サッカー2026年北中米ワールドカップ(6月11日~7月19日)の組み合わせが決まり、大会本番へ向けた日本代表のロードマップが固まりつつある。特にこの最後の半年の過ごし方は、本番での成否を分ける非常に重要になる。日本代表はこの仕上げの時期、どのような計画を立てているのか。
2026年スケジュール、続々決定
日本サッカー協会(JFA)は、2026年3月31日(日本時間4月1日・午前3時45分)に英国ロンドンのウェンブリー・スタジアムでイングランド代表と国際親善試合を行うことを発表した。
また、その2か月後、ワールドカップ本番直前の5月31日には、東京・国立競技場で国際親善試合(キリンチャレンジカップ2026)を行うことも決まっている。対戦相手は調整中とされるが、ワールドカップを意識したマッチメイキングを行っていることは間違いない。本大会前の国内最後の国際親善試合となるため、壮行試合という位置づけになるだろう。なお、併せて9月24日(キューアンドエースタジアムみやぎ)と9月28日(エディオンピースウイング広島)にもキリンチャレンジカップが行われることが発表されている。(下に記事が続きます)
イングランドの意図は「仮想韓国」か
ワールドカップの組み合わせ抽選会が行われた2025年12月5日。イングランドとの対戦が発表されたのも同じ日の12月5日というスピードだった。
日本は欧州勢2カ国(オランダと欧州プレーオフBの勝者)との対戦が決まっており、世界屈指の強豪であるイングランドは願ってもいない相手だ。しかし、この重要な時期にサッカー母国はどうして日本と対戦することを決めたのだろうか。
イングランドがグループL上位に入ると、韓国のグループAでの成績次第でラウンド・オブ・16で対戦する可能性がある。日本を仮想韓国に見立てているのだろう。グループは当然突破するものとして、決勝トーナメントを視野に入れているのか。しかし、韓国はあくまでも可能性の一つであって、ワールドカップに出場する東アジアの国は他に日本しかない。イングランドにとって必ずしも優先順位が高い対策ではないだろう。(下に記事が続きます)
イングランドはクロアチア、ガーナ、パナマと同組
グループLには、イングランドの他にクロアチア、ガーナ、パナマが入っている。クロアチアは、日本がワールドカップで度々敗れた相手であり、言わずとしれた強豪国だ。ガーナにとってイングランド(英国)は元宗主国であり、並々ならぬ意気込みで試合に臨んでくることだろう。
イングランドは、決勝トーナメントでも南米の強豪コロンビアなどと対戦する可能性がある。であればアフリカ勢や中南米の国々の方が優先順位がはるかに高いだろう。ヨーロッパの出場国数は16と最多のため、もちろん対戦する可能性は高いが、イングランドは欧州諸国と常日頃から対戦しているため、改めて対策をする優先順位は低い。
ヨーロッパの代表チームは、ヨーロッパ域内での大会スケジュールが過密になってきており、異なる大陸の代表チームと対戦する機会が減っていることから、ワールドカップを前にして欧州域外の国との対戦を積極的に計画した可能性もある。(下に記事が続きます)
日本の実力を認めた証
日本にとって見逃せない要因がある。イングランドが日本との対戦を迅速に決定した理由の一つには、日本を実力のある国だと認めている点が挙げられる。近年に入りドイツ、スペイン、ブラジルなど強豪を撃破してきた日本に一目置いているのだ。
この重要な時期にイングランドが手合わせをしてくれるのは、日本代表の成長を示すものに他ならない。プロ化前の日本代表は、他国の代表チームがなかなか対戦してくれずに、欧州や南米のクラブチームと親善試合を行うこともしばしばだった。
近年に入ってからは、非公開の調整試合を除いて日本代表がクラブチームと興行試合を行うのは聞いたことがないだろう。
日本がイングランドと対戦できることは非常に喜ばしい。日本はグループステージでオランダと欧州プレーオフ・パスB勝者(ウクライナ、スウェーデン、ポーランド、アルバニアのいずれか)と対戦する。
イングランド代表データ
FIFAランキング(2025年11月20日更新時点):4位
日本代表の過去の対戦成績:0勝2敗1分(3得点5失点)
ワールドカップ:優勝1度(時刻開催の1966年大会)
ユーロ(欧州選手権):準優勝2度(2021年、2024年)
イングランド代表は2026年北中米ワールドカップ・ヨーロッパ予選で8戦全勝し本大会出場を決めた。他に全勝したヨーロッパの国はノルウェーのみ。(下に記事が続きます)
北アフリカや堅守の国と対戦を
日本は、イングランド戦の直前にも親善試合を行う可能性が考えられる。ロンドンでの試合が決定しているため、欧州域内での試合になると考えるのが自然だ。対戦するのは欧州の国になる可能性もあるが、他の大陸の代表選手も多くが欧州でプレーしているため選択肢は多い。
グループFには日本と欧州2カ国の他に、チュニジアが入った。チュニジア対策としては、北アフリカのアルジェリア、エジプト、モロッコあたりと親善試合を行うのがよいだろう。ただし、グループCのモロッコとは、ラウンド・オブ・32で対戦するかなりの確率があるため、手の内を隠す意味でも他の2カ国と対戦するのが得策だろう。
チュニジアとは比較的、頻繁に試合をしているが、類似した堅守スタイルのサウジアラビアとも対戦しており、日本の課題は明らかになっている。北アフリカや中東の国に限らず、守備を固めてくる強豪国との対戦も選択肢だろう。
2025年に入ってから南米やアフリカの国々とは試合を行ったが、堅守のパラグアイに日本は大苦戦した。このタイプの国とはもう一度と言わず、何度でも試合をしておきたい。
また、イングランドの他にも、なかなか対戦できないヨーロッパの国とマッチメイクすることも提案しておきたい。(下に記事が続きます)
森保監督「トップの相手にも勝利を目指す」
日本代表の森保一監督のコメント:世界でもトップクラスの実力と実績を誇るイングランド代表と、サッカーの聖地と呼ばれるウェンブリー・スタジアムで試合ができることをとても嬉しく思います。マッチメイクに尽力いただいたすべての関係者に感謝申し上げます。FIFAワールドカップ26の組み合わせも決まり、より具体的に本大会に向けてのシミュレーションとチーム強化を図り、トップオブトップの相手にも勝利を目指して戦いたいと思います。
また、日頃からヨーロッパのトップレベルのリーグでプレーしている日本代表選手たちのこれまでの活躍があってこそ、こういったクオリティの高い相手とのアウェイでの対戦が実現するものだと感じています。選手たちのこれまでの活躍にも敬意を示すとともに、さらにチーム力の積み上げを目指します。


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