野球の国際大会、WBSC第3回「プレミア12」決勝で2024年11月24日、日本代表(侍ジャパン)を0-4で完封して初優勝したチャイニーズ・タイペイ代表の快挙が近く、500台湾ドル(約2,400円)紙幣の図柄にあしらわれることになりそうだ。大の野球好きで知られる頼清徳(ライ・チントー)総統が昨年末の2024年12月31日、紙幣の図柄を野球台湾代表に変更することについて「実現するだろう」と語り、紙幣デザインの変更を約束したと、複数の現地メディアが報じた。
現行の500台湾ドル紙幣にも球児たち
現行で流通している台湾の500元紙幣の絵柄にも実は、野球少年11人が飛び上がって喜んでいる様子が描かれている。これは1968年にリトルリーグ・ワールドシリーズで日本関西少年野球リーグの和歌山チームを、7ー0で破った台東県の原住民ブヌン族の「紅葉少年」野球チームの球児たちを描いたものだという。今回のプレミア12のチャイニーズ・タイペイ代表の活躍を受け、SNSなどでは「この際、リニューアルしてはどうか?」などの声が上がっていた。日本野球に勝った証がまたも、台湾紙幣に刻まれる。(下に記事が続きます)
総統は熱烈な野球ファン
頼清徳総統は2024年の台湾総統選でもスタジアムジャンパーに身を包み、野球をモチーフとした「TEAM TAIWAN」のイメージ戦略で台湾の一致団結を強調していた。台湾は国家としての立場で諸外国と交流するのが難しいなか、総統就任後は国際大会の招致など、積極的なスポーツ外交にも着手している。
台南市に本拠を置く、プロ野球・統一ライオンズファンを公言する大の野球好きだ。内科医でもあり、公衆衛生の修士号を取得した米ハーバード大に留学経験がある。米大リーグが身近にあった環境で学んだことも野球好きを加速させたのだろう。
プレミア12で優勝した台湾チームの帰国便に合わせ、自ら台湾軍の戦闘機を手配し、エスコートさせる破格の祝福で話題になった。
自身のSNS(X)では「チームTaiwanの素晴らしいパフォーマンスを心からお祝い申し上げます。台湾初の@Premier12 の優勝を持ち帰り、歴史を作りました。あなたたちのチームワークと忍耐力は私たち全員に刺激を与えてくれます」とつぶやき、自身の喜びを表現した。
「台湾は半導体だけじゃない、野球もある!」
選手らが帰国した翌日の2024年11月27日には台北市内で大規模パレードを開催した。総統府で選手らを出迎えた頼総統は「台湾の存在を世界に示してくれてありがとう」と慰労し、「台湾は半導体だけではない。台湾には野球もある!」と、名言を残した。
大谷翔平ら野球日本代表の侍ジャパンが、プレミア12よりも格上のワールド・ベースボールクラシック(WBC)決勝で米国を3-2で破って優勝したのは2023年3月。日本は歓喜に沸いたが、その活躍がお札のデザインになるまでのことはなかった。スポーツを愛し、支持率も好調なトップが決断した新紙幣で、台湾の経済もまわっていきそうだ。
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