バレーボール男子イタリア1部リーグ・セリエAは2025年4月29日(日本時間4月30日)、プレーオフ(PO)準決勝で敗退した日本代表の石川祐希が所属するペルージャ(レギュラーシーズン2位)が、中4日でホームのパラ・バルトンで行われた3位決定戦第1戦(2戦先勝方式)に臨み、ピアチェンツァ(レギュラーシーズン5位)にセットカウント3-1(37-35/25-18/19-25/25-18)で先勝した。
ペルージャは5月3日午後8時半(日本時間5月4日午前3時半)からアウェイのパラー・バンカ・スポルトで行われる第2戦で連勝すれば、今季3位が確定。スーペルレガの上位3チームに権利が与えられる2025-2026年シーズンのCEV欧州チャンピオンズリーグ出場権を獲得する。
MVPはソレ
スターティングメンバーから外れた石川祐希は2度のリリーフサーバーなどの限定的な起用にとどまり、無得点だった。試合時間は2時間12分。この試合のMVPは4本のブロックポイントを含む12得点を挙げたペルージャのMBセバスチャン・ソレが獲得した。
試合内容ににじむ後遺症
失意の準決勝敗退から中4日。チビタノーヴァに3連敗を食らって今季最大の目標の一つだったリーグ2連覇を逃したペルージャの傷は深く、まだ癒えていない。
3位を確保すれば、来季の欧州チャンピオンズリーグ出場権を得られるというモチベーションはあるものの、リーグ連覇の目標が消えたいま、再びエンジン全開で試合をするには時間が短すぎた。3-1で勝つには勝ったが…。ペルージャの試合内容には「後遺症」がにじんでいた。(下に記事が続きます)
第1セット楽勝ムードが一転
準決勝5戦をフルで戦い抜いたペルージャに対して、この日の相手ピアチェンツァはトレンティーノに3連敗でこの試合に備えられた分、休養十分でフレッシュだった。
第1セットはペルージャが22-14と最大8点リードで楽勝ムードだったのが一転、ピアチェンツァが牙をむく。OHスティーブン・マーのサーブに対応できず、連続失点を許してデュースに。最後は37-35でペルージャが振り切ったものの、OPベンタラはサーブやアタックが絶不調で、攻撃参加がほとんどなかったMBロセルも第1セットは得点0だった。
第3セットもピアチェンツァのOHエフェマンディラジのサーブや MBシモンのブロックに苦戦した。結局、そのセットをとりこぼしてしてしまい、レギュラーシーズンには見られなかった重苦しさがペルージャには漂った。
途中出場で結果を求められた石川も不完全燃焼。第4セット21-17でリリーフサーバーでコートに送られ、1本ブレークしたのち、22-17で放った2本目のサーブがアウトになると、悔しそうに口元を結び、すぐにベンチに下がった。
監督「もはやスーパーマンを装うべきじゃない」

ペルージャのロレンツェッティ監督は試合前、地元紙のPeruigia Todayのインタビューに苦しい胸の内を語っていた。「私たちはもはやスーパーマンを装うべきではない。私たちは忘れ、別の目標に向かって進んでいく。それは確実だが、同時にその苦い感情を抱えたまま、乗り越える必要があることも忘れてはならない」
ペルージャは今季最もモチベーションを保つには難しかったはずの試合を辛勝で乗り越えた。これ以上の消耗、停滞を避けるためにも、次戦で3位を決めたい。そして心機一転、欧州チャンピオンズリーグのタイトル奪取へ。いまこそファンの応援歌のフレーズ、fino alla fine forza perugia!(最後の最後まで、がんばれペルージャ!)を胸に。

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