MENU
ニュースレターに登録する

「今週の1本」やイベント案内など、スポーツの風をお届けします。

個人情報の扱いはプライバシーポリシーをご覧いただき、同意の上でお申し込み下さい。

【卓球】日本女子、中国破りV | 新聞1面で伝えてほしかった大金星

卓球のアジア選手権女子団体決勝で孫穎莎(中国)に競り勝った日本の張本美和(左)=2024年10月9日、写真:VCG/アフロ
  • URLをコピーしました!

日本時間の昨日、2024年10月10日の未明のことでした。卓球のアジア選手権(カザフスタン・アスタナ)の女子団体決勝で日本が中国に3-1で競り勝って優勝するという、目の覚めるようなニュースが飛び込んできました。すべてのスポーツニュースをリアルタイムで追うことは難しいことですが、私は元卓球日本代表で解説者の平野早矢香さんが10日午前1時19分に日本が2-1になった時点の試合経過を伝えるXのツイートで察知。これはすごいことが起こるかもしれないと胸騒ぎがしました。

中国が出場した大会で日本が優勝するのは、1974年のアジア選手権(横浜)以来のことで、まさに50年ぶりの大金星。卓球ファンなら周知の事実ですが、日本女子は五輪や世界選手権でこの半世紀、ことごとく選手層の厚い中国の高すぎる壁に阻まれてきた歴史があります。今夏のパリ五輪決勝でも0-3で完封されて全く歯が立ちませんでした。今回の中国はパリ五輪団体金メダルメンバーのうち陳夢と王曼昱が不在でしたが、世界ランク1位の孫穎莎などの強力布陣に変わりありませんでした。(下に記事が続きます)

目次

歴史を動かしたのは16歳張本

団体はシングルス5試合で争われ、先に3勝したチームが勝利します。日本優勝の立役者はパリ五輪代表、16歳の張本美和でした。張本は第1試合で世界ランク4位の王芸迪にフルゲームの末、まず先勝。続く伊藤美誠(同9位)は世界ランク1位の孫穎莎にストレートで屈したものの、第3試合では平野美宇(同12位)が世界6位の陳幸同にゲームカウント3ー2で勝って王手に持ち込みます。そして再び張本。第4試合で孫穎莎に0-2と追い込まれながらも、そこからラリーでの打ち合いを制して大逆転で優勝を呼び込んだのです。

1面級のニュースでは

この卓球日本女子の「歴史的な勝利」の価値をどう判断するか。私が新聞社のスポーツ担当デスクなら、文句なしに「これはすごいニュースです。1面です!」と主張したでしょう。しかし11日付の全国紙各紙朝刊を開いてズッコケました。

読売はスポーツ面の見出し1段、朝日は2段の小さな雑報。毎日だけが、1面のインデックスで「卓球日本女子中国破りV」と紹介し、スポーツ面では4段の見出しを立てて写真付きで伝えました。各紙とも、パドレスとのプレーオフで2勝2敗に持ち込んだ「ドジャースの大谷」が「卓球日本女子の50年ぶりの大金星」よりも優先されてスポーツ面のトップ記事でした。

スポーツ紙各紙1面も「大谷、大谷、大谷」。サンスポだけが、通信機器を不正に使用していたとして同日付で騎乗停止処分を受けていた女性ジョッキーの藤田菜七子騎手(27)がJRA(日本中央競馬会)に引退届を提出していたニュースを1面トップで報じていました。

価値判断は各社それぞれ。でも、この日ばかりはまだ試合があるドジャース大谷よりも、あの中国女子に50年ぶりに勝った「卓球日本女子」にスポットライトを当ててほしかった。私はそう思いました。

ペンスポニュースレター(無料)に登録ください

スポーツ特化型メディア“Pen&Sports”[ペンスポ]ではニュースレター(メルマガ)を発行しています。「へぇ」が詰まった独自ニュースとスポーツの風を届けます。下記のフォームにメールアドレスを記入して、ぜひ登録ください。

個人情報の扱いはプライバシーポリシーをご覧いただき、同意の上でお申し込み下さい。

  • URLをコピーしました!

\ 感想をお寄せください /

コメントする

目次