バスケットボール女子日本代表(FIBAランク9位)は2024年2月8日(日本時間9日未明)、ハンガリー・ショプロンで行なわれたパリ五輪世界最終予選の初戦で、日本はスペインを86-75で破り、パリ五輪出場権に王手をかけた。FIBAランク4位のスペインには公式戦で過去0勝5敗で、ここまで日本は勝ったことはなかった。連戦となるきょう2月9日(日本時間10日午前2時試合開始)のハンガリー(FIBAランク19位)戦に勝てば、日本女子代表のパリ五輪出場が決まる。すでに五輪切符を手に入れている男子に続き、男女がそろって自力で五輪出場権を獲得すれば、1976年モントリオール大会以来48年ぶりの快挙となる。(開催国枠で出場の東京大会を除く)。
スリーポイントの雨でスペイン沈める
「完勝」にまだ興奮が冷めない。日本女子代表はまさに、スペイン戦でスリーポイント(3P)の雨を降らせて強豪スペインを沈めた。インサイド(バスケットゴールから近い位置)を固めるスペインに対し、日本は全くそれに付き合うことなく、外からの3Pを迷いなく打ち続けたのが勝因だった。
日本の86得点のうち、実に半分以上の45得点が3Pポイントシュートによるもの。主将の林は8本中6本の3Pを成功させ、成功率は驚異の75%だった。銀メダルに輝いた2021年東京五輪で林は、6試合で35本中17本の3Pを決め、成功率が48.57%だっただけに、いかにスペイン戦での精度が高かったかが分かるだろう。
平均身長が183cmのスペインに対し、日本のスタメンには163cmの山本、167cmの宮崎、173cmの林と超スモールな選手たちが名を連ねた。最初から速攻と3Pで勝ちに行くというベンチの意思表示に見えた。3Pシュートを「飛び道具」としてではなく、むしろそれに特化して、貫いたチームが頼もしく見えた。
3Pの歴史は40年
バスケットボールの130年余りの歴史のなかで3Pの歴史はまだ40年、採用は1984年だ。ゴールの近く以外ではそこまで激しい攻防が見られず単調な試合が続いていたことを改めるため、人気回復の一手として取り入れられた。つまり、小さな選手でも活躍できるようにする目的と、観ている人にとっても一挙に「3点」が入るゲーム性、エキサイティングな試合展開を見せる狙いで1984年に採用されたのだ。
スリーポイントラインは当初、ゴールから6.25mの位置だったが、2011年からは50cm遠ざかり、6.75mに変更された。そういう意味ではこのルール改正があったから、日本は世界で通用するバスケができている。日本は男女ともそのルールの恩恵にあずかる「3ポイントの申し子」と言えるだろう。
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