5月も終わります。今月も様々なスポーツシーンでアスリートが放つ、心が動く言葉に出会いました。勝っても負けてもアスリートが放つ言葉には思いがこもり、それに私たちは勇気づけられます。「ペンで、心を動かす」をミッションに掲げる”Pen&Sports” [ペンスポ] では毎月末、アスリートが語った印象的な言葉を独自に切り取り、お届けします。
もう一度信じて投げてみよう
ダルビッシュ 有(野球 / パドレス)
2024年4月30日、レッズ戦に先発、今季初勝利を挙げて
ダルビッシュは首の張りのため、16日ぶりの登板となった4月30日、5回を投げて3安打無失点に抑え、今季初勝利を挙げました。もともと投げていたスライダーですが、昨年ぐらいから投球の割合が落ちていたのを「もう一度信じて投げてみよう」と、この試合では多投しました。一度は離れたことに再び戻ることは、新しいチャレンジより勇気がいることだと思います。「もう一度信じる」が響きます。
ダルビッシュは復帰後は4連勝して5月19日、ブレーブス戦で史上3人目の日米通算200勝を達成しました。
目標である世界一のプレーヤーになれるチャンスが目の前にある
石川 祐希(バレーボール男子日本代表)
2024年5月16日、イタリア・セリアAの強豪ペルージャ移籍発表の記者会見で
バレーボールの石川祐希が来季(2024-2025)から、4季プレーしたミラノからペルージャに移籍することを発表しました。石川は中央大学1年時に短期留学したモデナを振り出しに、ラティーナ、シエナ、パドヴァ、そしてミラノとイタリアのチームを渡り歩いてきました。イタリアは来季で10シーズン目で、トップチームに登り詰めました。
日本のSVリーグからもオファーがあったと言いますが、ペルージャ入りを決めた理由として「僕にとっては数少ないチャンスだったので、そこに挑戦というか、目標を達成するために今回は決断しました」と話しました。目標とは「世界一のプレーヤーになる」。「数少ない」と表現したのは、めざす頂の高さを自身が一番、よく知っているからこそでしょう。フィジカル・メンタルとともに精進を重ねての10年、ここからが勝負、との思いでしょう。目標と同じぐらい高い思いの強さを持ち続けること、私たちも刺激を受けます。(下に記事が続きます)
挑戦できる、戦えるという状況にいることは幸せに感じた
三浦 知良(サッカー)
2024年5月21日、サッカーポルトガル2部・オリベイレンセでの今シーズンを終え帰国して
今季は公式戦5試合に出場、無得点に終わりました。それでも「ポルトガルで挑戦できる、戦えるという状況にいることは幸せ」という、コクのあるセリフで振り返りました。いくつになっても自分の道を自分らしく挑戦すること、リスペクトしかありません。
57歳の三浦は、来季でプロ40年を迎えることについて「たいしたもんだよ、カエルの小便、ですね、これ」と、映画「男はつらいよ」の寅さんのセリフで答えていました。
生まれ変わってもラグビーはしません
堀江 翔太(ラグビー / 埼玉パナソニックワイルドナイツ)
2024年5月26日、リーグワン決勝、現役最後の試合となった東芝ブレイブルーパス東京戦を終えて
今季限りでの引退を表明していた38歳は、「最後、負けてしまいましたけど。プロ生活15年間、本当に幸せな15年間でした。最高のラグビー人生を送れたと思います」とインタビューにこたえました。ラストゲームについて「最後どうなるか分からん試合で、最後はゲームのあやといいますが、最後の最後で運がついてこなかったというぐらいで、胸を張れるようなゲームだったと思います」。
ワールドカップに4大会連続出場した堀江は、日本代表としての活動を振り返って「もう嫌なプレッシャーに耐えなくていいなと思うと…ホッとするなという感じがします」と本音を吐露。「死ぬほど嫌なプレッシャー抱えて、きょうもロッカーに入りましたし、日本代表の戦いも格上ばっかりで、何とか勝たなあかんて自分を成長させてきて目の前のことを一生懸命やってきたのは非常に誇りに思います」。
締めくくりにラグビーファンに向けて「本当に悔いなくラグビー人生を終えることができて、もう生まれ変わってもラグビーはしません。十分、もう、それぐらい十分、ラグビーをしてきて、幸せなラグビー人生を歩んできたと思います。また次へ向けてひとつひとつ成長して頑張っていきたい」ときっぱり話しました。さわやかで、万感がこもっていて、胸が熱くなりました。
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