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【バレーボール】ヴェローナの浅野博亮さん、コーチ修行2年目「やりがいある」

元日本代表OHで、現在はイタリア・ヴェローナでコーチ修行中の浅野博昭さん=2026年2月1日、中山写す
元日本代表OHで、現在はイタリア・ヴェローナでコーチ修行中の浅野博昭さん=2026年2月1日、中山写す
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イタリア男子バレーボール・スーペルレガで2025-2026シーズン、2026年2月16日現在で首位ペルージャに4ポイント差の2位につけ、2月のコッパ・イタリアでは創部5年目で初優勝を果たしたヴェローナ。そんな大躍進のクラブに、日本人スタッフがいる。ジェイテクトSTINGS愛知でプレーし、元日本代表のアウトサイドヒッターだった浅野博亮(あさの・ひろあき)さん(35)だ。2021年の現役引退後に一度会社員に戻ったが、「やはり指導者の道を」と2024-2025シーズンからヴェローナにコーチ研修に来ている。イタリア生活も2年目、クラブでの役割やヴェローナの躍進について話を聞いた。

目次

公式データ作成、ケイタにアドバイスも

試合ではミーティングに活用されるデータを集めて資料を作成する=写真提供:Verona Volley/Benvenuti
試合ではミーティングに活用されるデータを集めて資料を作成する=写真提供:Verona Volley/Benvenuti

コーチ研修2年目の今季、浅野さんはどのような活動をしているのだろうか。

「昨季は合流したのが11月と遅かったので、球拾いしたりサーブしたりと練習のサポートだけでした。今季は8月からイタリアに来て、監督が合流するまでみんなで練習を考える時に、日本の練習方法を教えたりもしました。日本のレシーブは評価されているので、監督が合流してからも午前の基礎練習の時に続けて取り入れてもらっていました」

練習ではソーリ監督にその場で「アサノ、やって」と急にふられることもあり、日本式練習方法をベースにアレンジを加えた練習方法をいまも採用してもらっているのだとか。シーズン当初はレセプションに課題があるケイタの傍らにつき、実際にコッパ・イタリアの試合前練習でも、ケイタが浅野さんにレセプションのアドバイスを仰ぐ姿を見かけた。

昨季は提出した自由レポートを監督が参考にした程度だった。しかし今季は、チームの公式データ作成という新しい役割を得た。

「最初は相手のサーブ、レセプションの分析、ミドルブロッカーの分析に至るまでかなりボリュームのあるものでした。しかしさすがに僕一人では手が回らなかったので、今は相手のサーブの分析を毎週試合前の資料として作って、それを基にサードコーチと監督がビデオミーティングの内容を考えています」

それをフォーマット化したものをコーチングスタッフみんなで使用している。「公式に使うものを自分の手でやらせてもらって、やりがいがあります。やっとコーチらしいことができている」と、その表情は明るい。

ボール練習では球出しも担当=写真提供:Verona Volley/Benvenuti
ボール練習では球出しも担当=写真提供:Verona Volley/Benvenuti

ヴェローナの町、自転車ですいすい

寒さもなんのその!自転車でヴェローナの町を動き回っている=2026年2月1日、中山写す
寒さもなんのその!自転車でヴェローナの町を動き回っている=2026年2月1日、中山写す

昨季から取り組んでいるイタリア語も、日常会話では困らないくらいには上達した。チヴィタノーヴァ戦を翌日に控えた練習の後に一緒に食事に行ったが、おいしくて通っているハンバーガー屋台に連れて行ってくれた。スタッフにも顔を覚えられ、スムーズに注文もこなす。

「それでもバーっとしゃべられると全く分からないですし、雑談はまだできないです」と言うが、身近なスタッフには頑張ってイタリア語で話しかけるようにしている。難しくなると英語に戻るが、そんな姿勢に周りの人たちも協力的でイタリア語を教えてくれるそうだ。

仕事の場でも名前で呼び合うのがイタリア社会。しかしみんなは「アサノ」と呼ぶ。

「下の名前からヒロと呼ばれていたのですが、今季加入のジローニの愛称がジロ。そしてイオ(僕)という単語も良く使うので、ヒロ、ジロ、イオ、と混乱し始めたんです。なので今はアサノが定着しました」とその訳を教えてくれた。

車を持たないため、昨季はどこにいくにも公共交通機関を使うか徒歩だった。中心街からも離れていたためにアリーナ以外の外出は困難だったそうだ。しかし今季は歴史的地区内のアパートに転居したため、気軽に外出してヴェローナを満喫し、さらに自転車という最高のパートナーを手に入れた。防寒さえしっかりすれば、冬の寒い日も夜遅い試合後でも、自転車でどこにでも行ける。私生活も充実している。(下に記事が続きます)

ソーリ監督は「参考になることだらけ」

アシスタントコーチのマルケザンとコッパ・イタリア優勝後のコートにて=2026年2月1日、中山写す
アシスタントコーチのマルケザンとコッパ・イタリア優勝後のコートにて=2026年2月1日、中山写す

昨年のコッパ準優勝という躍進に続き、今季はリーグでもトップ争い、そしてコッパで優勝し、クラブ史上初の栄冠をつかんだヴェローナ。そんな成長をどのように見ているのだろうか。

「まずクリステンソンの加入がなんと言っても大きいです。コートの外から見ていると、どんなセッターでも『なぜそこに上げる?』とセットに疑問を持つ時がありますが、マイカ(クリステンソン)にはそう思うことがない。レベルが違います」。メンタル的にも若い選手をまとめる役割を担い、彼の存在がポテンシャルが高くても波が大きかったチームの安定性につながっている。

ヴェローナで4季目を迎えたケイタの成長も著しい。アドバイスを素直に受け取って細かい修正を積み上げ、課題であったディフェンスにも積極的に取り組んでいる。なによりも「自分がやる」という責任感が感じられるそうだ。

トレンティーノでチャンピオンズ・リーグとスクデットを制したソーリ監督についてはこう話す。

「データと知識の量がすごい。感情的にならず論理的に話すので、とても説得力があります。練習メニューから選手への言葉がけまで、ピーキング(試合にピークを持っていく調整)が素晴らしい。決して選手のモチベーションを下げることなく、試合前の話し方はぐっとひきつけられます。今の自分にはハイレベルすぎますが、参考になることばかりです」

今季終了後についてはまだ白紙だが、この2年のかけがえのない経験は必ず役に立つと確信している。そしていつかまた、プロのコーチとして海外にでることがあれば、と目を輝かせるが、「ヴェローナが大躍進するこの2年に研修に来られたのは、幸運としか言いようがない。今季最後まで、悔いのないように過ごしたい」とまずはこの3か月に集中する。

次の優勝をかけた戦いは2月28日のスーペルコッパ。準決勝でヴェローナは連敗をしているチヴィタノーヴァと再戦する。浅野コーチは「チヴィタノーヴァはサーブの効果率とブロック力が高い。そしてニコロフが二段トスでもガンガンに打ってくるので、ダルラン、ケイタを筆頭に、みんなが今まで以上にサーブで攻めるのが必要」と分析する。

ヴェローナのシーズンの行方とともに、チームの躍進を支える浅野さんの活動にも引き続き注目していきたい。

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