2024年4月1日に発表されたパリ五輪世界最終予選に挑むハンドボール女子日本代表(おりひめジャパン)には、昨年8月末に広島でのアジア予選のメンバーには入っていなかった3人の新戦力が名を連ねた。決勝で韓国に24-25の1点差で敗れて出場権を取りこぼしたあの苦いアジア予選から7か月あまり。決戦の地、ハンガリーに向けて、どうしても「1点」が欲しい時に頼りになりそうな切り札的な存在が加わった。
新たに代表に選出されたのは以下の3選手。
ポジション | 名前 | 年齢 | 所属 | 背番号 |
---|---|---|---|---|
LB | 菊池 杏菜 | 25 | プレステージ・インターナショナル アランマーレ | 56 |
RB | 金城 ありさ | 24 | ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング ブルーサクヤ | 5 |
RW | 吉野 珊珠 | 21 | 大阪体育大学 | 47 |
楠本繁生監督にそれぞれの選手を抜擢した狙いをPen&Sports[ペンスポ]編集長の原田亜紀夫が記者会見で質問した。
小さいながらも個人で打破する突破力 菊池杏菜選手
楠本監督:「菊池杏菜選手は今回初招集です。菊池選手は身長が160cmに満たないのですが、ヨーロッパの選手はほとんどが180cmを超えているなかで、菊池選手のような150cm台の選手には普段慣れていない。そして菊池選手はチームのなかでも、見ていただければわかる通り、体つきも足の筋力もずば抜けていて、ずば抜けた瞬発力の持ち主です。ぼくが国内の中で、これまで近藤万春選手=イズミメイプルレッズ=のように、小さいながらも大きいディフェンスの間を突破できる、スピードで、個人で局面を打破できる選手を探していたところ、菊池選手がフィットした。それが選出理由です」
日本リーグ得点ランキング1位 金城ありさ選手
楠本監督「これまで代表活動では、ずっと私が代表監督になってからは招集していたんですけれども、去年の4月以降、ちょっと本人のけが等のコンディション不良ということで、自チームでのトレーニングに専念したいということもあって外れていました。今回、この五輪最終予選に向けて、日本リーグの試合も観戦するなかで、いま得点ランキング1位に来ているのが金城選手。十分な活躍が見込まれるということで今回招集しました」
半年で急成長 若い力がチームに勢い 吉野珊珠選手
楠本監督「右のサイドプレーヤーということで、今回海外組の秋山なつみ(ハンガリー・キスヴァルダ)選手と服部沙紀選手(ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング ブルーサクヤ)をメインで考えていたんですけれど、海外組の選手のコンディショニングが(欧州で直前合流するために見極めるのが難しく)どうかということ。一方、吉野選手の技量がここ半年間、右肩上がりに向上していて、こういう若い力が最後チームに大きな力や勢いをもたらしてくれるのでは、という期待から招集しました」
対戦国のスウェーデン、カメルーン、ハンガリーにとっても今回加わった新戦力の3選手は情報が少ない未知の存在となるだろう。楠本ジャパンの秘密兵器。菊池、金城、吉野の爆発力に期待したい。
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