バレーボールの欧州ナンバーワンクラブを決めるCEV欧州チャンピオンズリーグは2024年12月19日(日本時間同20日)、各地で4回戦グループラウンド第4節、セカンドレグ第1戦があり、日本の石川祐希が所属するグループリーグD組のペルージャ(イタリア)はホームで昨シーズンのフランスリーグ覇者、サンナゼールVBアトランティックにセットカウント3-0(25-21,25-23,25-23)で勝ち、ファーストレグに続き連勝した。試合時間は92分。ペルージャはグループリーグで1セットも失うことなく4連勝とし、D組1位が確定。各組1位チームが自動的に進む準々決勝への進出を早々に決めた。ペルージャは今季の公式戦でスーパーカップ(スーペルコッパ)、12連勝中のセリエA・リーグ戦を含め、無傷の18連勝。
石川祐希は12月5日の欧州CLハルクバンク(トルコ)戦以来、公式戦3試合ぶりにスターティングメンバーで出場し、試合終了までプレー。アタックでチーム3番手の10得点(決定率53%)をたたき出し、完勝を支えた。この試合のMVPはチームトップの13得点を挙げたOPワシム・ベンタラが獲得した。
大塚達宣スタメン14得点、ミラノも快勝
同じく欧州チャンピオンズリーグに参戦中の大塚達宣が所属するミラノ(イタリア)も18日、オーストリアのチロル・インスブルックに3-0(25-19, 32-30, 26-24)で勝利し、3勝1敗とした。スタメン出場した大塚は14得点で勝利に貢献した。
欧州チャンピオンズリーグ 欧州バレーボール連盟(CEV)が主催するシーズンごとの欧州ナンバーワンクラブを決める大会。2024-25シーズン、男子は20チームが出場。まず4チームずつ5組に分かれ、2025年1月末にかけてホームアンドアウェイの総当たりで各組内の順位を決める。各組1位チームは自動的に準々決勝進出。「8強」の残り3枠は各組2位の5チームと3位の最上位チームの計6チームで争う。ホームアンドアウェイの2試合終了時点で勝ち点が並んだ場合、2試合目終了後にゴールデンセットを実施して勝敗を決める。準決勝まではホームアンドアウェイ(+ゴールデンセット)形式。2025年5月の決勝はホームアンドアウェイではなく一発勝負で優勝を決める。
主審台が横転、アリーナが静まりかえる
試合終盤の第3セット、バレーボールの試合では極めて珍しい、ヒヤリとするアクシデントがあった。ペルージャが2点リードの21-19の場面だ。ジャンネッリのサーブで崩されたサンナゼールのトスが乱れ、そのボールを追った身長202センチのOPアンリ・レオンが勢い余って主審が立つ審判台に真横から激突した。
その勢いで審判台がペルージャ側のコートサイドになぎ倒された。
185センチの高さに座っていた主審のサボ・アレクシ・ポールカルティンさん(ルーマニア)が重さ100キロ以上ある審判台もろとも横転。身を投げ出された。試合を英語で実況していたアナウンサーも「オーッ!オーッ!」と悲鳴を上げた緊迫の場面だったが、主審は背中を丸めるように受け身を取り、「大丈夫だ」とゼスチャーで合図。幸い頭部をコートに打ち付けるような大事には至らず、試合は続行された。静まり返ったアリーナの観客からは拍手が沸いた。
ペルージャ、ミドル多用で勝機
ペルージャは13得点のベンタラを筆頭に、12得点のロセル、10得点の石川と3選手が二桁得点をあげ、ソレとセメニウクがいずれも8得点で続いた。特筆すべきはMBのロセルとソレのクイックを多用したセッター・ジャンネッリのトスワークだ。
石川とセメニウクの合計得点と同じ20得点を、ミドルのロセルとソレでたたきだした組み立ては圧巻だった。サンナゼールのブロックに的を絞らせず、相手のブロックポイントをわずか3点に留めたことが一つの勝因だろう。
石川はいつも通りサーブで狙われ、チーム全体のサーブレシーブ50本のうち、約半数の24本をさばいた我慢の試合になった。サーブでチーム最多の5本のミスをするなど課題も残ったが、アタックでは決定率53%、10得点。スタメン起用に応える最低限の結果は出した。
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