バレーボール男子のイタリア・セリエAは2024年3月3日(日本時間4日未明)、各地でレギュラーシーズンの最終第22節があり、日本代表エースの石川祐希が所属するミラノはホームでペルージャと対戦し、セットカウント3-2(25-22,25-27,17-25,25-23,15-13)のフルセットの末に勝利した。石川はチームトップの20得点を挙げ、この試合のMVPに選ばれた。ミラノはこの試合の結果により、レギュラーシーズン6位が確定。上位8チームが出場するプレーオフで3位ピアチェンツァと対戦する。(協力:エバー航空)
石川20得点「勝ち切れてよかった」
ジェットコースターのような試合展開の末にミラノがペルージャを振り切った。「ペルージャとは毎回フルセットになりますが、しっかりと勝ち切れてよかった」とミラノを牽引した石川。レギュラーシーズン最終戦でチーム最多の20得点を挙げ、文句なしのMVP。アリアンツ・クラウドの5400人の観衆を熱狂させた。
石川はこの日、序盤から飛ばした。勝敗やセットカウントによっては、レギュラーシーズンの順位が変動し、中2日で行なわれるプレーオフ準々決勝の相手も変わる。試合開始からどうしても勝ちたい、一つでもミラノの順位を上げたいという気持ちが、ほとばしっていた。
第1セット。レフトからのスパイクで最初の得点を挙げると、サーブを起点に3連続ブレークで突き放す。相手の意表を突くバックアタックや、3枚ブロックをかいくぐるクロスも決まり、流れはミラノ。セットポイントも石川のノータッチエースで奪い、難なく第1セットを先取した。
レグルス「ユウキがチームにスイッチ」
しかし、能力が高いタレントぞろいのペルージャが対抗する。元キューバ代表で現ポーランド代表のレオンの強力なサーブで崩される場面が増えるにつれ、石川のスパイクも精度が落ちた。第2、第3セットを立て続けに奪われ、追い込まれた。
イタリア9年目、石川の真骨頂はそこからだ。第4セットは石川のサービスエースを皮切りに主導権を握り、味方が得点を挙げるたびに、声を上げ、手をたたいてチームを引き締めた。要所では石川がコートでチーム全員を呼び寄せて、ひとり一人の目を見て声をかけた。OPレグルスはその瞬間を「戦術確認と、ユウキがチームにスイッチ入れ直す意味の両方がある」。石川率いるミラノが紙一重で最終セットをものにした。
来季「自分から話すことない」
昨シーズンのプレーオフは3位決定戦で敗れて4位。それでもミラノとしての過去最高の順位で、石川自身にとっても過去8年で最上位の成績だった。「目標はまず準々決勝に勝って準決勝に進むこと」というが、今季はそれ以上の成績を狙っている。
この日対戦したペルージャは、宿敵でありながら、石川が、来季移籍が取りざたされるチームだ。来年の今ごろはどこでどんなプレーをしているイメージか?と問うと、「勝手に周囲がざわついている。自分からは何も話すことはありません」と話した。4年目のミラノで高みを目指すことに集中している。
高橋藍のモンツァ、シーズン5位
日本代表の高橋藍が所属するモンツァはラティーナに3-0(25-22,25-22,25-18)のストレートで快勝。レギュラーシーズンは5位が確定し、プレーオフ初戦は4位のチビタノーヴァ(ルーベ)との対戦が決まった。高橋藍は途中出場、5得点を挙げた。
プレーオフ準々決勝は4試合とも3月6日に始まる。
セリエA 1順位表
順位 | チーム | 試合 | 勝 | 負 | 勝ち点 |
---|---|---|---|---|---|
1 | トレンティーノ | 22 | 19 | 3 | 55 |
2 | ペルージャ | 22 | 16 | 6 | 51 |
3 | ピアチェンツァ | 22 | 13 | 9 | 43 |
4 | ルーベ | 22 | 15 | 7 | 40 |
5 | モンツァ | 22 | 13 | 9 | 39 |
6 | ミラノ | 22 | 12 | 10 | 38 |
7 | ヴェローナ | 22 | 13 | 9 | 36 |
8 | モデナ | 22 | 11 | 11 | 27 |
9 | チステルナ | 22 | 7 | 15 | 23 |
10 | パドヴァ | 22 | 8 | 14 | 21 |
11 | ターラント | 22 | 3 | 19 | 14 |
12 | カターニア | 22 | 2 | 20 | 9 |
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