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心が、動いた アスリートの言葉。シグルドソン監督コメント全文 2023年10月

心が、動いた アスリートの言葉。
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10月も終わります。今月もラグビーワールドカップ、杭州アジア大会など、様々なスポーツシーンでアスリートが放つ、心が動く言葉に出会いました。勝っても負けてもアスリートが放つ言葉には思いがこもり、それに私たちは勇気づけられます。「ペンで、心を動かす」をミッションに掲げる”Pen&Sports” [ペンスポ] では毎月末、アスリートが語った印象的な言葉を独自に切り取り、お届けします。

目次

全速力でゴールしなかった。油断するのが早すぎた

全速力でゴールしなかった。油断するのが早すぎた

チョン・チョルウォン(韓国のローラースケート選手)

杭州アジア大会で2023年10月2日、ローラースケート男子3,000メートルリレー決勝がありました。圧倒的にリードしていた韓国の最終走者、27歳のチョン・チョルウォンは勝利を確信し、スピードを緩めながら万歳をしてフィニッシュしました。ところが、外側から猛追した台湾の黄玉霖に最後の最後で交わされてしまったのです。その差は0.01秒。台湾が金メダルを獲得しました。

「私はかなり大きな間違いを犯しました」とチョン選手。「全速力でゴールできなかった。油断するのが早すぎた。本当に申し訳ない」。ロイターはこう伝えています。

アジア大会優勝者は、韓国で通常は義務付けられている18か月から2年間の兵役を免除されるはずでした。チョン選手自身とチームメイトの1人チェ・インホが、100分の1秒差でその恩恵を逃す結果となりました。I let my guard down too early. guard(ガード)とは守り、警戒の意味で、let one’s guard down で警戒を緩める、となります。

まだまだ日本のラグビーは強くなれる。そう信じています

まだまだ日本のラグビーは強くなれる。そう信じています

姫野 和樹(ラグビー日本代表主将)

2023年10月8日、ラグビーワールドカップ2023フランス大会、日本はアルゼンチンに27-39で敗れ、2大会連続の8強入りならず

チームのみんなを、まずは誇りに思う。ここにくるまでたくさんの努力をしてきたし、今日も最高の努力をしてくれた仲間に感謝したい。今回、エベレストの頂上に桜を咲かすことはできませんでしたが、自分たちのレガシー、自分たちの目標、夢っていうものは次に必ず受け継がれていくものと思います。まだまだ日本のラグビーは強くなれる、そう信じています。

本人のXより

思いのこもったキャプテンの言葉です。

半分は私をなめていた。だから『なめんなよ』と

半分は私をなめていた。だから『なめんなよ』と

川内 優輝(プロマラソンランナー)

2023年10月15日、マラソングランドチャンピオンシップで序盤から大きく飛び出し、堂々の4位に

「若い選手が多いから、たぶん半分ぐらいは勇気がなくて、私に付いていくのが怖かったんだと思います。もう半分ぐらいは私をなめていたんですよ。あんなロートル選手はどうせ落ちてくるだろう、って。だから、『なめんなよ』って思いましたね」。

パリ五輪代表を決める一発勝負を象徴するようなレースを引っ張ったのが、130回目のフルマラソンとなった36歳の川内でした。「あんなロートル」と直接、言われるわけではないけれど、心にチクチク、モヤモヤ刺さる。見えない圧力を蹴っ飛ばし、「なめんなよ」とプラスのエネルギーに転換したからこその激走でした。

とても、とても、最高にうれしいです

とても、とても、最高にうれしいです

度会 隆輝(社会人野球・ENEOS内野手)

2023年10月26日、ドラフト会議でプロ野球DeNAに1位指名されて

めちゃくちゃうれしくて、(横浜DeNAに)選んでいただいて、ホッとしたというか。最高です!とかやれたらよかったんですけれど、うれしすぎて、気付いたら涙と鼻水が出てて。本当に今、とても、とても、最高にうれしいです。

DeNA1位指名後の記者会見で

横浜高時代にプロ志望届を出しましたが、指名漏れに。3年で成長し、3球団が1位指名で競合するシンデレラ・ストーリーになりました。長年、社会人野球を取材しているペンスポコラムニスト・久保弘毅は「ビッグマウス」とは異なる、「物語の主人公感」がある、と語っています。

我々はアジアのベストチーム。今はそのことを堪能しよう

ダグル・シグルドソン(ハンドボール男子日本代表監督)

2023年10月28日、ハンドボール男子パリ五輪アジア予選で優勝、36年ぶりの自力出場を決めて

現在とても信じられない気持ちです。信じられないぐらいのことを成し遂げました。選手、スタッフ、ここにいる選手だけではなく、過去7年間日本代表に参加してくれた選手みんなに感謝したいと思います。日本チーム、そしてこのチームをサポートしてくれた日本のみなさんに、本当に感謝したいです。

今、日本はいいポジションにいます。今現在、我々はアジアのベストチームです。今この瞬間はそのことを堪能したいと思います。今回は海外組と国内組との融合が心配されましたが、チーム内のコミュニケーションが非常にうまく行き、成功したことが大きかったと感じます。しかしながら道は続きます。これからアジア選手権、そしてパリオリンピックを迎えます。さらにそのあとも道は続きます。したがってハードワークを続けなければなりません。成し遂げたことに満足して進歩の歩みを止めてはいけません。成長は止まることを知りません。

日本ハンドボール協会が10月30日、記者会見で発表したコメント(全文)

シグルドソン監督は元・アイスランド代表キャプテンで、世界的な司令塔でした。日本の湧永製薬(現ワクナガ)でもプレーしました。日本代表監督に就任して7年、批判を浴びつつもブレずに土台づくりに励んだ信念が実りました。「ここにいる選手だけでなく」のくだりに、思いがにじんでいますね。

Pen&Sportsコラムニスト・久保弘毅によるとハイチュウ好きだそうで、#ダグル監督にお祝いハイチュウを とのハッシュタグもSNSで生まれました。

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コメント一覧 (1件)

  • 毎月のアスリートの語った印象的な言葉の独自の視点での切り取りを楽しみにしています。たくさんの言葉の中からの素敵なチョイスと短いけれど、ぐっとくるコメントは胸を打たれます。今後も、この特集にどんな視点が盛り込まれ、どう感じるのか、どうインスパイアされるのか、ペンの力でみんなを幸せする事に期待しています。頑張って下さい。

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