【バレーボール】ペルージャ盤石、セカンドセッター起用で4連勝。石川はベンチスタートで1得点

バレーボール男子のイタリアリーグ1部セリエAは2024年10月20日（日本時間10月21日）、レギュラーラウンドの第4節が各地であり、日本代表の石川祐希が所属するペルージャはホームで垂水優芽所属のチステルナにセットカウント3-1（19-25,25-15,25-16,25-18）で逆転勝ちし、4連勝とした。開幕からの4連勝は、トレンティーノ、ピアツェンツァ、ペルージャの3チーム。ペルージャは勝ち点の差で第4節を終えた時点で3位につけている（この記事の末尾に順位表あり）。チステルナと新昇格のユアサ・バッテリー（グロタッツォリーナ）はまだ開幕から勝ち星がなく4連敗。ペルージャの次戦は10月27日（日本時間10月28日）、トレンティーノとの全勝対決へ敵地に乗り込む。

日本人対決は「ニアミス」

この日、スターティングメンバーを外れたペルージャの石川はチステルナにリードを許した第1セット途中の3-8の場面から出場。6-11の場面でスパイクを決めた。第1セット中盤までコートに立ったが、得点はこの1点にとどまった。

一方、チステルナの垂水は第2セット途中の10－18の場面でチームメートのOHエファ・バイラム（トルコ）が顔を負傷してベンチに下がった際に交代でコートイン。第3、第4セットも途中から出場し、第4セットの14－18の場面でバックアタックを決め、1得点を挙げた。石川と垂水が同時にコートに立つことはなかった。(下に記事が続きます)

セッター、ゾッペラーリが初先発

ペルージャはこの日、腹筋を痛めたという正セッターのジャンネッリを温存し、新加入のセカンドセッター、フランチェスコ・ゾッペラーリ（イタリア）が司令塔を務めた。OPベンタラが両チーム最多の21得点。第4セットに3連続サービスエースを決めるなどベンタラに次ぐ20得点を挙げたOHプロトニツキがMVPを獲得した。

ペルージャに二つの収穫

ペルージャにとって3-1の結果以上に収穫がある勝利だった。収穫は主に二つある。第一にチームの絶対的司令塔であるジャンネッリを休ませ、セッターに今季パドヴァから加入したゾッペラーリを使って勝ち切ったこと。第二にスーペルコッパで肉離れをして前節から実戦復帰したOHプロトニツキが、完全復調を見せて活躍したことだ。

相手は今季まだ未勝利の格下、チステルナとはいえ取りこぼしは許されない。この日スタメンに抜擢されたセッターのゾッペラーリは第1セットにローテーションエラーを犯す凡ミスがあったものの、まずは個人技で躍動した。

石川のアタックがアウトになって11－18となると、すかさず自身のアタックでポイントを取り返す。14－20からはサービスエースを連続で決めた。第2セット以降はトスワークも安定し、MBロセル、ルッソを随所で生かしながら、ベンタラ、プロトニツキ、セメニウクらに気持ちよく打たせた。ひときわ目立つスキンヘッドが9m四方のコートを縦横無尽に走り回って上げるトスは、ジャンネッリとはまた別のテンポを奏でていた。

試合を決定づけたのはMVPのプロトニツキだ。13－14ともつれかけた第4セット、唸るサウスポーから繰り出すサーブで3連続エース。ここでチステルナを振り切った。

プロトニツキは石川とチーム内でスタメン争いをする立場だが、石川との友情は厚い。10月17日には自身が負傷したスーペルコッパでMVPを受賞した石川に敬意を表して「富士山という名の日本刀」を贈るセレモニーの様子がチームから動画で発信された。

🎁 “Yuki questo è per te…” 🥹#goSir #BlockDevils #volleyball pic.twitter.com/s1jw9jRDEh

— Sir Safety Perugia (@SIRVolleyPG) October 17, 2024

「富士山は日本で一番高い山だろう?　ユーキも日本で一番高いところへ行けるように」との願いを込めたというギフトの発案はプロトニツキ本人だったという。

来月からは欧州チャンピオンズリーグにも参戦するペルージャは今後の過密日程を総力戦で戦うことを見据える。もっと石川のプレーを見たい気持ちはあるが、ペルージャは誰が先発しても高いレベルで連携し合うチーム作りの初期段階でもある。この日のセカンドセッターのゾッペラーリの活躍と、プロトニツキの完全復調は長丁場の今シーズンに、必ず生きてくる収穫となっただろう。

セリエA順位表[2024.10.20現在]

順位	チーム	勝点	試合数	勝	負
1	トレンティーノ	12	4	4	0
2	ピアチェンツァ	12	4	4	0
3	ペルージャ	11	4	4	0
4	ヴェローナ	8	4	3	1
5	チヴィタノーヴァ	6	4	2	2
6	ミラノ	6	4	2	2
7	パドヴァ	6	4	2	2
8	モデナ	3	4	1	3
9	ターラント	3	4	1	3
10	モンツァ	2	4	1	3
11	グロッタツォリーナ	2	4	0	4
12	チステルナ	1	4	0	4