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【野球】高校通算140本塁打 花巻東・佐々木麟太郎、米国の大学進学へ

佐々木麟太郎
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18歳の勇気ある決断にエールを送りたい。2023年10月26日のプロ野球ドラフト会議を前に、進路が注目されていた高校通算歴代最多の140本塁打を誇る花巻東(岩手)の佐々木麟太郎内野手(3年)が「現段階ではプロ志望届を出さずにアメリカの大学に行くことを考えている」と2023年10月10日に表明した。父である花巻東高の佐々木洋監督も「野球だけじゃなくて多くのことを学んでもらいたい」と息子の夢を後押ししているという。

目次

佐々木「トータルで人生を考えて決断した」

花巻東高OBには菊池雄星(ブルージェイズ)、大谷翔平(エンゼルス)らMLBで活躍する偉大な先輩がいる。父は「卒業生から聞いた話も判断材料の1つです」と説明しているというから納得だ。日本だけではなく、はたまた野球だけでもない。「広い世界で学んでいきたい。トータルで人生を考えて決断しました」と佐々木本人はきっぱり言った。体格も野球の実績も、考え方のスケールも大きいのだと、感心させられた。

下世話な話だが、ドラフト1位指名された場合、球団との契約金の相場は1億円。それに加え、高卒の場合、年俸は1,000~1,300万円が一般的だ。そんな目先の待遇には目もくれず、プライスレスな経験、学びに突き進んでいく。ドラフト候補としては前例があまりない、意外な進路表明をした佐々木麟太郎が頼もしく思える。

佐々木 麟太郎(ささき・りんたろう)高校通算本塁打で歴代最多の140本を誇る左のスラッガー。幼少時から江釣子スポーツ少年団で野球を始め、江釣子中では金ケ崎リトルシニアに所属し、エンゼルス・大谷の父・徹監督から指導を受けて力をつけた。父・佐々木洋監督が指揮を執る花巻東では1年春からベンチ入りし、2年春に甲子園初出場。2023年夏の全国高校選手権では準々決勝で仙台育英(宮城)に敗れた。2005年4月18日生まれ、岩手県出身の18歳。1メートル84、117キロ。右投げ左打ち。MLBで年間73本塁打の最多記録を2001年に打ち立てた「バリー・ボンズの打ち方を参考にしている」と公言している。

筆者も米国留学、人生を左右した

筆者自身も17~18歳の時、米国に留学した経験がある。詳しくはプロフィールに記しているが、その経験はその後の人生を大きく左右し、進路や職業選択の指針となり、30年以上たった今でも糧となっている。米国留学の経験がなければ、支えられてきた人とのつながりや、スポーツを取材し続けている自分もなかっただろう。

2016年リオデジャネイロ五輪開会式前のマラカナンスタジアムで取材する筆者

10代の感受性豊かな時期に異文化に触れ、日本を外から見る経験は何事にも代えがたい。そして、スポーツとともに勉学にも打ち込み、時に挫折や差別や異文化の摩擦を乗り越え、世界と交流することの素晴らしさを佐々木 麟太郎選手にも存分に味わってほしい。そして近い将来、メジャーリーグMLBで活躍する姿を観たい。

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