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【バレーボール】ペルージャが崖っぷちからチヴィタノーヴァを逆転、6連勝。石川祐希がMVP

相手のブロックと駆け引きする石川祐希=2024年11月3日、提供・セリエA
相手のブロックと駆け引きする石川祐希=2024年11月3日、提供・セリエA
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バレーボール男子のイタリアリーグ1部セリエAは2024年11月3日(日本時間11月4日)、レギュラーラウンドの第6節が各地であり、日本代表のアウトサイドヒッター、石川祐希が所属するペルージャはホームアリーナのパラ・バルトンで昨季レギュラーシーズン4位のルーベ・チヴィタノーヴァに3-2(21-25,25-27,25-18,25-18,15-12)で逆転勝ちし、開幕からの連勝を6に伸ばした。チヴィタノーヴァは3敗目。ペルージャと同じく開幕6連勝のピアツェンツァがミラノにストレート勝ちしたため、ピアツェンツァ(勝ち点17)が首位、ペルージャ(勝ち点16)は2位に後退した。今季昇格したユアサバッテリー・グロッタッツォリーナは6連敗、まだ勝ち星がない。(記事下に順位表)

この日、ベンチスタートだった石川は第1セット中盤の6-13の場面からOHセメニウクに代わって途中出場。2セットを連取され、後がない第3セットで9得点を挙げるなどチームを立て直した。チームトップの21得点で逆転勝ちに貢献し、第2節(10月6日、パドヴァ戦)に続き、今季リーグ2度目のMVPを獲得した。腹筋を痛めて戦列を離れていたペルージャの攻撃型セッター、シモーネ・ジャンネッリも3試合ぶりに実戦に復帰した。(下に記事が続きます)

目次

2セットダウン、絶体絶命

ペルージャは今季リーグの6戦で最も追い込まれた試合をなんとか勝ち切った。

この日の立ち上がり。チヴィタノーヴァのOHマティア・ボットロらのブロックに手を焼き、石川、ジャンネッリを途中出場させて修正を試みたが、1度もリードすることなく、第1セットを失った。

立て続けに失った第2セットもモヤモヤが募った。先にセットポイントを握ったのはペルージャで、24-23から放った石川のバックアタックが決まったように見えたが、ビデオ判定で覆った。後衛の石川のつま先がアタックラインを踏んでいた。ペルージャは、最大6点あったリードを追いつかれて2セット連取を食らう。そのダメージは大きく、パラ・バルトンのペルージャ大応援団が一瞬、静まり返った。(下に記事が続きます)

第3セット9得点、ビッグプレーでも流れ呼び込む

それでも、逆転への道筋を描いたのは石川だ。

第3セット。相手ブロックを見極めて、駆け引きに勝ち始める。コースを狙い、ブロックアウトを誘って得点を重ねた。18-14では石川自らが1枚ブロックに飛んで、相手OPのスパイクをシャットした。このセットだけで9得点。腹筋の損傷から3試合ぶりに復帰したセッター、ジャンネッリも石川に信頼のトスを集めた。「バックアタックもレフトのアタックも、ジャンネッリ選手とは速いトスと、普通のトスを使い分けるコミュニケーションがとれてきた。自分の好きなタイミングで(助走に)入れている」と石川。試合を通じて石川のアタック決定率は57%に跳ね上がった。

そして、タイブレークの第5セットだ。12-11の場面。相手の強打の跳ね返りを体をのけぞらせながらオーバーハンドでレシーブするビッグプレーが石川に飛び出し、プロトニツキのアタックにつなげた。これにはロレンツェッティ監督も大興奮。ディフェンスでもここぞという場面で光った石川に、思わず駆け寄って両頬をなでる珍しいシーンだった。

セットカウント0-2から逆転勝ちしたペルージャ
セットカウント0-2から逆転勝ちしたペルージャ=提供・セリエA

笑顔控えめのMVP

終わってみれば、石川はチームトップの21得点を挙げて第2節(10月6日、パドヴァ戦)に続く今季2度目のMVP。だが、笑顔はどこか控えめだ。この日はサーブの精度が今一つで7本のサーブミスがあった。これだけ連続してサーブが入らない試合は石川にとっては珍しいことだ。「きょうに関しては、サーブはミスしかしていない。そこは反省点」「レセプションも良くなかったので、そこも改善点としてあげたい」と石川。チームの勝ち方も、自身のパフォーマンスもすっきりしない、課題が残るMVPだったに違いない。

ペルージャ・アンジェロ・ロレンツェッティ監督の談話

(最初の2セットは苦労したが)苦労は健康の証拠だよ(笑)。セットごとのストーリーがあるし、この2週間はジャンネッリが練習にいなくて、セッターが1人しかいなかった。長く特殊な期間でもあった。セッターそれぞれの個性があり、ゾッペッラーリも頑張ったのだけど。

(ジャンネッリは完治してないのか)今日は僕がリスクを背負いました。

(3セット以降なにが変わったのか)シモーネ(ジャンネッリ)が入ってリズムをつかみ、サイドアウトをすぐ取れるようになって、ブレークも取れると信じられるようになった。

(1セット目は決断が早くどんどん選手交代しましたが)やってみるしかないですから。

(今月は欧州チャンピオンズリーグも始まりますが)スケジュールが過密になってくるが、試合を重ねながらもっと良くなれる。たくさん練習をしてきたから、それを発揮する時です。

ペルージャ・シモーネ・ジャンネッリ主将の談話

この2週間で、2回だけハーフの練習はやったので、今日は出る可能性がゼロではないと準備はしていた。それをそのままコートでも出せました。

(問題は腹筋だそうですが、ジャンプなしのサーブをしてたのはそのせい?)はい、でもうまくいったからこれからも頻繁にやろうと思います(笑)

※現地コメント取材は中山久美子

ペルージャの次戦、第7節は11月10日(日本時間11日)。アウェーでターラントと対戦する。さらに11月13日(同14日)には欧州チャンピオンズリーグが開幕、チェスケー・ブジェヨヴィツェ(チェコ)をホームで迎え撃つ。

セリエA順位表[2024.11.3現在]

順位チーム勝点試合数
1ピアチェンツァ17660
2ペルージャ16660
3トレンティーノ15651
4ヴェローナ12642
5チヴィタノーヴァ10633
6モデナ8633
7パドヴァ7624
8ターラント7624
9ミラノ6624
10モンツァ4624
11チステルナ4615
12グロッタツォリーナ2606
セリエA公式サイトより

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