2024年パリ五輪・パラリンピックの公式マスコット「フリージュ」が発表された2022年秋、私は思わず二度見した。2025年大阪・関西万博の公式マスコット「ミャクミャク」かと思ったからだ。マスコットだけではない。大阪・関西とパリは似ている。
どちらもトリコロール、まん丸おめめ
よくよく見ると、ディテールは異なるけれど、赤・青・白のトリコロール、真ん丸のブルーアイズ、三日月型の口の形など共通点は多い。
On vous présente la Phryge Olympique et la Phryge Paralympique !
— Paris 2024 (@Paris2024) November 14, 2022
Les mascottes de #Paris2024 ✨
Sportives, fêtardes… et françaises 🇫🇷
Here are the Olympic Phryge and the Paralympic Phryge!
The #Paris2024 mascots ✨
They are sporty, love to party… and are so French 🇫🇷 pic.twitter.com/plupKzQqNs
錯覚したのは自分だけではないはずと思い、Twitterを覗いてみると「ミャクミャクの親戚?」「ミャクミャク様の海外のトモダチ感がある」などのつぶやきもちらほら見える。
パリ五輪のマスコット「フリージュ」って何?
— ハフポスト日本版 / 会話を生み出す国際メディア (@HuffPostJapan) November 15, 2022
ドラクロワの名画「民衆を導く自由」にも登場する帽子がモチーフ
💬「フランスのストーリーを創る力や見せ方は本当に上手いなあ」
💬「ミャクミャク様との縁を感じる」 https://t.co/9E8ea7b2Lm
大阪・関西万博「ミャクミャク」について
細胞と水がひとつになったことで生まれた、ふしぎな生き物。その正体は不明。
赤い部分は「細胞」で、分かれたり、増えたりする。
青い部分は「清い水」で、流れる様に形を変えることができる。
なりたい自分を探して、いろんな形に姿を変えているようで、人間をまねた姿が、今の姿。
但し、姿を変えすぎて、元の形を忘れてしまうことがある。
外に出て、太陽の光をあびることが元気の源。雨の日も大好きで、雨を体に取り込むことが出来る。
開幕前から自分のことを皆さんに知ってもらい、2025年に開催される大阪・関西万博で多くの人に会えることを夢見ています。
大阪・関西万博公式HPより
パリ五輪・パラリンピック「フリージュ」について
フリージュとは小さなフリジア帽のことで、自由や包括性、意義深く素晴らしい活動をする人々の力を示す、力強いシンボルである。
赤、白、青の3色を身にまとい、胸には金色のパリ2024のロゴが施されている。また、目にはフランスの花形帽章が用いられ、いたずら好きで豊かな表情をしたマスコットとなっている。
フリージュたちは大家族の一員で、パリ2024のメインヒーローとなるのが、オリンピック・フリージュとパラリンピック・フリージュ。今後2年間、彼らが大会を広めるための重要な役割を果たし、その後、パリ2024オリンピックで選手たちを迎える。
国際オリンピック委員会 公式HPより
大阪とパリは似ている1:エスカレーターは「右立ち」
そんな話をパリ在住経験のあるPen&Co.の共同創業者・多田にしたところ、大阪とパリには共通点がたくさんあると教わった。
例えば、エスカレーターの「右立ち」。人々は右側のベルトにつかまり、左側をあける。東京やシドニーやシンガポールが「左立ち」なのに対し、局地的に大阪とパリが右立ちなのは面白い。
仏リベラシオン紙によるとパリ交通公団RATPでは、右立ちは特に明文化していないという。「暗黙の了解」なのだとか。
この記事ではジャパンタイムズの「あくまでも仮説に過ぎない」とする説を引用している。いわく、東京の「左立ち」は江戸時代、江戸では武士が刀で人を傷つけるのを避けるため、道の左側を歩いていたことに由来する…。
反対に大阪は武士が少なかった。その代わりに右手に商品を入れた袋を持つ商人が多く、右側を歩いていた、とする説は続いている。説得力があるような、ないような。
大阪とパリは似ている2:マクドナルドの呼び方
そしてハンバーガーチェーン「マクドナルド」の呼び方もだ。日本では全国的にはマクドナルドは「マック」と呼ばれるが、関西では「マクド」と略される。フランス語でも「マクド(Macdo)」。マクドナルド・フランスの公式インスタグラムでも「Team Mcdo」としてスタッフを紹介しているし、「La bouée Macdo(ラ・ブエ・マクド=マクドナルドの浮き輪)」と「マクド」が浮かんでいる。
セーヌの中州であるパリ・シテ島と、堂島川・土佐堀川の中州である大阪・中之島はいずれも歴史的に公的機関が集まるなど、まだまだ共通点はありそうだ。
オリンピックと万博という国際的ビッグイベントが続く2024-2025年。「似たもの同士」のマスコットが「似たもの同士」のお互いに都市を盛り上げ合えれば素晴らしい。SNS上でもリアルでも、この二つのトリコロール・マスコットの共演が見たい。