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【ハンドボール】三重バイオレットアイリス、團玲伊奈ら6人引退 | 5/19セレモニー

三重バイオレットアイリスの引退選手
左から中田夏海、井上華那、團玲伊奈、山岡莉那、林美里、熊﨑かずみ=久保写す
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日本ハンドボールリーグも2023-2024シーズン(2023年7月-2024年5月)、各チームが引退選手を発表する終盤になりました。リーグ屈指の人気チームに変貌を遂げた女子の三重バイオレットアイリスは、林美里、中田夏海、團玲伊奈、熊﨑かずみ、山岡莉那、井上華那の6選手が、今季限りでの引退を表明しました。5月19日のホーム最終戦で、引退セレモニーが行われる予定です。チームを去る6人を紹介します。

目次

引退選手の事前公表、ファンにも朗報

近年の日本ハンドボールリーグでは、事前に引退選手を公表するようになりました。以前はシーズン終了後に突然引退が発表され「えっ、ラストだったの?」と驚くことが何度もありました。おそらくファンのみなさんも同じ気持ちだったでしょう。しかし最近はシーズン終盤に引退選手が分かるので、心の準備ができるようになりました。引退を公表する流れができたのは、松信亮平(元琉球コラソン、現早稲田大男子コーチ)あたりからでしょうか。

三重バイオレットアイリスからは6人の引退が発表されています。チームのあり方に共鳴できる部分も多く、 何度も取材に足を運び、取材した選手たちを紹介します。(背番号、名前、ポジション、在籍年数の順)(下に記事が続きます)

#25 林 美里/CB 7年目

ホームのお客さんが笑顔になる試合を、林は常に意識していた
ホームのお客さんが笑顔になる試合を、林は常に意識していた

おっとりとしたキャプテンであり司令塔。チームに所属する桐蔭横浜大OG3人娘(林美里・渡辺樹・飯塚美沙希)の長女は得意の2対2を軸に、ロングシュートにカットインと、攻撃の選択肢が多いセンターでした。ゲームメークしたりチームをまとめるだけでなく、黄慶泳監督からのレベルの高い要求もあり、ここ2年は大変そうでしたが、いつもフニャッとした笑顔で取材に応じてくれました。

印象に残っているのは、2024年2月の集中開催でのイズミ戦。愛知商業高の先輩・森本方乃香とのスカイプレーで終了間際に同点に追いつき、引き分けに持ち込みました。試合後のインタビューで「バイオレットの底力を見せられた気がします」と言って涙を流した姿に、林なりの苦悩が伺えました。

愛称は「リン・ビーリ」ですが、なぜそう呼ばれるようになったかは、ご本人のラジオからお聞きください。チーム歴代の放送で、一番笑った回です(4分頃に出てきます)。

#2 中田 夏海/LB 7年目

#2 中田 夏海/LB 7年目
DFの要として7年間、中田はチームを支えてきた

しっかり者の博多夏海。福岡出身で、頭の回転が速く、入団当初からチームのコンセプト、創業の精神をよく理解していました。DFでは3枚目に入り、相手のきっかけが始まった瞬間にスーッとトップに出て、6:0DFと5:1DFをアドリブで使い分けるのが上手でした。福岡大でレフトバックだった割には攻撃が苦手で、なかなか点を取れずにいましたが、最後の方は流れでレフトウイングに入って、それなりにサイドシュートを決めるようになりました。

個人的には「チームの状況を知りたい時には絶対中田に聞く」と決めていました。チームが直面している課題、今取り組んでいること、足りない部分などをわかりやすく話してくれるので、いつも中田との会話が記事を書く際のヒントになりました。シーズン中に「3年後に、このチームは絶対強くなる。でもそこに私がいるかどうかはわかりません」と言っていたのが、現実になるとは。今季は節目でのパスカットが冴えていただけに、寂しいですね。

