バレーボール・セリエAで10シーズン目を迎えるペルージャの石川祐希(28)が快調にプレシーズンのスタートを切った。石川にとってペルージャ移籍後初の公式戦、そして初の国外遠征。その舞台は2024年9月7-8日にポーランドの首都ワルシャワから車で約3時間、東部の都市ルブリンで開かれたボグダンカバレーカップだ。ポーランドリーグ(PlusLiga)の3チームにペルージャを加えた計4チームが参加して行われ、ペルージャは危なげなく2連勝して優勝をもぎとった。ペルージャにとって、プレシーズンマッチとはいえ、今季の初トロフィー。今月29日にリーグが開幕する本格シーズンに弾みをつけた。
ポーランドの強豪に連勝
9月7日(日本時間8日未明)の準決勝は、ペルージャから今季ウィルフレド・レオンが移籍したボグダンカ・ルク・ルブリン(昨シーズンポーランドリーグ5位)にセットカウント3-1(25-23, 25-22, 23-25, 25-17)で快勝した。
翌9月8日(日本時間9日未明)の決勝では昨シーズンポーランドリーグを制したヤストシェンブスキ・ヴェンギェルを3-1(25-19, 25-23, 20-25, 25-21)で退けた。大会MVPにはペルージャのOHカミル・セメニウクが輝いた。(下に記事が続きます)
石川、異なる起用に対応
真新しい黒のユニホームに身を包んだ注目の石川は2試合ともに出場し、ペルージャの優勝に貢献した。しかし、起用のされ方は準決勝、決勝の2試合で対照的だった。
準決勝のルブリン戦はスタメンで起用され、アタックはチーム最多の30本を放った。うち3本はブロックでシャットされ、2本のミスもあったものの、得点では20得点のOPワシム・ベンタラ、19得点のOHカミル・セメニウクに次ぐチーム3番手の18得点で決勝進出に貢献した。
一方、決勝のヴェンギェル戦は、同じOHのポジション争いを繰り広げるセメニウクとオレイ・プロトニツキにスタメンを譲り、ベンチスタート。ロレンツェッティ監督は主に流れを変えたい要所の局面で石川を起用したが、石川はその限られた機会で確実に仕事をした。放ったアタック8本で5得点。サーブレシーブでもチームに安定感をもたらした。
石川の役割に変化も?
セメニウク、プロトニツキに新たに石川が加わったペルージャの主力OH陣で、今季のスタメンをまだ明言していないロレンツェッティ監督だが、この大会の采配から、3人のOHをまんべんなく起用して長いシーズンを戦い抜くプランも垣間見えた。
目標のリーグ連覇に加え、コッパ、スーペルコッパ制覇を視野に入れ、欧州チャンピオンズリーグにも参戦する今季は、疲労の蓄積やけが回避のために、特定の選手に負担が集中することは避けたい。
そのため、スタメンをあえて固定しないこともロレンツェッティ監督の構想にあるのではないか。セメニウク、プロトニツキ、そして石川の3人のうち2人をスタメンでまわす。そして1人をいざというときの「ゲームチェンジャー」として温存する。それを個々のコンディションや、相手との相性も加味してローテーションさせるーー。常勝軍団の仲間入りをした今季、石川に求められる役割もミラノ時代とは、変化が生じる可能性がある。(下に記事が続きます)
「ポーランド料理を食べに行きました」
ペルージャのボクダンカ杯優勝から数時間後、石川祐希本人とマネージャーの共同オフィシャルXアカウントに、ほほえましい投稿がアップされた。
「試合後にチームでポーランド料理を食べに行きました! ジュレックがめちゃ美味しかった! Dziękuję bardzo Semi!!! ちなみに服はチームメイトに借りました」というコメントとともに石川はチームメートとの集合写真を投稿。私服を遠征に忘れたのか、チームメートに借りたことも明かして泣き笑いマークの絵文字も付けた。
ジュレックとはポーランドの名物、発酵ライ麦スープ。写真の前列にはTシャツ、短パン姿ですっかりチームに打ち解けた様子の石川の笑顔があった。ペルージャ移籍後初のポーランド遠征ではチームとの親睦という意味でも成果があったようだ。
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