2013年11月18日に米バージニア州シャーロットビルで行われた全米大学協会(NCAA)主催の全米大学クロスカントリー選手権男子個人(10キロ)で、一般入試の合格率が5%とも言われる超難関、ハーバード大学のグラハム・ブランクスが28分37秒7で優勝し、米国内で話題になっている。ブランクスはハーバード大はおろかスポーツによる奨学金制度がないとされる米北東部のエリート校グループIVYリーグ(ブラウン大、コロンビア大、コーネル大、ダートマス大、ハーバード大、ペンシルベニア大、プリンストン大、イエール大)初の全米制覇を達成し、IVYリーグのウェブサイトは”Historic for the IVY league”(IVYリーグにとって歴史的)と称えている。
「スマートに走れず、ばかみたいに走った」
NCAAなどによると、レースは接戦となり、ブランクスは残り1キロで集団からスパート。ラスト1キロを2分42秒でカバーし、ニューメキシコ大のハブトム・サムエルを3秒差で振り切った。グラハムは「人生で一番タフなレースだった。きょうはスマートに走って自分が一番賢いランナーだと証明したかったけど、ばかみたいに(がむしゃらに)走ってしまいました」と報道陣にジョークを飛ばした。
ハーバード合格後、ギャップイヤー取得
ブランクスはジョージア州の小さな私立高Athens高校出身でハーバード大学3年生。「ハーバード大学に行くと決めたとき、正直、どうすれば合格するのか全くわからず、目隠しをしてダーツを投げているような感じでした。それでもありがたいことに合格できました」とレース前日会見で語っている。合格後の1年はコロナ禍でもあったことから、GAP YEAR(遊学)を取得し、米国内を旅しながら新たな友人を作ったり、彼らとトレーニングしたりしながら走力をつけていったという。ブランクスはNCAA全米制覇まで今季5戦負けなし。伸び盛りの秀才アスリートに注目だ。
東京五輪サーフィン「銀」五十嵐カノアは同大MBA在籍
ハーバード大学といえば、2021年東京五輪サーフィン男子の銀メダリストで来夏のパリ五輪にも内定している五十嵐カノア(26)=木下グループ=が2023年9月から、同大の経営大学院(ビジネススクール)で学んでいることを自身のInstagramで公表している。
So I’ve been spending time this off season studying at Harvard University, it is an honor and privilege to be learning at the highest level. It’s been a fun few months of juggling surfing, training and attending classes. let’s keep it rolling
私はこのオフシーズンからハーバード大学で勉強してきました。最高レベルで学べることは光栄なことであり、特権です。サーフィン、トレーニング、授業への出席をやりくりして楽しい数か月でした。続けていこう。などと綴っている。
ハーバード大学 米マサチューセッツ州ボストン近郊のケンブリッジにある名門私立大学。1636年に設立された米国最古の大学で世界でも最も権威のある大学の一つ。一般の合格率は4~5%と入学へのハードルは極めて高いが、試験のスコアひとつで足切りするのではなく、受験生の人物像や人生そのものを評価し、審査する傾向にある。卒業生にジョン・F・ケネディ第35代大統領や、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ、旧Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグら。ハーバード大学のスポーツチームは、スクールカラー(クリムゾンレッド)から「クリムゾン」と呼ばれる。アイスホッケーで1989年に全米大学体育協会(NCAA)の全米選手権チャンピオンになった。
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