#11 團 玲伊奈/LW 6年目

#11 團 玲伊奈/LW 6年目
團は誰もが認めるスピードスターであり、サイドシュートの決定力も抜群だった

正直言って一番驚きました。チームの顔とも言うべきスピードスターが、突然の引退発表です。ヒザの手術を乗り越えても脚力は衰えず、日本代表に選ばれるまでになったのですが、やはり体がきつかったのでしょうか。

ただ足が速いだけでなく、個人競技の選手のようなメンタリティが、團の魅力でした。ルーズボールをサッと奪って「渡さないぞ」とにらみを利かす。そういう仕草だけを切り取ると評価が分かれますが、團はいつでも勝負の責任を背負っていました。どんなに劣勢になっても、全力で相手に立ち向かう姿勢を見せてくれるから、團が決めても決めなくても納得がいきました。見ている人は分かっているから、團が決めると盛り上がります。チームの一番の得点源、ストロングポイントがいなくなると、来季は厳しいかもしれません。(下に記事が続きます)

#27 熊﨑 かずみ/CB 5年目

#27 熊﨑 かずみ/CB 5年目
ワンランク上の選手になりつつあった熊﨑。気持ちが出るようになってきた矢先に、引退を表明

肩が強くて、オールラウンドに仕事をするクマ。いつも無表情で、取材をしても特に盛り上がることもなく、「いったいこの人は何が楽しくて、ハンドボールをしているんだろう?」と思わせるところがありました。ところが今季途中から見違えるほどDFでハードワークするようになりました。右の2枚目からクロスアタックで相手のセンターをバチンと止めたり、ボールを奪ったり、DFの貢献度は相当なものでした。ようやく目に見える形で闘志を表現するようになったのです。

 OFでも不慣れな右バックに入りながら、センターから熊﨑を経由してのポストパスが増えてきました。真ん中の2対2だけでなく、三角形を作って右バックをひとつ挟んでのポストパス。これができるチームは強いんです。あまり表情を変えない熊﨑も「このポストパスを評価していただけて、うれしいです」と、少しだけ笑顔を見せていました。最近は飛ばしパスも絶好調で、明らかに「過去最高の熊﨑」だっただけに、5月で終わるのは惜しい。あまりにももったいない。たまにいるんですよね。今年でラストと決めているから、キャリアハイの成績を残す選手が。もう少し熊﨑の成長を見てみたかったです。

#32 山岡 莉那/LB 4年目

2020年11月1日、山岡の日本リーグ初ゴール

肩甲骨周りが柔らかいシューター。ここ2年はほとんどベンチ入りすることもなく、ちょっと不憫な立ち位置でした。独特のシュートフォームをどのポジションで生かすのか、もっとチームとしても考えて育成していたら、山岡のポテンシャルが花開いたかもしれません。

日本リーグ初ゴールは2020年11月、センターの石立真悠子(現コーチ)が凹ませたところに山岡がクロスで周り込んでのミドルシュートでした。あの時のプレーはなぜかよく覚えています。

#22 井上 華那/RW 3年目

井上は同じ神奈川出身の鳩野果歩と、ライトウイングのポジションを争った

川崎市立高津高出身で、神奈川県民としては期待していた選手です。守備型のライトウイングで、2枚目を守れるサイズが武器でした。シュートではいつもバタバタしていて、慌てて自陣に戻ってくる印象が強かったです。よくも悪くも表情に出やすく、それも含めて得難いキャラクターの持ち主でした。

同期の3人で「バイオレットのパワーパフガールズ」と売り出していましたが、小林紗加、井上といなくなり、残るは水野祐衣ただ1人になりました。水野には、日体大の同期でもある井上の分も頑張ってほしいですね。

ホーム最終戦は5月19日

三重バイオレットアイリスの今季最終戦(イズミ戦)は5月19日にAGF鈴鹿体育館で行われます。試合開始は13時30分からで、試合後は引退セレモニーも予定されています。長くチームに貢献してきた6選手の最後の雄姿を、その目に焼きつけてください。

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