バレーボールのヨーロッパ最強クラブを決めるCEV欧州チャンピオンズリーグ(CL)は2025年3月11日(日本時間同12日)、ホームアンドアウェイ方式で行われる準々決勝の2試合があり、イタリア男子1部リーグのスーペルレガ対決の第1戦は、日本代表の石川祐希が所属するペルージャがアウェイでモンツァをセットカウント3-1(19-25/25-16/25-17/27-25)で下してファイナル4(準決勝)進出に前進した。準々決勝の第2戦は3月20日(日本時間同21日4時半)、ペルージャのホーム、パラバルトンで行われる。準々決勝のもう1試合はワルタ・ザヴィエルチェ(ポーランド)がSVGリューネブルク(ドイツ)を3-0で下して先勝した。
欧州CLのファイナル4はポーランド第3の都市ウッチで5月16、17日に準決勝が行われ、18日には決勝と3位決定戦が行われる。
セメニウクMVP、ロセルはブロック7本

ペルージャのOH石川は公式戦3試合連続のベンチスタートとなったが、モンツァに1セットを先取された後の第2セット途中から投入され、サービスエース2本を含む11得点の活躍で逆転勝利を呼び込んだ。アタック決定率は75%をマークした。この試合のMVPは両チームトップの17得点を挙げたペルージャのOHカミル・セメニウクが獲得。MBアグスティン・ロセルも会心のパフォーマンスを見せ、1人で7本のブロックを決めた。
降格回避、肩の荷が下りたモンツァと接戦
欧州CL準々決勝の「イタリアダービー」初戦は意外な接戦となった。
セリエAで今季のレギュラーシーズン2位のペルージャと、12チーム中下位から2番目でやっとのことで降格の危機を免れたモンツァの対戦。直近の10試合でもペルージャの9勝1敗とペルージャが圧倒していたが、第1セットはモンツァが取ってペルージャを慌てさせた。
モンツァはMBマルティーノ(イタリア)のBクイック、OHマルティラ(フィンランド)のバックアタックなどで、ペルージャの出鼻をくじくのに成功した。試合前、マルティラが「スーペルレガで残留を果たしたことで、僕らは肩の荷が下りた。だからチャンピオンズリーグではより明確な気持ちで戦える。ペルージャの攻撃を抑え、ホームのアドバンテージを最大限に活用する」と意気込んだ通りの展開となった。
石川投入の第2セットから反撃「とても満足」
しかし、第2セット4-3の場面で石川が投入されて、ペルージャがぐっと引き締まった。石川はコートに入った直後からレフト弾を見舞って5-3と突き放す。試合に入って1プレー目からエンジン全開。そんな石川に司令塔のジャンネッリも応えるようにトスを集め始めた。
この第2セット、石川は相手の意表を突くツーアタックを含め、4本すべてのアタックを決めきり、決定率100%をマーク。最後も石川がサービスエースで締めた。その時の「どうだ」と言わんばかりの表情が誇らしい。結局このセットを25-16の大差で取ったペルージャが第3、第4セットも連取して押し切った。
第3セットのセットポイントを奪った24-16の場面ではジャンネッリがワンハンドで上げた苦し紛れのトスが石川に無理やり託されるアンラッキーなシーンもあった。これは到底処理できず、アタック決定率は試合を通じて75%に落ちたが、石川は数字以上の活躍を見せ、試合後のインタビューではつらつと語った。「第1セットでは少し苦しみ、攻撃がうまく機能しませんでした。第2 セットではオレイ(プロトニツキ)に代わって出場して、自分はかなりいいプレーができました。チームの流れが変わり、とても満足しています」。イタリア10年目で初めて経験する欧州CL。石川はその未知の舞台でまた一歩、次なる「ファイナル4」に前進した。
セメニウクのコメント 「最も重要なのは勝ったことだ。この勝利を手にペルージャに戻れる。私たちはチャンピオンズリーグのファイナル4に値することを示せた。次の試合では、勝つ方法を考えながら正しいアプローチでプレーしなければならない」
ロセルのコメント 「我々はとても満足している。3-1で勝つことができた。チャンピオンズリーグの準々決勝ではすべてのセットが重要になるので、これは非常に重要なことだ。これからはすべての試合が決勝戦だ」

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