回っただけに、ペルージャのサーブがいかに効いたかがわかる。(下に記事が続きます)
プロトニツキの連続エース
圧巻だったのはセットカウント1-1で迎えた第3セットのプロトニツキの連続エースだ。14-17と3点リードを許した場面から、2連続を含む3本のサービスエースなどで18-17と逆転に成功。ダンスのような独特のステップから放つサウスポーのジャンピングドライブをきっかけに、このセットを死守できたのがこの日のペルージャの勝因だ。
第1セット途中から出場した石川もエースこそなかったものの、強力なサーブで相手ディフェンスを崩す場面が多かった。本人も「意図を持ってサーブを打つときの方が、いいサーブが打てる」と自叙伝『頂を目指して』(徳間書店)で語っている通り、この日のサーブには攻撃の手を封じたい相手を冷静に狙う「攻撃は最大の防御なり」の意図がいつも以上に見えた。
腰痛の兆候が出ていたコンディションも、プレーを見る限り問題はなさそうだ。
ペルージャにとっては9月のスーペルコッパ決勝でフルセットの末に勝利して以来のトレンティーノとの再戦でもあった。その試合で活躍した絶対的司令塔のジャンネッリが腹筋を痛めて欠場となったが、その苦しい台所事情でも首位攻防戦を勝ち切れたことも大きい。代わりに先発したセカンドセッターのフランチェスコ・ゾッペラーリの2セット目以降の「修正力」もペルージャにとっては確かな上積みだろう。
セリエA順位表[2024.10.27現在]
順位 | チーム | 勝点 | 試合数 | 勝 | 負 |
---|---|---|---|---|---|
1 | ペルージャ | 14 | 5 | 5 | 0 |
2 | ピアチェンツァ | 14 | 5 | 5 | 0 |
3 | トレンティーノ | 12 | 5 | 4 | 1 |
4 | ヴェローナ | 11 | 5 | 4 | 1 |
5 | チヴィタノーヴァ | 9 | 5 | 3 | 2 |
6 | パドヴァ | 7 | 5 | 2 | 3 |
7 | モデナ | 6 | 5 | 2 | 3 |
8 | ミラノ | 6 | 5 | 2 | 3 |
9 | ターラント | 6 | 5 | 2 | 3 |
10 | モンツァ | 2 | 5 | 1 | 4 |
11 | グロッタツォリーナ | 2 | 5 | 0 | 5 |
12 | チステルナ | 1 | 5 | 0 | 5 |
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コメント一覧 (2件)
モンツァって去年高橋藍選手がいた所ですよね!
洋一さん、コメントありがとうございます。その通りです!高橋藍選手はモンツァのチームメート、ファンにとても愛されていました。ヨーロッパ最大級の公園、モンツァ公園があり、街もとても素敵でした。