柿添まどか(ザ・テラスホテルズラティーダ琉球)小柄でも止める

小柄なGKはハイコーナーに弱い分、下のボールに強く、俊敏な動きで弱点をカバーします。
ザ・テラスホテルズラティーダ琉球は、小さなGKが伝統です。2025~26シーズンは柿添まどかと廣田美月のコンビで戦っています。特に柿添はハニービー石川からの移籍1年目で大活躍。すぐに試合勘を取り戻して、阻止率ランキングで上位につけています。見た目以上に実用的で、いいGKを、テラスは補強しました。
山本春花(イズミメイプルレッズ広島)DFを整備する声

自分が捕ることに集中するタイプのGKもいれば、自分が捕りやすいようにDFに声をかけるGKもいます。DFを声で整備するには、ゲームの全体像を理解していないとできません。ある種の特殊技能とも言えます。
声でDFを整備する第一人者は木村昌丈(レッドトルネード佐賀)です。短時間で修正するためのコミュニケーション能力が光ります。いい意味で自分の捕り方を変えない信念と、DFの微調整ができる賢さがあるから、第一線で長く活躍できるのでしょう。ネームバリューも含めて、リーグの顔とも言えるGKです。
山本春花(イズミメイプルレッズ広島)は「どこでやられるかを整理したいから」と、DFラインとこまめに話し合います。たとえばサイドシュートを打たせるのか、アウト割りをさせるのか。「どっちもやられた」にならないよう、その日の勝負どころを絞り込んでいきます。野球で言ったら、狙い球を絞って打つ長距離打者のようなタイプです。
坂井幹(大崎オーソル埼玉)枝を信じすぎない

DFが流しのコースを消したら、GKは引っ張りというように、GKはDFと連携しながらロングシュートを止めます。しかし上手なロングシューターはDFの枝の裏に打ってくるので、DFを信じすぎるといつまでも止められません。
アイスランドでのプレー経験のある坂井幹(大崎オーソル埼玉)は、独自の感性を信じるタイプ。事前にデータを頭に入れるし、DFの枝との連携も信じるけれど、あまり頼りすぎない方が調子がいいと言います。「枝を信じすぎない」感覚は、アイスランド代表の名GKグスタフソンのプレーから学びました。「DFとの位置関係から『絶対こっちに打ってくるな』という場面で、グスタフソンは違う方向に捕りに行って、止めてしまうんです」。GKの理論にも詳しい坂井だから、理論を超越する領域にまで到達したのでしょう。
鈴木雄大(トヨタ自動車東日本レガロッソ宮城)独自の世界観

前述の坂井だけに限らず、GKには独自の世界観を持った選手がいます。ひと昔前は「GKは変わり者が多い」と言われていましたが、こだわりを大切にしないと「いいGK」にはなれません。
岡本大亮(ブレイヴキングス刈谷)はヨーロピアンスタイルでおなじみのGK。北欧のGKのような着こなしから始まって、足を手のように操りながら、顔横のシュートも足で止めてしまいます。2024年7月のパリ五輪初戦、クロアチアを相手に見せたスーパーセーブ連発は、まさにワールドクラスでした。
鈴木雄大(トヨタ自動車東日本レガロッソ宮城)は自分のスタイルを貫き、2025~26シーズンに突き抜けました。結果の出ない時期が続いて、阿部直人監督にキーピングスタイルの変更を促されていましたが、頑なに拒んでいました。2025年のシーズン開始後も「もっとアグレッシブに捕りに行くスタイルにした方がいいのでは」といったやりとりがあったそうです。そこで鈴木は「必ず結果を出しますから、自分のやり方でやらせてください」と直訴しました。一度腹をくくってからは有言実行で、10月あたりから大当たりするようになりました。本人に聞くと、ちょっとした重心のかけ方を修正したことで、違和感なくプレーできるようになったと言います。頭がよくて、自分の納得するスタイルでプレーしたいこだわりが強い鈴木は、少し遠回りしましたが、自分だけの感覚をつかみました。
小峰大知(レッドトルネード佐賀)優秀な2番手

チームが苦しい状況でサッと出てきて、仕事をしてくれる。優秀な2番手GKがいてくれると、とても助かります。あまりエゴを出さずに、チームのために働くタイプです。
小峰大知(レッドトルネード佐賀)は理想的な2番手GK。正しい位置取りと面が崩れないキーピングで、試合を立て直してくれます。
ゴーグルマンの宮城風太(豊田合成ブルーファルコン名古屋)は、2024年12月の日本選手権MVP。絶対的守護神・中村匠が当たらなくても、宮城のようなGKがベンチから出てくるあたりが、豊田合成の強みです。
高光凌(大崎オーソル埼玉)も2番手適性があるGK。先発のGKの阻止率が落ちてきた時間帯に出てきて、終盤の勝負どころで節目を押さえます。
デフハンドボール日本代表コーチも務めた谷口俊(アースフレンズBM東京・神奈川)は、モチベーターとメンターを兼ねる存在。限られた出番に向けて一生懸命準備する姿勢も、チームの財産です。
白築麗子(HC名古屋)は、ちょっと気落ちしやすい榊真菜の「聞き役」になりつつ、7mスローで出てきてバチンと止めてくれるから、ベンチにいてくれると安心です。
野津山翔(大同フェニックス東海)左利きGK

「せっかくの左利きなのに、GKなんてもったいない」と言われがちですが、左利きGKにもメリットがあります。右利きのシューターと左利きのGKだと、利き手同士が向き合うから、相手の変化に対応しやすいと言われています。
リーグH男子で唯一の左利きGKが野津山翔(大同フェニックス東海)。出場時間も増えてきて、少しずつ様になってきました。課題のスローイングでもリーグ初得点を挙げています。
中京大学から新たに加わった岩本夕菜(大阪ラヴィッツ)も左利きのGK。女子で唯一の左利きGKなので、活躍が楽しみです。
以上がGKでした。また長くなってしまって、申し訳ありません。次はあえての監督編で締めくくろうかと思います。
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